スウェーデンの夏といえば......あるある7選

公開日 : 2020年08月29日
最終更新 :
筆者 : たってぃ
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6月から8月までの短い夏を思いっきり楽しむのがスウェーデン。ストックホルムでは先週までの2週間は気温が30度ほどになるときもあって、夏らしい暑さも戻り、陽気な日々が続いていました。今週からは打って変わって、一気に秋らしくなってきました。朝晩の気温は15度以下までに下がり、日中も20度前後と、長袖や薄手のジャケットがないと寒く感じるようになりました。そして草木も少しずつ色づき始めています。

夏がまもなく終わるということで、スウェーデンの夏でよくあることを紹介したいと思います。

草花の急成長

日長になり、気温も上がってくる4月から5月頭は、植物の成長がめざましいです。一気に芽吹き出し、ここぞとばかりに、ぐんぐん伸びます。茶色一色で色味に乏しかった大地は、緑をはじめ、カラフルに染まり始めます。その青々しい景色を見ていると、夏の始まりを告げるようでウキウキしてきます。

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雨が急に降ることも

日本のように梅雨といった時期はありませんが、6月、特に20日前後のミッドサマーは雨が降りやすいです。2020年の今年のミッドサマー前夜祭日は奇跡的に一日中晴れました。今年6月は多くの地域で晴天が続き、何十年ぶりに記録的な暑さを観測したようですが、通常は短時間の(土砂降りの)雨が降り、肌寒くなります。そのため、この時期に訪れる場合は、薄手のジャケットや折り畳み傘があるとよいでしょう。ちなみに、7月は記録的な夏の寒さを更新したようです。たしかに7月は気温20度前後で雨の日も多く、短い夏がすでに終わり、秋が来たかのような寒さでした。

雨上がりは、虹が出たり、水溜りに周りの風景が反射したりと、とても美しい景色が見られます。そのため、雨だからと落胆するのではなく、雨が止んだあとの景色を期待していると、気分も上がるのでおすすめです。

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眠りが浅くなる!?

夏と冬の日照時間の差が激しくなるスウェーデン。ストックホルムでは太陽が沈み、暗くなる時間がピーク時で5時間程度、北に行けば行くほどその時間は短くなり、白夜と言われるほど明るい夜となります(冬の日照時間は夏と逆転します)。そのため、普段通りカーテンなどを閉めないで寝てしまうと、早朝に目が覚めてしまいます。部屋を暗くするために完全に光を遮断してくれるカーテンやブラインドが、夏は必須なのです。

また、明るい夜に対してテンションが上がり、できるだけ有効活用しようと夜更かしし過ぎたり、朝早く目覚めたりする場合もあります。睡眠対策がしっかり必要なのが、スウェーデンの夏です。

多くの人が長期休暇へ

夏の間は多くの人がsemester(セメスター)と呼ばれる休暇を2週間から4週間取ります。年次休暇は25日付与されるので、そのほとんどを夏に消費するということです。

もし何か書類の手続きをしていたり、アポイントを取っていたりすると、担当者が知らぬ間に夏季休暇に入っていて、長期で不在ということがよくあります。別の担当者やvikarie(ヴィカリエ)と呼ばれる、夏季休暇や育児休暇等で長期的に空くポストを補填する期限付き労働者がしっかり引き継いでいれば問題ありませんが、通常よりも手続きに時間がかかったり、電話や訪問してみると担当者が休みだったということがよく起こります。憤慨してしまいそうですが、それも一瞬で、しょうがないと諦めがつくのがスウェーデンです。休暇は全国民に保障された権利であり、自分も休暇を取る身です。そこを理解しているので、このような「あるある」は受け入れられやすいのでしょう。

また休暇後に、きれいに小麦色に日焼けして職場復帰する人も多いです。例年だと、スペイン・マヨルカ島やギリシャ・ロドス島など、リゾート地へ出かけることが多いですが、今年はコロナのため、多くの人はスウェーデン国内で過ごすことを選んでいます。それでも、水泳、サイクリングやハイキングを満喫して、日光をたくさん浴びている人が多いようです。今年は特に、カヤックの人気が高かったと報道がありました。

