ブルガリアの世界遺産:黒海に浮かぶ古代都市ネセバル

公開日 : 2020年08月11日
最終更新 :
筆者 : チカ

ブルガリアには全部で8個の世界遺産があり、これまでにボヤナ教会リラの修道院カザンラクのトラキア人の墳墓を紹介してきました。

4ヵ所目にあたる今回は【ネセバル】という古代都市の紹介です!

黒海に浮かぶ古代都市ネセバルとは?

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黒海に浮かぶ面積31キロ平方メートル(南北に約1km、東西に約350m)ほどの小さな半島ネセバル。

もともとは完全に独立した島でしたが、後に道が埋め立てられ、現在は車でアクセスできるようになっています。

ネセバルは、旧市街に残る古い町並みと歴史的建造物の価値が認められ、1983年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

場所としては、ブルガスから36km、サニービーチのすぐ近くに位置しています。

ネセバルは3200年以上前にトラキア人によって作られた古代都市で、ヨーロッパの最も古い都市のひとつ。

その後、古代ギリシャ人、ローマ帝国、ビザンチン帝国、ブルガリア帝国、オスマン帝国の支配を経て、1886年に現在のブルガリアの一部として認められました。

黒海に浮かぶ島として貿易の拠点でもあったネセバルは文化・経済の中心として栄え、ビザンチン帝国時代にはその立地条件から要塞としても重宝されました。

オスマン帝国との戦いで多くは海に沈んでしまったけれど、現在でも島の入口付近には当時の城壁の一部が残っています。

また5、6世紀以降キリスト教の教会が多く建設されました。

現在でも部分的に残っているものも含めると40ほどの聖堂があり、世界的に見ても面積に対して多くの教会・聖堂があることでも有名です(参照:The tourist portal of Bulgaria、「Nesebar」)。

ブルガリアの昔ながらの町並みを感じられる旧市街

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ネセバルには歴史的建造物が多く残る旧市街と、宿泊施設や行政機関がある新市街に分かれていますが、島の大部分は旧市街。

そして旧市街にはブルガリアの復興期(18〜19世紀)に建てられた住居が100軒以上残っています。

その特徴は1階が石と漆喰で固められた強固な作りで、2階以上が木造で張り出しているというもの。

1階部分はワインや食べ物の貯蔵庫として使われ、2階以上の木造の部分は住居として使われていたそうです。

首都ソフィアでは旧共産主義時代の影響で団地のような建物が多く、こういった家屋を見ることはあまりありません。

オレンジ色の屋根、白い一階部分、ぬくもりを感じられる2階以上の木造部分。それに加えて石畳の道。

ネセバル旧市街のこういった家屋の合間を歩いてると、歴史の重みを感じます。

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一方、ブルガリア屈指の観光地ということもあり、旧市街には多くのお土産物屋さんがあります。

子供用のおもちゃを売っているお店があったりブルガリア地方の工芸のひとつ大きな刺繍やトロヤン食器を売っているお店があったり。

古い家屋と代表的なブルガリア土産、そして現代的なおもちゃのコラボがネセバルで暮らす人の生活を感じさせ、個人的にはおもしろいと思いました。

海沿いは散歩にぴったり!!

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黒海沿岸のリゾートのひとつとしても有名なネセバル。海沿いを歩くのはおすすめです!

海辺をサンダルで散歩したり、海沿いのレストランやカフェが立ち並ぶエリアを歩いてみると島の形もよくわかり、とてもすてきでした。

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きれいなビーチもありますが、砂浜には貝殻が多く、素足で歩くと怪我をする可能性もあるのでサンダル必須。

また私が見た限りではシャワーなどはなかったので、泳いでいる人は地元の人が多い印象でした。

日帰りで訪れるだけなら海水浴をするより水辺で軽く遊ぶ程度にした方が無難です。

一度は訪れる価値あり! 魅力たっぷりのネセバル

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旧市街の町歩き、海辺の散歩など、その場を訪れるだけで十分楽しめるネセバルは一度行ってみる価値あり!

ソフィアからのアクセスは少したいへんですが、夏に黒海沿岸に訪れた際にはぜひ足を延ばしてみてください。

車を使えばブルガスから約1時間、ヴァルナから約2時間の場所に位置しています。

夏場は近くのサニービーチとシャトルバスが運行しているので、サニービーチに宿泊してネセバルを訪れるのもよいでしょう。

観光の場合、おすすめの季節は5〜10月。

特に7、8月はかなり混み合うため、車で訪れる場合は駐車スペースを見つけるのがたいへんなほど。

ちなみに一年を通して乾燥した気候のネセバル(黒海沿岸)ですが、9月は最も降水量の多い時期なので、雨具の準備をお忘れなく。

また11〜3月はお店や美術館、教会が閉まっているところも多いようなのでご注意ください。

ブルガリアの田舎では英語が通じないことも多々ありますが、ネセバルは観光地ということもあり、英語を話せる人も多くレストランやカフェでも英語メニューがあるので安心です♪

今回はネセバルの町歩きの魅力について説明しましたが、次回は私が実際に訪れてよかったスポットを紹介します♪

ぜひあわせてご覧ください!

筆者

東京特派員

チカ

2018年8月から2022年5月までブルガリアの首都・ソフィアに住んでいた主婦。4年ぶりに東京に戻ってきて改めて日本の良さを実感しています!

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