「健康のために!」とウォッカを一気、これって矛盾? ウズベキスタン人との呑み会

公開日 : 2014年12月19日
最終更新 :

Assalom alaykum! みなさん今日は!タシケント特派員の齋藤です。

 もう年の瀬ですね。今、日本の街はクリスマスやお正月へ向けて賑やかになってきているでしょうか。と同時に、この時期は忘年会のシーズンでもありますね。先日、在ウズベキスタン日本人会も、タシケント市内のイタリアンレストランで忘年会を行いました。

IMG_1042.JPG

 特派員は余興のゲームの景品で入浴剤をゲットしました。山形出身の特派員としては、思いもよらないところでの蔵王温泉との再会となりました(笑)

IMG_1044.JPG

 日本の皆様も、海外在留邦人の皆様も、くれぐれも飲みすぎ、二日酔いにお気をつけて、ご自愛ください。

 さて、本ブログの第一回で、ウズベク人の中にもお酒を飲む人がたくさんいる、と書いたことを覚えておられるでしょうか?

 これは呑兵衛の考えかもしれませんが、もし外国人の友人知人ができたとして、その人が敬虔なムスリムなどで飲酒NGなどでなければ、お酒は有効なコミュニケーションの道具の一つなのではないでしょうか?

 日本人旅行者の方、あるいは留学や仕事でウズベキスタンに長期滞在される方で、現地の人と盃を交わす機会を得るかもしれない人に参考にしていただくため、先日特派員が参加してきたウズベキスタンでの呑み会についてお話しようと思います。

 特派員には、以前(2009-2010年)留学の際に仲良くなり、現在は旅行会社のガイドなどとして働いている友人がいます。12月下旬、彼の友人との呑み会に誘われ、タシケントでもおいしいと評判だというシャシリク屋に向かいました。面子は、特派員と、彼らウズベキスタン人4人。

IMG_1072.JPG

 シャシリク屋なので、メーンは当然シャシリクなのですが、その前にショルバという、羊肉と野菜を煮込んだスープを頼みました。

IMG_1073.JPG

 「スープ」というとあっさりしているような印象を受けるかもしれませんが、骨付き羊肉をじっくり煮込んでいるため、羊の風味が湯気とともにふわりと漂う、でなく、ガツンと鼻に突きぬけます。羊の脂がスープの表面にてらてらと光っています。

IMG_1074.JPG

 お酒を飲むので炭水化物は控えたかったのですが、パンを細かくちぎってスープに浮かせて食べました。これが美味しいので...。たまにピクルスをかじって口をさっぱりさせます。

 で、ウォッカのためのショットグラスが配られ、ウォッカを注いで、乾杯です。この時、フォーマルな場であれば、乾杯の音頭をとる人がちょっとした演説をぶったりします。「このたびこのような場を持てたことは誠に喜ばしく...」といった調子ですが、この時の呑み会は気の置けない感じでさっさと乾杯です。

IMG_1075.JPG

 乾杯に際しては、「健康のために!」と言いながら乾杯するのがオーソドックスです。他にも、「友情のために!」や、「日本・ウズベキスタン、友好のために!」など、各自それぞれTPOを読むセンスと語彙力を凝らしましょう。

ちなみに、それぞれロシア語とウズベク語で、

「健康のために!」

ロシア語:ザ ズダローヴィエ!

ウズベク語:ソグ ウチュン!

「友情のために!」

ロシア語:ザ ドゥルージブ!

ウズベク語:ドストリック ウチュン!

 ウォッカですが、これはショットグラスを一気に飲み干すのがスタンダード。これがなかなかどうして、進みます。人によって、またウォッカによって、合う・合わない、進む・進まないはありますが、これが進むとなると、飲みすぎていることに気づかず、宴のさなかにトイレに行こうとして席を立とうとすると、いつの間にか足腰が言うことを訊かなくなっていて、膝から崩れ落ちる、なんてことも?チェイサー代わりのコーラやジュース、水などをテーブルに置いておくようにしてください。塩辛いピクルスなどは、塩分補給替わりにいいかもしれません。

IMG_1079.JPG

 ウォッカは一般に想像されるような、火がつくほどの度数はありません。ウィスキーと同じくらいの40度ですが、この日は男5人で瓶4本空けました(うち1本は、特派員の到着前に空けたとのこと)。

IMG_1076.JPG

 シャシリクが来ました。串に直接かぶりつく人もいますが、串から肉を外して食べる人のほうが多いです。各自2-3本食べました。

IMG_1078.JPG

 酒の席での話題は、仕事の話や、宴会の出席者のうち一人の結婚式、アメリカ合衆国とキューバの国交正常化交渉についてや、女の子の話に至るまで、多岐にわたりました。

 しかし、彼らの会話の中で、ところどころわからない部分がありました。というのも、彼らはフェルガナ盆地のとある町の出身なのですが、彼らに言わせると、住民の80%がタジク系なのです。ですので、会話がたまにタジク語にシフトするのでした。特派員を除く4人のうち、ウズベク系とはっきりしているのは一人だけで、1人がタジク系、2人がウズベクとタジクとの混血でした。

 この酒席で、彼らに二つ、ウズベク語の単語を教えてもらいました。

 一つ目は「マスト Mast」。これは「酔っ払い」。「マスト ボルデゥム Mast bo'ldim」で、「私は酔っぱらった」という意味になります。

 二つ目は「メフル Mehr」。説明を聞くと、どうやら「愛」のことを言っているようなので、「それはセヴギ Sevgi(恋愛の愛情を指すときによく使われる単語)のことでは?」と訊くと、「そうではない、そういう薄っぺらいものではなく、親子だとか、もっと分かちがたい絆によって生まれる愛情のことだ」とのことでした。血縁を大事にする中央アジアならではの価値観かもしれませんね。

 最後はなぜかビールでシメました。白い丸いものは、バザールで必ずと言っていいほど見かける「クールト」という乳製品で、こっちではビールのおつまみによく食べられます。味は、なんというか、塩味、酸味、乳製品の風味、それぞれが強烈に主張しあう、好き嫌いが分かれる味です。一口で丸ごと食べずに、少しずつかじりながら食べましょう。

 ちなみに、この呑み会が行われた「シャシリク ノーメル アディーン(シャシリク ナンバーワン)」は、タシケントメトロ、チランザール線のオルマゾール駅近く、ガヴバール通り(カヴバール コチャシ)とドンブラバッド通り(ドンブラバッド コチャシ)との交差点に位置しています。電話番号は+99895 144-3939

 「タシケント特派員ブログ」、2014年中の更新は今回で最後となります。

本年中の御愛顧、誠にありがとうございました。

 それでは皆様、良いお年を!

 Yangi yilgacha xayr! (新年にまたお会いしましょう!)

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。