冷房が効いているかいないか

スウェーデンのアパートや家には基本的に冷房がついていませんが、昨今の暑さから冷房や扇風機の需要は増えているようです。

公共機関の利用においても、涼しい電車やバスに乗りたくなりますが、それは運次第ということもあります。電車やバスによっては、まったく冷房が効いておらず、蒸し風呂のように暑い場合もあれば、効き過ぎていて寒く感じる場合もあったりさまざまです。電車の場合だと、ある車両は涼し過ぎるくらいなのに、車両を移動するとまったく冷房が効いていない場合もあります。バスだと、窓際の席の上部に強さ調整のできない通風口があるので、寒さが苦手な方は座らないほうがよいです。直に風を受けるので、体がとても冷えてしまいます。

アイスはかかせない

人出の多いところではアイススタンドが出たり、カフェやレストランでもアイスクリームやジェラートが売られます。

アイスクリームがあるかどうかはこのシンボルが目印です。

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いっぽうジェラートはこちらです。

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もちろんこれらがなくてもアイスクリームやジェラートが売られていることもあります。暑い夏だからこそ食べたくなるアイスクリームやジェラート。ヴィーガンの種類も数多くあるので、機会がありましたら、ぜひお気に入りを見つけてみてください。

ちなみに、mjukglass(ミュークグラッス)と呼ばれるソフトクリームは日本のものよりも濃厚な味に感じます。ぜひ試してほしい一品です。

ザリガニ、そしてSurströmming(スールシュトレミング)のシーズン到来

スウェーデン語でkräfta(クレフタ)というザリガニも夏がシーズンです。食料品店で手に入りますが、周りに食べるという方はあまり聞きません。1度だけ食べたことがありますが、エビが好きな方は気に入る味かもしれません。

そして、世界一臭い食べ物と言われているSurströmmingは8月の第3木曜日から解禁になります。そのため8月、9月は最も売れる時期となります。日本のボージョレヌーボーのように多くの方が買い求めるわけではありませんが、その臭さに病みつきになる方は意外と多いかもしれません。

Surströmmingは缶詰として、食料品店では冷蔵棚に陳列されています。製造工程はいたってシンプルで、ニシンが缶の中で塩漬けにされ、店頭に並ぶまで数ヵ月の間発酵されます。売られ始めたばかりの缶詰はそうでもありませんが、時間の経過とともに発酵が進むので、パンパンに膨れ上がっている缶詰を何回か見たことがあります。

開けるとむせるほどの強烈な臭いを放ち、その臭いが服や家具などに染みつき、なかなか取れないとも言われています。そのため、必ず屋外で開封する必要があります。そのまま缶切りで開けてもいいのですが、かなりの確率で中から液体が飛び出すので、水を張ったバケツの中で封切るのがいいです。そうすることで、液体が飛び散るのを防ぐことができます。開けた瞬間から悪臭は放たれ、徐々に周囲へと広まり、鼻を刺激してきます。

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写真では平然と缶に入ったニシンに見えますが、絶賛異臭放出中です。

日本のテレビ番組ではそのままフォークですくって口に運ぶ様子を見たことがありますが、臭いと強い塩気のため、決しておすすめできる食べ方ではありません。

tunnbröd(トゥンブレード)と呼ばれる薄堅焼きのパンにバターを塗り、茹でたジャガイモ、Surströmming、そしてお好みで玉ねぎをのせていただきます。生臭いものが好きな方は気に入る味かもしれません。

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以上、スウェーデンの夏あるあるを紹介しました。日本はまだまだ暑い日が続くと思いますが、健康に気をつけてお過ごしください。

筆者

スウェーデン特派員

たってぃ

2017年スウェーデンに移住。皆さんに読み込んでいただけるようなブログを目指してストックホルムの旬や”瞬”をお届けしていきます。

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