スウェーデンのクリスマスディッシュ、ユールボードを紹介

公開日 : 2020年12月25日
最終更新 :
筆者 : たってぃ
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God jul(ゴッジュール)!

スウェーデン語で「メリークリスマス」を意味するこの言葉は、クリスマスが始まる前からそこら中で耳にしたり、目にしたりします。

そしてクリスマスといえばの、クリスマスマーケットは赤色に染まるセントラル駅の中でこじんまりと展開されています。

クリスマスは、スウェーデンにおいて6月のミッドサマーの次かそれと同じくらい大切な年中行事であり、24日に祝います。ストックホルムの今日の天気は晴天、雪なしクリスマスとなっています。気温が久しぶりに氷点下となったこともあり、霜が降りているおかげで一応"ホワイト"クリスマスとなっています。

ちなみに、24日はクリスマス・イブ、25日はクリスマス、26日はクリスマス翌日または聖ステファノの日といった祝日となり、店やレストランは軒並み休業あるいは短時間営業となって、町なかは閑散とします。そしてクリスマスの終わりから年末年始までの間にある27日から30日はmellandargarna(メランダーガナ)といい、その年最後のセールが大規模に行なわれるのが通常です。ただ今年2020年は新型コロナの影響もあり、人出を避けるためにセールを取りやめる店もあったりします。

今年は例年よりも寂しいクリスマスとなっていますが、一般的な家庭では、クリスマスは家族で集まり、julbord(ユールボード)と呼ばれるブッフェ形式のクリスマスディッシュを食べます。

それがこちらです(ある年の一例です)。

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写真の手前から時計回りに紹介していくと、ビン類やチューブは

・リンゴンベリージャム

・マスタード

・リンゴソース

・スウェーデン料理として外せないニシンのマリネ

そして、そのビン類の奥にあるのがサラダとなります。その左隣がバターおよびヴィーガン対応マーガリン、その左手前がクリスマス用の黒パン、甘めの白パン、そしてその奥がKnäckebröd(クネッケブレード)と呼ばれる薄固焼きパンとなります。

そして奥にメインディッシュである

・Gravad lax(グラバード ラックス)という熟成サーモン(Knäckebrödが入ったカゴの向こう側に隠れています)

・Prinskorv(プリンスコルヴ)という小さなソーセージ

・Omelett med stuvning(オムレット メッド ストューヴニング)という名のキノコソースを敷いたオムレツ

・スウェーデン料理に欠かせないミートボール

・ゆでたジャガイモ(これも欠かせません!)

・Janssons frestelse(ヤンソンズ フレーステールセ)、日本語で「ヤンソンさんの誘惑」というアンチョビ、ジャガイモ、タマネギを使ったクリームグラタン

・ビーツサラダ

・レバーペーストや(クリスマス)ハムの盛り合わせ

・半熟卵にマヨネーズやクリームなどを和えたものをのせたもの

・Västerbottensost(ヴェステルボッテンズオスト)という世界的に有名なヴェステルボッテン地方産の熟成チーズをはじめとしたチーズ類

となっています。いち押しのクリスマスディッシュはヤンソンさんの誘惑です。生臭く感じる魚が苦手なのですが、これを初めて食べたときはそのおいしさに衝撃が走りました。そのため、今年は自分で手作りする予定です。

そのほかには、大切なイベント、プレゼント交換があります。クリスマスツリー周辺に並べた各々へのプレゼントをひとつずつ開封していきます。家族の中に子供がいる場合は、あらかじめ依頼していた近所のおじさんがサンタに扮してプレゼントを持ってくることもあります。そして驚くのが、子供へのプレゼントの数です。1個にとどまらず、本当に全部使い切るのかというくらいの量、10個前後のたくさんのプレゼントを手にします。そのほとんどは親からもらっており、金額を想像すると怖くなります。

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そしてクリスマスに欠かせないものがあとふたつあります。

まずひとつ目は、SVTというスウェーデンのNHK的存在のチャンネルで毎年クリスマスイブの15時から1時間程度放送されるKalle Anka och hans vänner önskar God Jul(英語名「From All of Us to All of You」)というドナルドダックを中心としたディズニーによるクリスマスアニメをみんなで見ることです。1960年からほぼ同じ内容のものが毎年放送されているので、すでに見飽きている大人は途中で寝てしまいますが、子供はいつでも夢中です。

そしてもうひとつは、Julmust(ユールムスト)と呼ばれる炭酸飲料です。味はアルコールのない甘いビールといったところでしょうか。実際にホップやモルトの抽出物が原材料となっています。クリスマスにはコカ・コーラ社のコーラの売り上げが落ちるといわれるほど、子供から大人まで人気のある飲み物です。まったく同じ味のものが、イースターには異なったデザイン(クリスマスは赤、イースターは黄色のパッケージ)でPåskmust(ポスクムスト)という名のもとスーパーの店頭などに並びます。もし新型コロナが落ち着いて、イースターやクリスマスにスウェーデンへ旅行に来ることができた際には試してほしい一品です。

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日本のクリスマスとはまったく異なるラインナップの食事となっていますが、何か食べてみたいものはあるでしょうか。IKEAはもちろんのこと、ストックホルムのレストランでも通常ですとこのようなjulbordを提供しています。

来冬スウェーデン旅行ができたあかつきには、ぜひこういった食事を楽しんでみてください。それでは、メリークリスマス!

筆者

スウェーデン特派員

たってぃ

2017年スウェーデンに移住。皆さんに読み込んでいただけるようなブログを目指してストックホルムの旬や”瞬”をお届けしていきます。

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