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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

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2018年1月 2日

*Jaan x **L'Enclume、イギリスの大地の味を表現したコラボレーション


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*Jaan x **L'Enclume、イギリスの大地の味を表現したコラボレーション

イギリスでファームトゥーテーブルがコンセプトのミシュラン二ツ星レストラン、L'Enclume のオーナーシェフ、Simon Rogan シェフが同じイギリス南部出身の、JaanのKirkシェフのコラボレーションを行うため、シンガポールにやってきました。

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Simonシェフ(写真左)は、もともとイギリス南部、サウスハンプトン(Southampton)出身で、父が青果商を営んでいただけあって、シグネチャーは野菜料理。2002年に北部の湖水地方、カンブリアに、L'Enclumeをオープンしました。

当時から、ファームトゥーテーブルのレストランを目指し、2007年には自家農園をオープン。現在は、自家農園で育てた産品をほぼ100%使用しているそうで、100種類ほどの野菜や果物、茸、そして豚や鶏、ホロホロ鳥、鴨、アヒル、羊や牛も育てています。

また、海岸から2マイルほどと、遠くない場所にあるため、昆布を収穫して干して、出汁をとったりパウダーにして料理に使っています。ちなみに、昆布の出汁は、90度のお湯を沸かしてから火を止め、乾燥した昆布を入れて、自然に抽出されるようにしているのだとか。

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そのほかにも、マッシュルームの発酵なども行っており、事前にメディアを対象に行われたマスタークラスでは、チェスナッツマッシュルームを薄切りにし、1%の塩をまぶしてから真空パックに詰めて、温かい場所に置いて出てくるジュースを使ったソースの作り方が実演されました。


イベント最終日のディナーにお邪魔すると、入り口には、この3日間のためだけに、まるでイギリスの森に迷い込んだようなフラワーアレンジメントの演出。

まずは、Kirk シェフがKrugアンバサダーを務めているだけあって、Krug のグラン・キュヴェで乾杯。

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早速出てきたアミューズは、今再び注目を集めている発酵飲料、コンブチャとビーツのジュース(S)。まるで桃のネクターのような、独特の優しいフルーティーさがあります(SはSimonシェフ、KはKirkシェフ)。

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そして、松の葉に刺さって出てきたのは、松の葉でスモークしたビーツ(S)。むっちりとした食感、スモークの香りと相まって、肉のような印象を出そうとしている感じがしました。

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初めて訪れるというシンガポールにはスーツケース丸々一個分の食材を運んできた、というSimonシェフ。「シンガポールでは手に入らない自家製の出汁などが中心」とのこと。この松の葉も、イギリスからわざわざ持って来たのだそう。

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ビーツのジュースにペクチンを混ぜて、葉の形にしたカリカリのチップの上に、エルダーフラワーのジェルを乗せたもの(S)。

そして、第二弾としてやって来たのが、焼いたシャロットをくり抜き、飴色になるまで炒めたシャロットを、仔牛の生肉を角切りにしたタルタルのようなものと、アンチョビのマヨネーズソースと共に皮の中に戻したもの(S)。

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苔むした小石は、石の上に鱈のブランタードにパセリの粉をまぶしたもの、隣にあるカリカリの鶏の皮につけていただきます(S)。

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そして、ゲストシェフに花を持たせた、Kirkシェフからのアミューズは一品、フォワグラのムースの上に、カリカリのリンゴのチップが乗っています。第二弾のアミューズでは控えめな甘みを、このリンゴが補います。

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そして、Jaan特製のサワードゥ。酸味や苦味はあまり強くなく、香ばしさが際立ちます。新しい提供方法で、結んである紐を外すと、あらかじめ切り目の入れてあるパンが花のようにパッと開いて、ふんわりと湯気が立つのも、目にも美味しい演出。

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ポン酢出汁のゼリー、大根のスライスと、ホタテの貝柱。スープはラビッジのオイルに、ラビッジとホタテのまろやかなスープを注いで。

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コリコリした食感の海藻も、新しい味わい。とても丸いまろやかさが印象的な、優しいスープでした。

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Salted Gooseberry and Herb Tart(S)

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そして、グーズベリーとハーブのタルト、とても薄い生地は手で持つと崩れそうなほど。こちらも、ペクチンで固めています。中にはカーネーションや金蓮花、マリーゴールドなどの花。見た目に美しいだけでなく、子どもの頃遊んだ農園での時間を思い出すような、懐かしくフレッシュな味わい。下に散りばめられたソースはサワークリーム。生地は甘ずっぱいのですが、とても薄いので、全体を甘みがカバーしてしまうほどではありません。タルトはカリカリの食感ながら、口の中でフルーティなビネグレットソースのような役割を果たします。

ペアリングは最近シンガポールでもよく見かけるようになったレバノンのワイン、Chateau Muzar 2006。
地元のシャルドネに近い品種、Obaidehとセミヨンに近い品種、Merwahのブレンド。青草やチョーク、インクのような香りが特徴的で、野趣溢れるタルトとよく合いました。

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Dill Birined Cabbage(S)
そして、ここでキャベツ。
地球温暖化への問題意識から、肉を食べ過ぎるのはよくない、という考えのもと、ベジタリアンレストランではありませんが、野菜を主役に据えた料理を作っているとのこと。

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キャベツは肉と同じように、2%の塩とディルで作った液に浸してからオリーブオイル、バターで焼き、「照り焼きの味が大好きなんだ。だから、自分流照り焼きソースを作ったよ」ということで、マッシュルームの出汁、発酵マッシュルームジュース、はちみつの酒、ミードを使って煮詰めたソースを作っています。ホースラディッシュの代わりに、わさびの葉を使ったマヨネーズと黒トリュフをかけていただきます。ソース自体は甘い味。
しっかりと焦がしたキャベツは、野菜の持つ本来の甘みが火の力で引き出され、香ばしさと甘みがしっかりと感じられます。


