ヨーグルトの故郷視察メモ 後編

公開日 : 2009年02月03日
最終更新 :

ヨーグルトの故郷と日本で知られる「スモーリャン地方」の視察メモ後編。

今日の更新は一気に4記事、ガムバリマシタ。

ドライアイ気味で本当なら余り長い間PCの画面見てると良くないんですけど、

PCに向かう時間も普段から少ないし、更新が遅いって言われるし、ネタもたまっているので

今夜は時間もあるから気合入れてがむばってみました。

夜に書く文章って次の日見ると恥ずかしい文章のときが多いので、

ホントは夜に更新するのが嫌なんですが更新が遅れてるのでそんなこともいっちゃられない(^^;

そんなことはさておき、ヨーグルト工場の見学に引き続き

スモーリャン地方のとある家庭でドマシュノ(自家製)ヨーグルト作り体験レポート。

こちらは前々から僕の企画するスローツーリズムに組み込むこともあったご家庭。

今回も視察のために伝統衣装を着ていただき協力してくださいました。

ブルガリアの地方の村ならどこの家庭でも作られているドマシュノヨーグルト作り。

まずは温めた新鮮な搾りたての牛乳を人肌まで冷ませるのですが、

このおばあちゃんは自分のひじで適温を感じ取るそうです。

赤ちゃんにあげるミルクもひじの部分で感じた温度が一番の適温だとのこと。

前日に使ったヨーグルトを少し取り、温めたミルクで伸ばします。

今ではこのように前日使ったヨーグルトを継ぎ足して新しいヨーグルトを作るのが一般的ですが、

昔はこの地域では「朝露に含まれる乳酸菌」のついた草や枝でヨーグルトを作っていました。

このことは日本のメディアでもたまに取り上げられますが、

ある特定の固有品種がヨーグルトを作る枝「ヨーグルトの木」だとされていますがそれは誤り。

「特定な時期の朝露に含まれる乳製品がついた様々な枝や葉っぱ」でヨーグルトは作られるというのが正解。

さておき、前に作ったヨーグルトをミルクで伸ばしたものを適温にしたミルクに混ぜ合わせます。

ドマシュノヨーグルトの準備作業はこれでほぼ終了。

お待ちかね、と言わんばかり

ご主人が待ってる間にラキア(ブランディーのような地酒)を飲もう!と誘ってきます。

仕事じゃないなら、やったー!と喜び勇んでテーブルに腰掛けるんですが今回はそうもいかず

ご主人にごめんねして、次の取材に。

仕込んだヨーグルトは毛布で包んで暖かい場所で約3時間程度保温します。

それだけで美味しいヨーグルトが出来ちゃいます。

ヨーグルト作りで難しいのは、ミルクの鮮度はもちろん

ミルクの温度と元になる古いヨーグルトの味によるものに加えて、保温環境と熟成時間。

どれかがおろそかになると、すっぱくなりすぎたり味がぼんやりしたりします。

これら全てを「いいあんばい」にするのがブルガリアの村で母から味を受けつぐ主婦の技。

お次はブルガリアの田舎でごくたまに見かけるこれ。

木で作られる筒をおばあちゃんが一生懸命、棒で叩き続けています。

この木の筒の中はこんな感じ。

ミルクっぽいのが入ってます。

さて、何が作られるんでしょうか?

30分近くもの間叩き続けるので、僕のアシスタントも交替して体験。

結構な重労働みたいで3分もたたずうちに交替してくれとの悲鳴><

おばあちゃんが疲れも見せず30分ほど叩き続けたあと、

中を見てみるとこんな感じで黄色い塊ができていました。

それを全部一気に鍋に移し変えると・・・

黄色の塊がミルクっぽいものにたくさん浮かんでます。

黄色の固まりは乳脂肪かな?それをすくいます。

丁寧に分離した乳脂肪だけを取り出し・・・

手早くこねてます。

こねてこねてこねまくると、

見る見る間にそれがバターだと分かるものになっていきます。

こねて3分もしないうちに、美味しそうなドマシュノ(自家製)バターの出来あがり!

そして、バターを取り出して残ったミルクっぽいものはデカンタに入れられます。

おや?これってもしかして・・・

そう、ブルガリアに来たことのある人なら誰でも一度はくちにしたことがあるはず。

「アイリャン」。アイリャンの本物、というかアイリャンのルーツがこれ。

あれ?アイリャンって普通ヨーグルトと水を割ったものだよね?

これはバター。バターって生クリームから作られるんじゃなかったっけ。

こちらでは古いヨーグルトと、ヨーグルトの3倍くらいの水を混ぜ合わせたものを

攪拌して乳脂肪分と液体分を分離させて自家製バターを作るのが主流。

「アイリャン」はバターを作る際の製造工程で作られた副産物がルーツだということですね。

作りたてのドマシュノバターと、ドマシュノアイリャン。

乳製品が苦手な僕でも美味しいと感じる逸品でした(^^)

もちろん、3時間後にはちゃんと出来てるドマシュノヨーグルトもごちそうになりました。

まだ温かくて濃厚な味わいはクリームチーズのようで絶賛されてました。

おばあちゃん、「いいあんばい」になるよう愛情こめて作ってくれて

ぶらごだりゃ!

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