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ウズベキスタン/タシケント特派員ブログ 齋藤 竜太

ウズベキスタン・タシケント特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2015年3月19日

「ウズベク人の誇り」弦楽器"ドゥタール"を奏でてみた。(前編)


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「ウズベク人の誇り」弦楽器"ドゥタール"を奏でてみた。(前編)

「テパダン(下へ)、テパガチャ(上へ)、ビリンチバルモック!(人差し指!)」
 目の前にはウズベク人オパ(おばさん)のウストズ(ウズベク語:先生、師匠の意)。その視線の先には、こちらの手の中にあるドゥタール。左手が、押さえるべき弦とは違う弦を押さえたりすると、あるときはピシッと指導の声が響き、厳しい指摘が出るたび、こちらは「シュルシュルシュル」と音を立てて恐縮するような気分になります。


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 ここは、タシケントメトロユヌサバット線、ボドムゾル駅近くの国際ビジネスセンターにある、ウズベキスタン日本人材開発センター(日本センター)の一室。毎週水曜夕方6時半から、ウズベキスタンの民族楽器、「ドゥタール」の演奏を学ぶ教室が開かれています。


Assalom alaykum! 皆さんこんにちは!タシケント特派員の齋藤です。
 突然ですが、みなさんは、もし海外に長期滞在したとしたら、現地から何を日本に持って帰りますか?
 お土産として置物の類や消え物もいいですが、どうせなら帰国後も楽しめて、その後も現地を思い出すことができ、ずっと人生を彩り続けてくれるものを、現地から持って帰ってはいかがでしょうか。


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 (上写真はカザフスタンのドンブラ。写真提供:高橋直己氏)
 特派員は以前、カザフスタンの楽器ドンブラの演奏を日本で聞いてからというものの、「あんな風に演奏できたらなぁ」、と、中央アジアの音楽に漠然とした憧れを抱き続けておりました。ですので、このたびのウズベキスタン留学に際しては、現地で音楽を身につけたい、そしてそれを日本で奏でたい、という希望を抱いておりました。
 そんなときに、日本センターに勤めている友人から、「日本センターでドゥタール教室開講するのだけれど、参加しない?」という渡りに舟な提案があり、「ぜひ!」とお返事したのでした。
 中央アジアには、カザフのドンブラ、キルギスのコムズ、そしてドゥタールといった弦楽器があります。それ自体の演奏を楽しむのはもちろん、かつて文字を持っていなかった遊牧民の間では口承文学が発達していたそうですが、時には一つの物語を語り終えるのに何日もかかったという叙事詩に、こうした楽器が彩を添え、言葉では語り切れない表現を補ったといいます。
 

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 ドゥタールはトルクメンやカラカルパク(ウズベキスタン西部のカラカルパクスタン自治共和国に多く居住する少数民族)発祥のようですが、現在では広くウズベキスタン全土で受け入れられているようです。ウズベキスタンのテレビではしばしばドゥタール演奏の番組が流されています。かつては男性が主に演奏していたそうですが、現在では女性の演奏者も多く、特派員が参加した日本センターのドゥタール講座のウストズにいたっては、ソ連時代にコンセルバトーリャ(音楽院)を修了し、全ソ連で最も優れたドゥタール奏者10人の一人に数えられた方です。


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 日本センターでは2005年からこのドゥタール教室を開講しているそうで、主に日本人留学生と、JICAのボランティアの方々が受講してきたそうです。
 しかし、この音楽院卒のウストズ、開講当初からその厳しさで有名だったらしく、新しいグループによる初心者コースが開始されると、必ず脱落者が出るとのこと。冒頭で述べたように、確かに容赦ない...!印象としては、「旧ソ連式に硬派」な感じ(?)。
 何しろ戸惑うのが、ウズベク人は「舌打ち」や「ため息」を、比較的よく使います。町中でウズベク人とやりとりするときにそれらを出されても、慣れてしまった後なら「大したことない」と流せるのですが、このドゥタール教室のように日本人が大多数の空間だと、どうしても「舌打ち」や「ため息」に対する精神的ハードルが、日本国内並みに上がってしまいます(もっともこのウストズは、そもそも厳しい人だったらしく、その後、ウズベク人の参加者の一人が来なくなってしまいました)。
 しかし、タシケント留学2回目の特派員は知っています。このような、「旧ソ連式に硬派」な指導者ほど、頑張ってそれに応えて成果を見せれば、こちらが驚くほど率直に認めてくれる、ということを...!
 自前のドゥタールとドゥタールケースを買った特派員は、自宅で勉強や作業の合間に教わった曲を練習するようになりました。上達するようになり、曲を覚えていけば、演奏するのも楽しくなります。深夜に勉強の手を休めて演奏に熱中していると、昔、受験勉強の合間にギターを弾いていた特派員の兄の気持ちがわかるような気がしてきます(笑)
 ドゥタール教室がある水曜日は、留学先でのウズベク語の授業があります。午後の授業の後にドゥタール教室へそのまま向かうため、勉強道具と一緒にドゥタールも教室へ持っていくのですが、大抵、「一曲弾いて」となります。あるときなどは、「日本人がドゥタール弾いているぞ!」と、他の教室から先生と生徒が授業を中断して聞きに来たこともありました。
 もっとも、ドゥタールに対するウズベク人の考え方は様々なようで、弾けもしないのに特派員のドゥタールをかき鳴らして、「いいねぇ、ドゥタールはウズベク人の誇りだよ!」という人がいる一方、興味深そうに演奏を聴きながらも、「わざわざドゥタール?なんでギターやピアノを習わないの?」という人も結構います。


 ドゥタールを始めてから半年がたとうとしていた2月のとある日、ドゥタール教室で、「3月にタシケント市内の映画館「ドムキノ」で、日本映画祭があります。そのオープニングセレモニーで、日本人のドゥタール奏者によるコンサートをやりませんか、という申し出が、在タシケント日本大使館からありました。今までの成果を披露するいい機会です」、というお話がありました。まさかのコンサートデビューです。その顛末やいかに...!


以降は次回!
では、Ko'rshamiz! (またお会いしましょう!)

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カテゴリー 文化・芸術・美術
2015年3月19日
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    2017/9/24更新

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      齋藤 竜太
      日本の大学院博士課程で中央アジアの研究をしています。ウズベキスタンとの最初の出会いは2009年。その後の1年間のウズベキスタンでのロシア語留学を含めて、5回目となる今回のウズベキスタン訪問は、2014年夏から1年半の予定での留学です。ウズベク語を勉強し、研究を進める傍ら、Canon EOS Kissを相棒にタシケントとウズベキスタンを探索し、これはという街ネタをお伝えしていきたいと思います。

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