Simonシェフに、発酵や松の葉を使った味付けなどに、どこか北欧料理に近いものを感じるとお伝えすると、北欧のバイキングは、北部イギリスにも来ていたし、気候的にも近いものがある。もともとのこの地域全体の文化、とのこと。

ぺアリングは、日本の照り焼きソースをイメージしたというだけあって、日本酒と。兵庫県の小鼓 路上有花 桃花。

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ややフルーティーさを感じる甘めの飲みやすい日本酒で、全体にクリアな甘みと丸みを乗せるような組み合わせ。


Confit Hen's Egg(K)

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そして、Kirkシェフの「卵の中に卵と卵が入った」料理は、オリーブオイルの中で低温調理した卵黄の上に、クリスタルキャビア、そしてその下には、キャビアのこくと相性抜群のカリフラワーのムース、根セロリのフラン。卵型の器の中に、ローズマリーのスモークを閉じ込めて。
サイドには、パルメザンチーズをたっぷりと削りかけたブリオッシュと共に。

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Domanine Louise Michel & Fils Charblis 1er Cur, 'Montee de Tonnerre' 2012
酸味は控えめで、山羊のチーズのような動物性の香りがあります。

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Winter Harvest Vegetable(K)

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そして、カークシェフの冬をテーマにした野菜。根セロリは日本の白味噌に24時間漬け込んでから、ライ麦と塩で作った生地でくるみ、オーブンで焼き上げています。じっくりと引き出された根菜の甘み、トリュフのクランブルの大地の香りと甘み。
根セロリのピュレが敷かれ、最後にかけられる菊芋のソースに、Joselitoハムの豚の脂が溶け出してくるところ、さりげなく生姜がひとかけ入っているところも、体を温めてくれる煮込み料理を思わせる、冬の味わい。

ペアリングはPierre Labet ジュヴレ・シャンベルタン2014 。鞣し革やインクのような香りのピノ・ノワールが、土の香りと合います。

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Turbot Braised in Ham Fat(S)

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大型のヒラメのような魚、Turbotを使った料理は、ごく低温で豚の脂で焼き上げた後に、皮を外してラードを乗せ、豚の皮をあげたカリカリのパフを乗せて。サイドには、生のガリシア産の赤海老はエルダーベリーの酢をまとわせ、カツオと昆布の出汁で湯がいたレタス、エビの頭から作ったパウダーを添えて。

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ペアリングは香りにはフルーティーな果実のボリュームがありながらも、すっきりとした飲み口のマーガレットリバーのPeccavi Chardonnay 2012。魚料理ですが、濃厚な味わいの一皿を軽やかにしてくれます。

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Venison(K)

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南オーストラリア、Mandagery creekの鹿のフィレ肉は、鹿のジュと、72%のダークチョコレート、オレンジの皮、ジュニパーのソースで仕上げてあります。

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ケールは軽く湯がいてから、ピンクガーリックのオイルをまとわせて仕上げて。シグネチャーのラム・キャノン同様、肩の肉は薄切りにして、旨味たっぷりの小さなボールに仕立ててあります。りんごとシナモン、クローブのピュレ、洋梨のコンポート、ターニップのソース、中国の陳皮を思わせる、みかんの皮のパウダーを添えて。

St. Francis "Old Vines " Zinfandel 2014 Sonoma County, USA
ダークフルーツのジャムのようなフルーティーさ、チョコレート、リコリスのようなスパイス感が、鹿にぴったり。カリフォルニアワインらしい、はっきりとしたオーク樽の香りもあります。

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Pear in Rosehip(S)

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デザートは、ローズヒップのスープに、洋梨が浮かんでいます。上からカリカリのヘーゼルナッツのクランブルと、アニスとヒソップ、クリームチーズを液体窒素で固めた雪をかけて。

Chateau Rieussec 'Les Carmes de Rieussec' 2012, Sauternes

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Anvil(S)

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金床、という面白いネーミングのデザート。
さらに、リンゴのコンポートの上に、キャラメルと日本の白味噌のムース、そこにりんごと松の葉のジュースをかけていきます。

Sweet snacks

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アップルマリーゴールドのふわふわのマイクロウェーブスポンジは、上にマリーゴールドの花、香りが共通しているアニスを乗せて(S)。小石のようなものは、冷たいミントアイスクリームに、ウーロン茶のジェルと干し草の灰で作ったモチモチのジェルでカバーしてあります。

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Jaan定番の小菓子、ラズベリージャムとクロテッドクリームを挟んだクッキー(K)は、Kirkシェフのふるさと、Devonのクリームティー(紅茶と一緒にスコーンとクロテッドクリーム、ジャムを楽しむ風習)そしてとろりとした塩キャラメルのフィリングを閉じ込めたアーモンドチョコレート。

「イギリスの料理といえば、フィッシュ&チップス、ではないんですよ」と語るSimon シェフ。二人のイギリス人シェフが織りなす、豊かなイギリスの味を楽しみました。

<DATA>
■JAAN and L'Enclume Four Hands experience
日時:2017年12月14日〜16日(終了)
■ Jaan (ジャーン)
営業時間:ランチ 12:00~13:45(L.O)、ディナー 19:00~21:45(L.O)、無休
住所:Level 70, Equinox Complex Swissôtel The Stamford, 2 Stamford Road, Singapore 178882
電話: +65 6837 3322
アクセス:MRTシティーホール駅直結

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      仲山 今日子
      元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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