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シンガポール/シンガポール特派員ブログ 仲山 今日子

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2020年3月13日

【beni】王道フレンチのシンガポールならではの進化に注目!


【beni】王道フレンチのシンガポールならではの進化に注目!

シンガポールのミシュラン1ツ星のフランス料理「beni」。日本食材や中国料理の手法も取り込みつつ、ベースにあるのは「ロオジエ」の初代料理長、フランスMOFのジャック・ボリーシェフの右腕だった、山中賢二シェフならではの、丁寧な火入れや贅沢なソースが魅力の王道のフランス料理を楽しみに行ってきました。

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まずはパン。素揚げしたカレーリーフをのせた、シンガポールらしい塩漬け卵黄とエスペレットペッパーを混ぜ込んだバターと、beniの型抜きをしたボルディエのバター。

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焼きたてのパンは、袋のなかには温めた石が入っていて、パンが冷めない工夫がされています。

Langoustine lotusroot, sesame blancmange

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レンコンをイメージさせる一番上のチーズのクラッカーの下には、なめらかな白ごまのブランマンジェ、ムースではなく、あえて噛むと甘みが出るサイズに細かくしたラングスティーヌ、そしてオリーブオイルを数滴。

Shima Aji, amanaga togarashi, brittany mussel, sake jelly

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シマアジのなめらかな肉質を生かしたカルパッチョのような仕立て。ほのかな苦味がありつつも、後味に甘みが残る甘長トウガラシのピュレ、山形の「だし」を思わせるキュウリのシャキシャキとした食感、薄い日本酒のゼリーは、麹の甘みが生かされています。素揚げにした銀杏がもっちりとした食感を加えていて、全般に緑のみずみずしさが生きた前菜です。

Mushroom Quartet, truffle royale,argan oil

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カルテット(4重奏)、という名前通りブラウンマッシュルームと、えのき、マイタケ、しめじと4種類のキノコを使ったシグネチャーの冷たいフランです。サクサクの繊細なクルトンがアクセントになっています。

Blue Lobster, Matsutake, Bresse chicken

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松茸、舞茸とスマックのピュレ、春菊のオイル、そしてダブルコンソメのように、鶏ガラのブイヨンに、ブレス鶏の骨を入れて出汁を取り、さらに細かく刻んだブレス鶏の肉でコンソメを作り、煮詰めて仕上げたブレス鶏のコンソメに、生の状態からカットしてオリーブオイルをかけ、ほんの数秒だけオーブンで優しく火を入れて、ブルターニュ産のブルーロブスターの魅力でもあるミキュイの柔らかい食感と甘みを引き出しています。


Pao, foie gras, truffle

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そして、山中シェフのもうひとつのシグネチャーとなりつつあるのではないかと思うのが、このパオ。中華圏であるシンガポールらしい遊び心あふれる見た目の一皿ですが、食べるとしっかりとオーセンティックなフランス料理に感じられる味わい。「ロオジエ」で、フランスMOFを取得したジャック・ボリーシェフの右腕だった山中シェフだけに、beniの料理は、食材を惜しみなく使い、丁寧に作られたソースやコンソメなどの質がとても高いのが特徴で、たっぷりのフォンドボーと赤ワイン、トリュフジュース、フォワグラの重さに負けない赤ワインビネガーを効かせたこのソースベリグーはその真骨頂というべきソースのひとつ。パオの中には、フォワグラとトリュフ。

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パリの三ツ星、ランブロワジーのシグネチャー「トリュフのパイ包み」を思わせる味わい。ソースの上で顔を形作るのは、中国料理の手法で取ったという、ブレス鶏の皮から作った鶏油(チーユ)とトリュフオイルを混ぜたもの。柔らかいパオで、コクのあるソースをしっかりと最後まで楽しめます。

Catch of The Day, French cepes, lobster

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本日の鮮魚は綺麗にナクレ(真珠貝色)に焼き上げたアラ。1週間ほどエイジングして、強火のフライパンで周りを固めてから寝かせ、220度のオーブンで焼き上げたもの。まるで白身の肉を食べているような肉質だけに、水ではなく、フォンドボーをベースにしたしっかりとしたロブスターソースでいただきます。フレッシュなセップ茸のソテー、ロブスターとも相性のよいモリーユ茸を使って。

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上からはたっぷりの白トリュフ。

Yonezawa A5 Wagyu, salted crust, madeira, vegetables

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シンガポールではbeniが初めて使いはじめたという米沢牛。山中シェフが銀座和光のレストラン「アルペッジォ」時代に直接米沢から仕入れたものを使いはじめ、以来20年も使い続けているという米沢牛は、山中シェフにとって一番思い入れのある和牛。シンガポールに来てからも、これまでいろいろなブランド和牛を使ってきましたが、やはり一番しっくりくるのがこの米沢牛だったとか。国内での需要も多いため、なかなか輸出に回してもらえない米沢牛を、生産者の方を説得し、自ら輸入経路も開拓して、やっと届くようになったのだとか。きれいな霜降り、そしてクセがなくもたれない脂という、バランスのよい味わいの和牛です。
その米沢牛のテンダーロインに、もうひとつのシグネチャーのマデイラソース。テンダーロインは、グリルしてからエシャロット、タイムと共に、塩の生地で包んで焼き上げたもの。目の前で切り分けていただくと、ふんわりと香る上質な脂。熱々で、できたてのアラミニッツ感も楽しめるスペシャルな提供方法。昔のようなゲリドンサービスというのはだいぶ少なくなってきましたが、こうしてシェフに目の前で切り分けてもらえるのは、カウンターがなかった昔のレストランにはない贅沢。そして、野菜は、人参、かぶ、絹さやなどクラッシックな野菜の上に切り分けた肉をのせ、走り(訪問時は10月)の白トリュフをたっぷりと削りかけます。マデイラの甘みが生きたコクのあるソースは、何度食べてもまた食べたくなる味わい。

Japanese Rose, almond ice-cream, peach
バラ科の食材を合わせたデザートは、平塚の横田さんの無農薬バラ、アーモンドミルクのアイスクリーム、桃のピュレ。

Souffle Chocolate

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焼きたてのチョコレートのスフレに、たっぷりバニラビーンズを使ったアイスクリーム。多くの人がいろいろな場所で食べているだけに、クラッシックなものをおいしく作るというのは、とてもハードルが高いもの。サーブされるタイミングもぴったり。温度感や食感含めて、心のなかからも温まるようなできたてスフレでした。

Coffee

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ミニャルディーズは、もっちりとしたフィナンシェ、マカロン、そしてカヌレ。小さめなサイズなのに、中がきちんとしっとりと仕上がっているカヌレは、シンガポール1かも知れません。

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オーセンティックな味を守りつつ、さらに独自の進化を遂げているbeni。特にソースやコンソメの味は特筆もの。次にお邪魔するのもとても楽しみです。

<DATA>
■beni (ベニ)
・住所: 333A Orchard Road #02-37 Mandarin Gallery Singapore 238897
・営業時間: ランチ 12:00~15:00、ディナー 19:00~22:00
・定休日: 日曜
・電話: +65 9159 3177
・アクセス: MRTサマセット駅から徒歩6分


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    シンガポール特派員
    仲山 今日子
    元テレビ山梨、テレビ神奈川アナウンサー。現在はフリーアナウンサー、ディレクター、ライターとしてお仕事を受けています。シンガポールのテレビ局J Food & Culture TV 勤務、All Aboutシンガポールガイドブログ。趣味は海外秘境旅行&食べ歩き、現在約40カ国更新中。

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