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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

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2018年6月24日

[フランス]50年連続三ツ星、新生Troisgrosへ!


[フランス]50年連続三ツ星、新生Troisgrosへ!

去年、ロアンヌの駅前からウーシェに移転したトロワグロ。新しいお店にお邪魔してきました!

ロアンヌの駅前を通ったので、昔の店も外側から少し。まだ手を加えられずに、そのままの形で残っているようでした。

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新しい場所は、ロアンヌ駅からタクシーで20分ほどの場所。古い納屋を改築した建物は、一見とても質素ですが、

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中は明るく開放的なエリアと、重厚な雰囲気のエリアが共存する素敵な作りになっています。

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入り口には鶏小屋がありますが、まるで子供部屋を飾りつけるように、鶏たちの上に、可愛らしいモビールが下げてあったのが印象的でした。

外からは、とても小さく見えた建物ですが、中に入ると天井が高く、広々としています。ガラス張りの広い室内からは、広い庭の緑が眺められ、ちょうど藤の花が咲き誇っていました。

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その藤の木にも、アクセサリーのように鏡のモビールがかかっていて、まるで一つひとつが、人格を持った家族の一員のように、訪れる人を迎えてくれます。

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現在厨房に立つのは、三代目のMichel(ミッシェル)シェフと、その長男、Cesar(セザール)シェフ。

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「パリでは私は異邦人のように感じるけれど、日本は私の第二のふるさと」と語る、日本好きのミッシェル氏、次男のLeo(レオ)さんは東京のミッシェル・トロワグロで研修中です。

テイスティングメニューとアラカルトがあり、アラカルトはクラッシックなメニューが中心。今のトロワグロをより表現しているのでは、と思い、テイスティングコースをお願いしました。

アミューズ。

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ほろっとした食感のゴマのサブレ生地の上に、柔らかく煮たアーティーチョーク、アーティーチョークピュレ、パフライス、ごまとコリアンダーの花が散らされています。

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さらに薄く、サクサクした食感の生地にゴマを混ぜ込んだ生地にシトラスが香る、グリーンピースのタルト。

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香ばしい蕎麦の香りのブリオッシュとサワードゥブレッド


Shells and clementine

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比較的酸をしっかりと感じる一皿。
最初の一皿は、ハマグリと白アスパラガス、オリーブオイルにゼリーのようにジューシーな食感の、クレメンタインオレンジの果肉とジュレに、細かく刻んだ生姜、シーアスパラガスを乗せて。

柑橘とアスパラガスを、オリーブオイルがつないでいる印象。オレンジのジェルとオリーブオイルはフルーティーさで、白アスバラガスは苦味でオリーブオイルと繋がります。

Toasted snails and cabbage with tamarind

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エスカルゴのオーブン焼きカリカリの部分をさらに楽しめるようにした、面白いプレゼンテーション。ゆるい小麦粉生地をながしてバターでカリカリに焼き上げたような、羽根つき餃子を思わせるチュイルが乗っています。

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エスカルゴの上にはパセリと甘酸っぱいタマリンドのペースト、「羽根」の部分のクリスピーさと同じく食感が面白いガリッとした粗挽きの胡椒を添えて。


Light custard with caviar

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卵白にパルメザンチーズの入ったふわふわのムース、中にとろりとした卵黄を閉じ込めて、周りに生のマッシュルームのスライスをつけてあります。上にはドライにした、エピンビネットという赤いベリーと、イスラエル産のオシェトラキャビア。このキャビアは、マスカットのような香りがあり、後味のナッティさがあって気に入りました。

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レモン汁とオリーブオイルでさっぱりと仕上げてあったのが印象的でした。

Monkfish and spicy sauce

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筋肉質でぷりぷりしたアンコウに、玉ねぎのピクルスをのせて。茶色いものは、セミドライにした食用のほおずきです。

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ソースはココナッツミルクを使っていますが、カフィライムなどを使った、私にとって馴染みのある東南アジア風ではなく、インドの風カレーでした。

Langoustine au sake

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そして、二種類あるテイスティングコースの唯一の違いは、このラングスティーヌの一皿がついているかどうか。
ラングスティーヌは甘くてふわふわ、それを際立たせる、甘さのない酸のきいたフェンネルとルバーブのサラダ、素揚げしたカリカリのフェンネル、下にはビネグレット、ラングスティーヌの頭から取った出汁、ヘーゼルナッツオイルで作ったジュ。サイドに、酒粕と、ジンジャー、レモンジュース、醤油、味噌で作ったという酒粕のピュレ。

ラングスティーヌの頭の部分のコクに酒粕のピュレの濃厚さが重なります。

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「地元に造り酒屋がある、日本では動物の餌にしたりするけれど、知らないので捨ててしまう、それを活用しようと思った」と Cesarシェフ。

「ラングスティーヌをマヨネーズと食べるけれども、このソースはそれと似たテクスチャ。酒粕を使うことで、濃厚で米のでんぷん質な味、酒の味、イーストのフルーティーでフローラルな味が実現できた。実は、酒粕で作ったのは初めてで、先週初めて作ったメニュー。今日はないけれど、酒粕を使ったサワードゥを作って出すこともある」とのこと。

Saddle of lamb "Primavera"

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地元でCote de bletteと呼ばれる、フダンソウで椎茸を包んだミルフィーユ、同じく、はっきりとした緑の味わいのフダンソウのソースで春らしい色合いを表現した皿。フランスの炭でグリルにした子羊は柔らかくジューシー。子羊の独特の香りが、ソースのオリーブオイルと合わさるととても上品なものに変わります。肉厚の椎茸も、もっちりとした食感で楽しめました。

