プーケットの「天国」Paresa Resort Phuket
週末に、シンガポールから飛行機で2時間弱、タイ・プーケットに行ってきました。空港から南に1時間弱のリゾート、Paresa Resort Phuketです。
Paresaはタイ語で「天国の中の天国」という意味。その名前通り、入り口は仏教寺院をイメージした建物で、スタッフは「エンジェル(天使)」と呼ばれます。
ロビーからヴィラに案内される際には、天国のドアを開けるという、銅鑼を鳴らしてから入ります。
そうすると、暗い場所から、一転して明るいインフィニティプールと、眺望が望める場所に来ます。足元には純金だというタイルが敷き詰められ、「天国へようこそ!」と迎えられます。
今回用意していただいたのは、一番上のカテゴリーのGrand Residence 2で、部屋には海を望むお風呂、インフィニティプール、
巨大なリビングには、中国料理の円卓のようなテーブル
そして冷蔵庫、オーブン、ガスコンロが揃ったキッチンもついています。長期滞在できたら、ここでゆっくりと料理して過ごすのも楽しそうです。
「ヴィラの平均の広さは660平方メートル。ほとんどのヴィラにこのリビングやキッチンはついているので、ファミリーで滞在する人も多く、通常だいたい3〜5泊されて行かれますね」と、リゾートの責任者である、Dawid Koegelenberg ジェネラルマネージャー。
レストランは一箇所で、地中海料理のDiavoloと、タイ料理のTalung Thai、二つのレストランとして楽しめます。朝食、昼食、夕食と楽しむ、オールデイダイニングとしての位置付けです。
一人はタイ料理が食べたいけれど、もう一人は地中海料理が食べたい、と言う時にも、どちらも食べられるというのは便利なもの。
朝食は、ヨーロピアンメニューとタイのメニューから、一人2品を選び、あとは、パンやシリアル、フルーツ、オーガニックのヨーグルトなどはビュッフェという形式。
温かいメニューは、スタッフの方のおすすめに従い、二種類の麺と、チキンコンソメの効いたタイ風オムレツ、パリスタイルのクレープを。豚肉のPad see-ewは平麺で甘口の醤油味、Pad Thaiはスイートチリソースをさらに甘くしたような味わい。ライムを絞って、すっきりといただきます。全体的に、麺はしっかり甘い味わいでした。
ランチタイムは、タイ料理のセットメニュー(一人1200バーツ)がオススメ。
この日の内容は、野菜の揚げ春巻き、牛、豚、鳥の三種類のサテー。サテーはココナッツミルクの味わいが強いマリネがされていて、マッサマンカレーを思わせるような、スパイスの効いたピーナッツソースと合わせていたのが印象的でした。
その他にも、少しだけココナッツクリームの入ったトムヤンクン、南タイ料理の、大きな海老のタマリンド炒め、青菜と蒸し煮にした豚肉の、やや甘めのオイスターソース炒め、柔らかく煮込んだ鴨肉やチェリートマトが入ったマンゴーの香りのフルーティーなカレー、白米。そして、マンゴースティッキーライスと、野菜もしっかり摂れて、素材も重複せず、これぞタイ料理!と言うメニューを楽しめます。
また、夜はビーチサイドなどでのロマンティックなディナーが提供されている他、メインレストランでは、8月に新しくやって来たばかりの、Young Houn Oh
通称Frankoシェフによる料理が楽しめます。
オーストラリア育ちの韓国人シェフで、パリのコルドン・ブルーで製菓を学んだ後、プラザ・アテネでクリストファー・ミシャラクシェフの元で働き、その後デザートから料理の道に進んだという経歴の持ち主。
まだ8月に着任したばかりで、既存のメニューの数を減らして半分ほどに絞り込み、新しいメニューを考案中というFrankoシェフに、幾つか、今考えている新しいメニューを作っていただきました。
GMのDawidさんオススメの、きゅうりのジュースに梅酒、ジンを加えたカクテル、Ginnieを。
Seared Hokkaido scallop, Phuket lobster congee, crumbled salted egg yolk
まずは、ここのシグネチャーのプーケット産ロブスターのおかゆ。「プーケットの魅力は海産物。特に、ロブスターのクオリティは最高。バンコクのレストランも、プーケットからロブスターを買っていますから」とFrankoシェフ。そこに、表面を香ばしく焼き上げた北海道産のホタテ、テクスチャを変えた自家製の2種類の塩漬け卵黄を作ってのせてあります。米だけではなく、押し麦が入っていて、食感のアクセントになっています。
このメニュー自体は以前からあったものだそうですが、作り方を変えているのだとか。例えばビスクの作り方は、「韓国では、スープを作る際に、キャノーラオイルを入れて、香り成分を逃げないようにする、という考え方があります。ビスクは油脂分が少ないですから、この考えを応用して、煮込む際にほんの少しキャノーラオイルを入れています」と話します。
