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ウズベキスタン/タシケント特派員ブログ 齋藤 竜太

ウズベキスタン・タシケント特派員が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2015年5月28日

【タシケントの隠れ家ミュージアム】ウズベキスタンの舞姫、タマラハヌン


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【タシケントの隠れ家ミュージアム】ウズベキスタンの舞姫、タマラハヌン

 Assalom alaykum! 皆さんこんにちは!タシケント特派員の齋藤です。
 ウズベキスタンはイスラーム教徒が多数派であるものの、イスラームの戒律が緩い社会であることは、これまでに述べてきた通りです。それは女性に関する戒律についても同様で、ベールをかぶっている女性を見かけることは少なく、社会進出も盛んで、分野によっては日本以上に女性の進出が進んでいると感じることもあります。また、ウズベキスタンの結婚式や催しごとでは踊りが欠かせないのですが、女性も輪に交じるのは珍しくありません。
 しかし、帝政ロシアが中央アジアに進出し、さらにその中央アジア支配を継承した旧ソ連がこの地域の「脱イスラーム化」を進めるまでは、中央アジアの女性が、今日アフガニスタンなどで見られるような全身を覆うブルカを着用する光景が、ほぼ当たり前に見られていたようです。それを思うと、このわずか100年足らずの中央アジアの女性についての変化は、驚くべきものであるといえるかもしれません。


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 「タマラハヌン博物館(Дом музей Тамары Ханум)」を発見したのは、タシケントメトロのハミッドオリムジョン駅の近くにあるというグルジア料理を探索していた時のことでした。住宅街のただ中、大通りには何の標識も出ていなかったので、見つけたときは、唐突に目の前に現れたような感覚を覚えました。


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 タマラハヌン、タマラハヌン...?
 思い出しました。米原万里の小説『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社文庫)に、「ウズベキスタンが生んだ天才舞姫」として名前が登場する、パリやロンドンでも公演した、ソ連期に活躍したウズベキスタンの世界的ダンサーです(生年1906年、没年1991年)。こんなところに彼女に関する博物館があるとは...


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 「ドム・ムゼイ(ドムは家、ムゼイはミュージアムの意)」というだけあって、外見はごく普通の民家そのもの。しかし、タマラハヌンの顔をコラージュしたポスターが何ともしゃれています。


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 何となく門をのぞいてみると、美術館職員と思しき人から手招きされたので、見学していくことにしました。


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 タマラハヌンはフェルガナ出身のアルメニア人で、学芸員の方の説明によると、4人姉妹の次女で、タマラハヌンの姉が生まれた後に、両親と姉はアルメニアからウズベキスタンに移り住んできたそうです。彼女自身はアルメニア正教徒(キリスト教の一派)だったそうですが、ウズベク人のマハッラ(共同体)で生まれ育ったため、ウズベク語も流暢に操ったそうです。
 彼女は旧ソ連にとどまらず、ヨーロッパを含めた国内外でダンス公演を行い、また、音楽やダンスのアンサンブルを結成した功績で有名ですが、当時のウズベキスタンの女性として初めて人前で顔を見せて踊ったことも特筆されます。


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 彼女が舞踊家として活躍し始めた1920年代は、まだ旧ソ連による脱イスラーム化政策が始まったばかりの頃。タマラハヌン自身はキリスト教徒だとはいえ、そのような社会状況の中で女性が人前で踊るのはどれほど勇気がいることだったことでしょう。博物館内には当時のタマラハヌンのダンス公演の映像もビデオで流されていましたが、共演者も、また数百人はいるのではという観客も含めて、彼女以外は全員男性で、その中で舞台に立って踊ることの、社会的インパクト、そして必要とされる勇気は、日本人には推し量れないものがあるように思えます。


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 タマラハヌンは、旧ソ連内外の様々な舞踊文化を研究し、実践しました。日本の舞踊も研究したようで、着物を着て「会津磐梯山」を日本語で歌いながら踊るタマラハヌンの様子も、ビデオには出てきました。学芸員の話によると、ソ連時代に日本から議員団が訪ソした時に彼女がこの踊りと歌を披露し、日本の国会議員の秘書が彼女のことを日本人だと勘違いした、とのことです。また、博物館館内には、タマラハヌンが使用した舞踊衣装が飾られており、日本の着物も展示されています。


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 この博物館はハミッドオリムジョンメトロの近く、市街地中心部からメトロ方面へ向かっていく右側にあります。
住所:1/41, T. Khanum Ko'chasi, Toshkent
電話:+99871 2678690

では、Ko'rshamiz! (またお会いしましょう!)

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カテゴリー 文化・芸術・美術
2015年5月28日
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