贅沢なラインナップのチーズは、ご近所でもあるMOFの熟成士、Herve Mons 氏が熟成したもの。

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チーズに添えられているのは、かぼちゃとマスタード、トマトとバニラのチャツネ。ヘーゼルナッツと蕎麦の、香ばしいパンを添えて。

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「次代に残したい伝統の一つ」とMichelさんが語るのが、トマトのソースや果物のコンフィチュールなどの加熱して瓶詰めした自家製の保存食。丁寧に作られたチャツネにも、そんな手仕事への愛情が感じられます。


Boiled egg

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巣ごもりした卵のような見た目ですが、ホワイトチョコレートでできた殻の中に、金柑のコンポート、ヨーグルトムースが詰まっています。

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周りの巣はバターたっぷりの薄いチュイルのような生地を細かく刻んだものでした。

730 leaves

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分厚いミルフィーユ。730とは、実際に折ってある層の数。「実際には729層なんですけどね」と、サービスの方がにっこり。

パイ生地の下には、先ほどの金柑の苦味ともリンクする、カンパリとグレープフルーツのソース、サイドには、生の野いちご。間のクリームは、しっかりと香りと味わいのある、蜂蜜のクリームでした。

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苦味のあるソースが、全体を軽やかに仕上げていました。

最後は、タルト生地の上にアイスクリームを乗せ、チョコレートでコーティングしたミニタルト。

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シトロンココナッツ、チョコレート、野いちごの味のものでした。

ラテは、トーストのようなしっかりとした香ばしさのある豆を使ったものでした。

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食事の後、今年60歳になったという、Michelさんにお話を伺いました。

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Q 今年でミシュラン三つ星獲得50年となりましたね、おめでとうございます。今、料理において大切にしていることはなんですか?

A ありがとうございます、今特に大切にしているのは、料理に使う素材が、正しい方法で釣ったり育てたりされているかを常に考え、環境への尊敬を持つべきだと思っています。自分たちの行動が地球の現状にある、という意識を持って過ごすこと、そういった細部に対する美意識が、結果的にレストランのエレガンスを作ると思っています。

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Q 確かに、レストランにはテーブルクロスはなく、雲をかたどった手すき和紙のような紙が一枚。使用後は、コンポストに混ぜて、肥料にする、というのも、環境への配慮が感じられますね。今は、メニュー作りをどのように分担されているのですか?

A 長男のCesarは今31歳で、4年前から料理長として料理を作るようになり、最初はコースの一皿だけだったのを少しずつ皿数を増やしていき、今はすべてのアイデアをセザールが出して、それを一緒に精巧なものにしていっています。

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Q いただいたメニューから、酒粕やタマリンドを使ったりと、世界各地の味わいを取り入れていらっしゃると感じました。フランス料理のアイデンティティとはなんだと思いますか?

A色々なものに対してオープンであることです。トマトソースだって、何百年も前からあったわけではありません。キャベツは中国、トマトやポテトは南アメリカなど、95%はもともとフランスになかった食材が、今やフランス料理には欠かせないものになっています。

わたしは日本が大好きで、日本の影響が大きいですが、長男のCesarはサンフランシスコとスペインで働いていたので、ラテンアメリカやメキシコ、スペイン、など多くの影響を受けています。

Qそういった新しいものを取り入れていく中で、これからも残っていって欲しい伝統とはなんですか?

A やはり保存食作りですね。冬に地球の裏側から来たトマトが手に入るようになっても、旬の時期のものを煮たりして瓶に入れて保存したものの方が美味しいと思います。私は、祖母がそういった保存食を作るのを見てきましたし、保存食を作るのは自然の収穫を受け取るという意味での喜びでもあります。

Q 長男のCesarさん、次男のLeoさん共に料理の道を選びましたが、特にこのウーシェの、50年間三ツ星というバトンは、重みのあるものです。どんな風に息子さんたちにアドバイスされていますか?


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A とにかく、自分自身であるように、といつも話しています。三ツ星シェフでいるというのは、もちろん静かな人生ではないけれど、どの仕事でも、トップになろうとしたら静かな生活は望めません。わたしも、父と叔父の足跡を辿ってきましたが、いつも、それができるという自信がありました。妻のMarie-Pierre(マリ・ピエール)がいつも隣にいてくれますし、自分の可能性を信じることができているからです。

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インタビューをしたのは、オフィスの奥にある、奥様のMarie-Pierreさんが使っている部屋。部屋の片隅には、ふわふわのクッションの上に、生まれたばかりの子猫たちが。Marie-Pierreさんは、庭園を眺める入り口のカーテンを取り替えているところで、ウェイティングルームのソファの上でのんびりと日向ぼっこする猫に話しかけていました。家族の絆を感じる温かさ、それが、Michelさんが受け継いだものであり、これから次の世代に手渡していくものなのでしょう。

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自分のスタイル、というものは、一生かかって作り上げていくもの。一歩一歩歩んで行けばいい。というその言葉は、周りの動植物とともに、穏やかに丁寧に暮らす生き方そのものが感じられるものでした。

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<DATA>
■ Troisgros (トロワグロ)
営業時間:ランチ 12:00~13:30 (L.O.)、ディナー 19:00〜21:30(L.O.)、月曜、火曜休
住所:728 route de Villerest, 42155 Ouches, France
電話:+33 04 77 71 66 97
http://troisgros.fr/page_3-maisons

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カテゴリー レストラン・料理・食材
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    仲山 今日子
    元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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