すっきりと軽快なソーヴィニョンブランとのペアリングでした。
Cricket spiral pasta, cauliflower cream black truffle, zucchini, tomato, garlic flakes
そして、タイで作られているという、コオロギのパスタに、地元の芋虫をフライパンで炒ったものを添えて。タイではこの、フライパンで炒った芋虫はスナックとして親しまれているそう。川エビの唐揚げのような香ばしい味わいに、少し木の香りがします。ドライトマトで甘みと酸味のアクセントを加えたベシャメルソースのようなクリームソースベースのおかげか、コオロギのパスタは、癖のない味わい。「ホテルのダイニングということで、レストランとは違い、コンフォートフードにどこか新しさをプラスしていきたい。コオロギのパスタは、高タンパク質。今の健康志向を考えた上で、どんなものが世界から来るお客様に受けるかを考えている」のだそう。確かに、リゾートホテルを選ぶ上で、そこで時間を過ごすことで、心身ともに健康になる、というのは重要なキーワードです。
ペアリングはすっきりとしたシャブリを。
New Zealand milk-fed Lamb loin, smoked beetroot, eggplant chutney, herb jus
しっかりとニンニクや、ローズマリーなどのハーブが香るニュージーランド産の乳のみ子羊は、羊肉が苦手な人でも食べられそう。46度で6時間低温調理をしたあと、フライパンで表面を焼き上げています。ラムラックに見えるのは、ひき肉で作った食べやすいもの。りんごの木のスモークをかけたビーツはチャツネと、クリームとオリーブオイルを加えたピュレの2種類の仕立て、地中海風のイメージのナスのピュレを添えて。
こちらは、イタリア・トスカーナ産の、杉の木やダークベリーの香りがあるサンジョヴェーゼと合わせて。
デザートは、ランブータンを使ったもの。
Rambutan custard tart, spicy mango, pandan coulis, coconut sorbet
「ランブータンは穏やかな味わい、その魅力を引き出すために、カスタードのベースの中に入れて煮出して、ブリュレを作り、その上にマンゴーとスターアニス、シナモン、そして甘すぎると感じさせないように、韓国産の唐辛子パウダーを隠し味に入れています。その上に生のランブータンを飾り、砂糖を振り替えて上からバーナーで炙って、味を凝縮させて仕上げています」とFrankoシェフ。ココナッツミルクソルベは、カフィライムの葉を入れて、タイ風に。そして、こちらでも食べられているというカヤのピュレは、ブリュレの卵の印象と重ねて。
ペアリングは、タイの甘口ワイン、Monsoon Valley Muscat。マスカットの香りとジューシーな印象の甘口の味わいは、ランブータンの印象とも重なります。
初めて料理長という立場になったというFrankoシェフ。今の時期のお客様は、中国、韓国、オーストラリアからが多く、秋冬になると、欧米のゲストが増えて来る。それぞれのお客様が、どんな料理を食べてきているか。食べて落ち着く故郷の味わいに、新しさを加えた料理、そのバランスを探っていきたいのだと言います。
タイ産のチーズも、良質なものが出てきている。「今は使うチーズの半分がタイ産のものです」とFrankoシェフ。タイならではのオリジナリティのある味わいを、どんな風に表現していくのか、これから楽しみにしたいと思います。
今回訪れた8月を含め、5月〜10月は雨季ですが、2泊3日の滞在中、しっかり雨が降ったのは一日だけ。ルームサービスのメニューも充実していて、レストランとほぼ同じメニューを楽しめるので、ここ南部タイのシグネチャー料理を部屋で楽しむも良いですし、
World Luxury Spa Awardsで2014年のBest Luxury Resort Spaに選ばれたThe Spa by Paresaでのんびり過ごすのもおすすめです。
運が良ければ、こんな素晴らしい夕焼けが望めます!
<DATA>
■Paresa Resort Phuket
住所:49 Moo6, Layi-Nakalay Road, Kamala Kathu, Phuket 83150, Thailand
TEL:+66 (0) 76 302 000
URL: https://www.paresaresorts.com/
筆者
シンガポール特派員
仲山今日子
趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。
【記載内容について】
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