マケドニアのバイオリンマイスターの住むベレスの古い家
何ともへんてこなタイトルになってしまってごめんなさい。
普通ならばタイトルはVeles(ベレス)とするべきなのですが。
ベレスは首都スコピエから55キロメートル、高速道路をつかって一時間ほど
の街で,遠くからながめると山に街が張り付きながら裾に向かってのびていっ
たのがわかる。とおくアレキサンダーの時代には山の平たい頂上だけに街はあ
ったらしい。
印象は日本の街に例えれば 長崎。友達のバイオリン職人の家を訪ねるべく初
めての訪問だが 道が何とも長崎、なので(道の傾斜はきつく四輪駆動のジー
プでいったのは正解だった)
おそらく、この街の人間も自転車には乗れないのではないかと思われる。長崎
出身の友達が幼少のころ自転車に乗る習慣がなかったといったが長崎に行って
初めてそれは事実だったのだと確認した.が、そのことばをテトボにて思い出
したのは本当に地形が似ていた。大変面白いのは墓場のロケーションで、長崎
もそうだけれど街の生活を見下ろすように、丘の中腹に墓地はある。墓参りの
習慣はどこも一緒で地味な格好をしたお年寄りをつれた中年くらいの夫婦が花
束をもって墓を掃除していた。
ベレスがうつくしいのは街の中心にVrutok村に源をもつVardar川がながれてい
るからだ。京都の鴨川 金沢の犀川など川が街をながれると景色が美しくなる
のは事実なのだ。 1991 年ごろベレスは公害の街で有名だった。だが、
旧ユーゴが崩壊し工場はすたれ今では閑散としているものの静かなたたずまい
を見せる街になりつつある。
私はバイオリン奏者なので情報がかなりマニアックになってしまうのだが、私
の知り合いのバイオリンマイスターはSuetolzar Bobdanoski 氏。
かの有名なストラリバリウスやガルネリウスの木はボスニアから海をわたって
イタリアに渡ったといわれているが、彼のバイオリンの元になる資材はやはり
ボスニアから調達される。ストラリバリウスより200歳年上の木をみせても
らったが非常にうつくしい。古いストラドが250才くらいなので、250歳
くらい年上の木だ。彼の作品は非常にいい。私もアマチュアじゃないからすぐ
わかる。彼の楽器はフランス、オランダ、ポルトガル、ノールウェー、スペイ
ンで,地道にうられている。もし興味のある方はtomoko5263@gmail.com に
お問い合わせください。
ベレスの観光をかねて彼の工房へご案内します。彼の楽器の値段は日本で売ら
れている楽器に同じ値段をだすとすれば、かなりおすすめです。私も,一つ手
に入れようと考え中です。
もう一つの見所は彼の住む家。
200年まえにたてられた瀟酒な家を5年前に少し改造して住んでいる。フレ
スコ画が壁一面に描かれていたが今は,ほとんど消えている。天井のタイルは
そのままのもので家はいわば石造り。家の真ん中に暖炉がある。
とても寒いんだよね。気に入って入るのだが、、。とうつむきながらいって
いた。彼は教会のフレスコ画の修復も手がける。シャイな人とおもっていたが
、私が何本かの楽器で一通りのバイオリン協奏曲をひいてふう、といすに腰掛
けたら庭から薄紅色の咲きかけのバラをきりとげを丹念にとって私にくれた。
すべてにtaking care が現れていた。たった1時間の訪問だったが彼の作るバイ
オリンがすばらしい訳がわかった。
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