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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

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2018年2月 4日

ミシュラン一つ星、beniのバレンタインデースペシャルメニュー


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ミシュラン一つ星、beniのバレンタインデースペシャルメニュー

日本の食材を使い、フランスのクラッシックな味わいを表現しているミシュラン一つ星レストランのbeni 。山中賢二エグゼクティブシェフのバレンタインメニュー、"Taste of Love($308)" をいただきに、一足早く行ってきました。

コースに含まれているのが、Billecart-Salmon のロゼシャンパン。

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マセラシオンで抽出した果皮の複雑味と、樽の豊かな香りと味わい。

パンは、クロワッサン生地で作ったエスカルゴ型のパン、しめじとマッシュルームの入ったマフィンシャンピニオンなど。

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いつも一番最初にいただくパンが、エスカルゴ。焼きたてなのでふわふわ柔らかく、冷めると次第に表面がカリッとしてきます。内側はしっとり、塩がはっきりめ。

前菜は下東登シェフの担当。前回お邪魔した時も、生の秋刀魚を山椒と合わせた印象的な前菜を出していただきましたが、今回は、鹿児島産のカワハギに、北海道のウニとイクラを合わせたカルパッチョ。

Kawahagi Carpaccio, uni, ikura

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ソースは、春菊、ウニ、カワハギの肝とチャイブのソース。細かく刻んだフルーツトマトを添えて。

カワハギの身がとてもなめらかで、旨味もたっぷり。エイジングしているのかな?と思ってお聞きしてみると、2日間塩でマリネしてから、昆布のパウダーを少しだけまぶしているのだとか。さらに、ゆずの皮を削りかけて。

肝に混ぜ込んだチャイブの味、特にウニと相性の良いトマトの酸味、ほんのりとした苦味と香りの春菊が全体を引き締めます。

シャンパンと一緒にいただくと、少しシャンパンの後味に乳製品のようなニュアンスを感じる変化も楽しいです。生の魚介類とワインは、合わせ方が難しいものですが、こちらは美味しくいただける組み合わせになっていました。

Beef Consomme,foie gras, black truffle

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神戸牛のコンソメは、チキンストックで牛肉のトリムした部分をじっくりと煮出してから、神戸牛のプレミアムカットのみを扱うbeniだけに、本来はステーキでいただく部位の神戸牛のリブアイをひき肉にして、軽く煮出すことを2回繰り返しています。「本来はスネの方が旨味が強いので、しっかりとした味が出ます。でも、上質な材料をたっぷり使い、煮出しすぎないことで表現できる繊細な味があると思うのです」と山中シェフ。
心に浮かんだのは、日本料理の一番出汁の考え方。骨を潰し、味の全部を煮出すフランス料理に対して、日本料理は、良い店であればあるほど、質の高い鰹節をたっぷり使って、さっと抽出する手法を取るものです。このコンソメは、そんな、日本料理に近いアプローチの方法だと感じました。

中の具は、チキンストックで煮て一口大に裂いた、噛まなくても溶けそうな神戸牛のリブアイ、グリルしたフォワグラ、ペリゴール産の黒トリュフと、ロッシーニのスープ、と呼びたくなるような王道の組み合わせ。

牛肉の旨味だけを抽出したような、滋味溢れる、と言う言葉がぴったり来るスープ。3リットルのコンソメを取るのに10キロ近い神戸牛を使っているそう。
「昔から、コンソメは体が弱った時などに、滋養を取るために飲まれていたもの。使われている量の肉は食べられなくても、スープにすれば、その栄養を取れるのです」

野菜をほとんど使わず、シンプルに牛肉の旨味だけを引き出したクリアなコンソメに、フォワグラの脂が溶け出し、トリュフの旨味と香りがたちのぼります。


4 Kind of Clams, scallop, cucumber clam, surf clam, ark shell

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日本産の4種類の貝は、帆立貝、北寄貝、赤貝、白ミル貝の新鮮さを生かしてミキュイ(半生)にソテーしてあります。一番下には、柔らかくなるまで茹でてから、バターを絡めたポワロー葱、その上に、貝類と、バターで蒸し煮にした角切りのズッキーニと人参、マッシュルーム、ニンニク、イタリアンパセリなどと共に、フェンネルのソースを合わせます。上には、イカスミのチュイル、アマランサスの芽などのミニハーブと泡仕立てのサフランの軽やかなソースと共に。

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一番印象的だったのは、食感。柔らかで甘みのある帆立貝、コリコリしていてきゅうりのような香りのある赤貝、シャキシャキの白ミル貝、サクサクした食感の北寄貝など、それぞれ違う貝の食感と味わいの個性を引き出していて、とても楽しめました。

ワインはルロワのムルソー。

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樽の香りやしっかりとした動物性の、乳製品の香りがクリーミーなソースと、はっきりとしたミネラル感が貝の個性と良く合いました。


Nodoguro, potato boulangerie, chicken jus

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長崎産のノドグロは、脂がたっぷり乗っているその個性を生かしてふんわりと蒸して。「普通、フランス料理では魚はポワレやムニエルにして、表面に焦げ目を作ることが多い。でも、(ロオジエで師事した、フランスMOFシェフの)ジャック・ボリーさんに、魚の魅力の引き出し方を教わったのです」。


クラッシックなポテトのブーランジェール、本来はフランスの素朴な家庭料理です。ジャガイモを炒めた玉ねぎと共にチキンストックグラタンのように焼き上げますが、上品に仕上げるために、焼き上げずにそのまま提供しています。ジャガイモの煮汁を煮詰めたところに、クリーム、白ワインビネガー、隠し味にマスタードなどを加えたソース。

