ブルガリア:バラの谷の伝統儀式(クリスマスはブタ肉でお祝い)
ドバルデン!
今回はブルガリアの農村地方で行われている伝統儀式のお話です。
クリスマス料理と言えば、クリスチャンは七面鳥、日本人はフライドチキン?ですが
バルカン半島の正教会ではクリスマスにポークを食べるのが伝統的。
という事でブルガリアのクリスマスといえば、ブタです。
ブルガリアの農村地方では、春に生まれた子豚をクリスマスの前の日曜日に屠殺する伝統儀式が今も残っています。
今回バラの谷のカンチャボ村でもクリスマス伝統のブタの屠殺をやるよとの連絡をもらい、興味半分でブタの屠殺風景を見学させてもらう事になりました。
クリスマスの前の日曜の朝、カンチャボ村元村長のコレフさんの家に到着すると既にブタは屠殺され、台の上でお湯をかけながら、体毛の処理中でした。
屠殺の方法は、ナイフの達人がブタの心臓を一刺し、ブタは苦しむことなく昇天するとの事。
殺すのはやむを得ないが、出来るだけ苦しまずに、一瞬で殺すようにしているそうです。
朝の8時から始まったブタの解体は、5時間位かけて全ての部位をきれいに小分していきます。
最初に耳の部分を切って、その場で炭火焼きにします。
味付けは塩でまぶしただけ、
でもこのお肉、日本では食べれない生の「うまみ」がありました。
育てた人の真心がこもっているので美味しいのかもしれません。
鼻の部分も食べます
残りの部分は塩漬けにしたり、
腸に詰められ「ナデニッツァ」(ソーセージ)にしたり
牛肉と合い挽きにして「キフテ」(肉団子)にします。
昔、肉は貴重品で今みたいにスーパーにいけばいつでも買えるものではなかったので、クリスマスの時期にブタを一匹屠殺して食べ、残りはソーセージやベーコンなどの保存食にしたそうです。
また、豚はカロリーの多い肉なので、冬の寒さに耐えるのに必要だとも言われています。
この伝統行事、宗教的と言うよりは、冬場を乗り切るための生活の手段のようです。
この日のお昼は捌きたてのブタの炭火焼きです。
ネギ、スパイスと混ぜるとブルガリア独自の味になります。
レモンを入れた自家製ワインで喉を潤します
ブタの屠殺というイメージは、最初は何か残酷な感じがしたのですが、
今回目の前でナイフの達人達が非常に丁寧に解体を進めていく作業は
命の尊さとは何かを考えされられる講義を受けているようでした。
普段スーパーで売られている肉が、どのような過程を通して
そのような形になるのかを知ると、
食べられるために生まれてきた家畜達に感謝したい気持ちになりました。
では、ドスコーロ!(ブルガリア語でまたね!)
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