水を飲まないはずのコアラが……
コアラは、先住民アボリジニの言葉で「水を飲まない」という意味……
というのは、よく知られた話。が、それはどうやら平時に限られるようです。
今年の夏、シドニーでは寒暖の差が激しく、雨も結構降っているのですが、
大陸南部のメルボルンやアデレードでは、1月下旬から40℃を超える日々が続き、
干ばつに輪をかけた猛暑で、ビーチは大賑わい。野生動物たちもぐったり
しているようで、ある日↓こんな写真がEメールに添付されてきました。
暑さにまいっている様子の子どものコアラ(名付けてスターくん)を
ビクトリア州の自宅で見つけたトレイシー・ヤングさん一家が、たらいに
水を汲んで、手のひらにすくって飲ませてみたところ、躊躇しながらも
指をなめたスターくんが、「よいしょっ」とたらいの中に入って水浴びした図!
おっかなびっくりの様子が何ともかわいらしいですね。水浴び中の写真は
Eメールで転送が繰り返されたために、全国的に有名になりニュースでも
報道されていました。
それから約10日後。
メルボルン近郊で起こった悲惨なブッシュファイヤーの被害状況が
次々に明らかになる中、希望のシンボルとして大きく注目されたのが、
CFA(Country Fire Authority)に所属するボランティア消防隊員
デイビッド・トゥリー氏の手をしっかと握りながら、ペットボトルから
ごくごくと水を飲む↓コアラのサムくんの映像。
【Thirsty Koala - A Firefighter Gives Koala A Drink from YouTube】
焼け跡をよろよろしているところを発見されて、“You all right, buddy?”と
声をかけられ、保護されるまでの間に、空にしたペットボトルは、何と3本!
野生動物保護団体「Mountain Ash Wildlife Shelter」に救出された後、
メスと分かったサムくん(もといサマンサ?)は、同じシェルターで先に
保護されていたボブくんに一目惚れされて(?)恋に落ち、きゅっと肩を
抱かれ仲良く回復途上にあると報じられています(ただ、どちらもひどい
火傷を負っているため、少なくとも4ヵ月は森に戻れないらしい……)。
コアラ・ケアラーの話では、コアラは確かに普段は水を飲まないものの、
それはあくまで餌となるユーカリに充分な水分があってのこと。乾燥した
ユーカリしかない状況では、脱水症状を起こすし、ブッシュファイヤーの
後などには、ダムでコアラを救出することがよくあるということです。
【関連】
※サムくんがペットボトルの水を飲んでいる決定的瞬間の写真を販売中
(収益はすべてCFAやほかのチャリティ団体へ寄付されることになっており、
これまでに約15万枚売れたそう)。
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