とろけるように蒸しあげたノドグロに、クリーミーな味わいのソース、なんとも優しい味わいです。

最後にチキンのジュとブラックトリュフを削りかけて。


Challans Duck, Japanese citrus compote, chocolate sauce, orange

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ローストしたシャラン産の鴨の横には、日本らしい香りと苦味、酸味のアクセント、ゆず、日向夏、金柑のコンポートが、さらにアンディーブと、2種類の人参は、オレンジジュースと塩、コリアンダー、オリーブオイルと共に真空低温調理をしてから、表面を香ばしく焼き上げています。

オーブンでローストしたエトフェの鴨は、身はしっかりと鉄分を含み、もちろん皮の縮みもなく、表面もカリッと焼き上がり、心地の良いナッツのような香りがあります。

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鴨と相性の良いオレンジの果汁と蜂蜜、12種類のスパイスを煮詰めて、フォンドヴォーを加えた程よい酸味のソースベースは、最後にバターの代わりに加えた、ヴァローナのカカオパートでカカオの香りをプラスしました。もう一つ添えられているのは、コンポートと逆に、苦味も酸味もなく、糖度の高い「紅まどんな」のみかんを丸ごと茹でてピュレにしたソース。

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このバランスの良いソースと、鴨を食べ、口の中をリフレッシュしたい時に柑橘のコンポートの苦味と酸味に戻るのが好みの食べ方でした。

合わせるのは、鴨と相性抜群のエレガントなピノ・ノワール。

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以下の2皿は、バレンタインコースに含まれておらず、スペシャルで出していただいたもの。

シャラン産鴨のパイ包み焼き(スペシャル)。

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シャラン産の鴨をメインに、豚の喉肉、鶏のレバー、フォワグラ、黒トリュフを刻んで混ぜ合わせたフィリング、そしてソースは、個人的に大好きなマディラワインのソース。

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荒見誠ペストリーシェフが作った折りパイ生地のバター感とソースの焦がしバターの香りが合う上に、フォワグラとマディラ酒の相性も、もちろん抜群。以前いただいた時より、フィリングが大振りに切ってあり、それぞれの食感や味わいが余計に楽しめます。

中にトリュフが入っているだけでなく、上からも削りかけてあります。

(スペシャル)
品質の良いフランス・ブレス産の鳩のロースト、サルミソース。

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ローストした後のフライパンで、鳩のガラと野菜をソテーし、赤ワインとブランデー、ボルドレーズソースを加え、最後に鳩のレバーとフォワグラを加えてその場で仕上げています。オーセンティックなソース作りに定評のある山中シェフらしい一皿。手間がかかるため、最近はこういう風に、ローストしたフライパンでそのままソースを作るレストランは随分少なくなってしまったそうですが、その場で出た新鮮なジュ、さらにレバーなど内臓を使ったものは、出来立てが美味しいように思います。また、雑味のない味わいを大切にしている山中シェフらしい気がしました。

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サイドに添えられたのは、タルトタタンのフィリングのように仕上げた紅玉。しっかりとキャラメリゼした具合もちょうどよかったです。


鳩に合わせたのは、甘すぎないスパイスのニュアンスのあるヌフ・デ・バプのワイン。

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複雑味と鉄分のあるソースに、骨太でスパイシーな印象がよく合います。

そしてバレンタインコースに戻り、

プレデザートは、
Japanese Pomelo

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土佐文旦の果肉、レモングラスのグラニテ、ヨーグルトのソルベ、一番下には、レモンカードに近い感じのレモンクリームを。しっかりした甘酸味のあるクラッシックな印象のレモンクリームが入ることで、ここまでのコースをしっかりと汲み取った流れ。


Strawberry Cacao

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アマゾンカカオに合わせた、ミルフィーユ。三つ折りを3回という折りパイ生地は、ふんわりとそのまま自由に膨らませて。

生のとちおとめと、キルシュのアイスクリーム、アマゾンカカオのガナッシュとクッキークランブル、そしてカカオマスそのものを削りかけてあります。仕上げに、温めたとちおとめのソースで仕上げます。

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そして、この次もバレンタイコース外のスペシャル。荒見シェフは銀座のベージュで働いていたこともあるということで、アラン・デュカスのレシピのババを。

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シロップに浸した生地に、さらにアルマニャックをかけて。なんと生まれ年のアルマニャックで作っていただきました!生クリームにブルボンバニラのバニラビーンズをたっぷりと混ぜ込んだクリームを添えて。

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小菓子は、今年は旧正月がバレンタインデーから2日後、2月16日というだけあって、マンダリンオレンジのマカロン、金の延べ棒からその名前のついた、縁起の良い焼きたてのフィナンシェ、中国語の発音が縁起が良いというパイナップルを使った、パイナップルタルト。

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最後にラテをいただいていたら、山中シェフから、beniの装花を担当している、Dan Takedaさんの作った花束が!

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こちらも、実はバレンタインコースを頼んだら2人で1束いただけます。そして、お土産にケーキも(ペアで一個)。バレンタインということで本来はチョコレートケーキだそうですが、代わりに大好きなガレット・デ・ロワを用意していただきました。

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とろりとしたカスタード多めのフランジパーヌクリーム、バターの香りが心地よいふんわりとした生地でした。

このスペシャルディナーは、2月13日、14日のみ(ランチは通常営業)。14日のディナーは早くも売り切れになってしまったとか。気になる方は、お早めに!

<DATA>
■ beni (ベニ)
営業時間:ランチ 12:00~15:00、ディナー 19:00~22:00 (日曜休)
住所:333A Orchard Road #02-37 Mandarin Gallery Singapore 238897
電話: +65 9159 3177
アクセス:MRTサマセット駅から徒歩6分

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カテゴリー レストラン・料理・食材
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      シンガポール特派員
      仲山 今日子
      元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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