ドイツの常識、日本の非常識①「綱吉もビックリ!愛犬に税金」
「国によって常識は異なる」というのは、当たり前と言えば当たり前なのですが、ドイツに暮らしていると「えぇ~ウソでしょう?」ということがたくさんあります。
これって、外国暮らしの醍醐味と言えるかもしれませんね。 そんなこぼれ話を、"ドイツの常識、日本の非常識シリーズ"としてお伝えしていきます。
さて、"ドイツの常識、日本の非常識シリーズ"の第1弾としてお伝えしたいのは、「えぇ~こんなものにまで税金?」と、日本人にはビックリなドイツの税金のお話です。
とても仲良くしている南アの友人家族、2年前のある日、偶然お店で会うと子犬を連れていてビックリ。
その事実も驚きでしたが、それから聞いた彼らの愛犬、DJについての話に目が点でした。 そう、"ドイツで犬を飼う"に当たって、「ドイツでは、犬にも税金を支払わなければならない!」という新事実、かなりインパクトのある話でした。
その税金は、Hundesteuer(フンデシュトイアー)と呼ばれます。 Hund(フント)が犬で、その複数形がHunde(フンデ)、Steuer(シュトイアー)が税金ですので、まさに、そのまま"犬税"ということですね。
この税金は、市町村が管轄する地方税で、各市によって支払金額が異なります。
DJの飼い主である、友人家族は、Kronberg(クロンベルク)というシュタインバッハの隣町に住んでいますので、クロンベルクの管轄になります。
ちなみにわが町、シュタインバッハは小さい町なので、やはり、クロンベルクの管轄下に入ります。
首輪には、DJというネームプレートの他に、その犬のID番号(登録番号)を記載したバッチが取り付けてあります。
調べてみると、クロンベルクの場合、税金の金額は、犬1頭当たり、年間Eur 72,00- 2頭ならEur 144,00-、3頭以上は、Eur 216,00-の様です。
シュタインバッハの隣町、クロンベルクの近所の町Eschborn(エッシュボーン)は、犬税が無い数少ない市町村の1つです。 犬好きの家族にとっては、どこの町に住むかも重要なポイントになってきそうですね。
そして、不思議なことに犬には税金がかかるのに、猫には税金がかからない・・・と言う少々不公平感が否めない犬税です。
この辺のことを調べてみると、ドイツ人もアンフェアーと感じるのでしょうか? 「なぜ犬には税金がかかって猫にはかからない?」という疑問に答えてくれるサイトがたくさんありました。
この犬税、どうやら歴史的な経緯に基づいているようです。
ドイツは、公国が集まって出来た国なので、色々な地方の歴史の集合体で単純ではなさそうですが、ある地方では、15世紀の中世にはすでに、猟犬に対して封建領主に穀物等を収めていたという事実があったそうです。
また、19世紀初頭、ホルシュタイン公国(デンマーク)では、貧民救済基金の財源として犬税が用いられたとか。
現ドイツ内でも、やはり19世紀初頭に、敗戦の弁償金として用いられたり、疫病対策として犬の数を制限する目的や、贅沢品として財源確保のために課されたりと、様々な理由で犬には税金が課されてきた歴史があるようです。
一方、猫については、ねずみや小動物を退治してくれるとして農家で実用的に飼われていた経緯から、このような税金が課せられなかったのだとか。 犬についても、実用目的に用いられている場合、例外として非課税となっていたようですが、基本的には、贅沢品という見方だった様ですネ。
現在は、犬も猫も同様にペットとして飼われているので、犬だけに税金がかかるというのは、やはり不公平感がありますが、愛犬のため仕方が無いと割り切るしかないと皆思っている様です。
過去の既成事実が、そのまま現在の税金に繋がっているというところが、何だかヨーロッパらしいですね。
ドイツでは、犬を飼うにも税金を支払う必要がある!という事実、ちょっとビックリでしょう?
所変われば品、いや税変わるという一例でした。
"Hundesteuer"(Wikipesia)
"Warum es eine Hundesteuer, aber keine Katzensteuer gibt" (einfach tierisch.de)
"Satzung über die Erhebung einer Hundesteuer im Gebiet der Stadt Kronberg im Taunus"(Kronberg website)
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