3. 日本人ゆかりのオペラハウス・ナヴォイ劇場で本格公演を観賞!

公開日 : 2021年12月21日
最終更新 :

サローム(こんにちは)!
今回はタシケント最大の観光スポットの一つであるナヴォイ劇場についてご紹介します。

ナヴォイ劇場(正式名称:アリシェル・ナヴォイ記念ウズベキスタン国立アカデミー大劇場)は、タシケント市内中心部に位置する市内最大級のオペラハウスです。ウズベキスタンの英雄とされている文学者、アリシェール・ナヴォイにちなんで名付けられました。

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クリスマスツリーとライトアップが綺麗な、クリスマス時期のナヴォイ劇場

この美しい劇場が造られたのはソ連時代のこと。設計者はレーニン廟などを手がけた名建築家シチューセフで、1947年、当時ソ連第4の都市だったタシケントにふさわしい荘厳な劇場が完成しました。正面から見て右側壁面には、シチューセフをはじめ設計や建築に携わった人々の名が刻まれたプレートが残っています。

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ウズベキスタンに詳しい方や旅行経験がある方はご存知かもしれませんが、この劇場と日本とは切っても切れない縁があります。第2次大戦後この地に連行された日本人抑留者が、ナヴォイ劇場の建設に関わっているのです。当時ウズベキスタン各地のさまざまな場所で日本人抑留者たちが運河や発電所などの工事や建設に強制的に動員されましたが、ここもそのひとつ。現地労働者も建設に参加しており、この劇場は日本人とウズベク人、ロシア人などが共に協力して造り上げた民族友好の証であるともいえます。

シチューセフらのプレートの反対側の壁面には、日本人が建設に従事したことがウズベク語、日本語、英語で書かれたレリーフもあります。

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日本語ガイドブックや日本語資料ではこのような歴史的経緯にスポットが当てられることが多いこの劇場ですが、タイミングが合えばぜひチケットを買ってオペラやバレエ、コンサートなどの公演を観賞してみましょう! まずは劇場横にあるスケジュールをチェック。金、土、日曜日の夜に上演されることが多いです。

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公式ウェブサイト(英語版:https://gabt.uz/en/)でもスケジュールをチェックすることができます。タブの中からWhat's on/Theatre Collection→Posterを選ぶと、月ごとの上演作品が見られます。

チケット購入方法はふたつ。オンライン購入希望なら、上記公式サイトから直接購入ページに飛ぶことができます。この場合手数料として、チケット価格の10%が加算されます。メールでチケットのPDFが送られてくるので印刷して持参しましょう。

ただ、なぜかウェブサイトでのカード決済ができないこともこの国ではままあること。実際私も一番最近の公演はカードを弾かれてしまいました。そんなときは劇場で直接購入! 入口横の窓口(КАССАの表示あり)で購入します。上記購入サイトで席を選択した画面をスクリーンショットし、窓口で見せれば希望の席をゲットしやすくなるでしょう。
公演にもよりますが、価格はだいたい1階席5万スム(2021年12月現在のレートで約500円)~、バルコニー席は2万スム~と格安です。そのためかすぐ満席になってしまうこともあるので、チケットの確保はお早めに。

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この劇場は外観だけでなく内装もすばらしいので、初めての方はぜひまた早めに行って探検してみましょう。2階中央の空間にあるのは、美しい壁画に囲まれたナヴォイ像。

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同じ階にはカフェバーがあり、上演前にひと息入れてみては。お茶やコーヒーの他、シャンパン(1杯2万スム)などお酒類もあります。

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必見なのが、それぞれタシケント、サマルカンド、ブハラ、ホラズム、フェルガナ、テルメズの国内6地域を表しているという6つの休憩スペース。趣の異なる繊細な装飾が施され、部屋の奥には各地域の風景を描いた絵画が飾られています。このように西洋建築の中にウズベキスタン的要素が見事に融合しているのが、この劇場の特徴なのです。

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タシケントの間
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ブハラの間に飾られているのは、羊飼いの向こうにブハラの町が見える印象的な絵画

さあ肝心の公演へ。私は今までオペラ「カルメン」、バレエ「火の鳥」と「シェヘラザード」、ダンスアンサンブル「トゥモール」の民族舞踊の3公演を観賞しましたが、どれも圧巻ですばらしいものでした。本場ヨーロッパにも引けを取らないような本格クオリティのバレエやオペラが上演されているのは、芸術大国ロシアの影響が大きいのでしょう。年末年始には、白鳥の湖やくるみ割り人形といったロシアでおなじみのバレエも上演されます。

公演中驚くのが、堂々と写真や動画を撮る観客の様子。他の国だとマナー違反のはずですが、この国はこういう場まで大らかなのでしょうか。とはいえ大方の観客はマナーよく振舞っているので、私たちも彼らに従いましょう。

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バルコニー席からは舞台下で演奏するオーケストラも見える

以上、ナヴォイ劇場について紹介いたしました。まだまだ気軽に旅行するのは難しい状況ですが、コロナ禍の収束後ウズベキスタンを旅行される際は、ぜひ立ち寄ってみてください!

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

参考文献:
『地球の歩き方 中央アジア サマルカンドとシルクロードの国々 2019~2020年版』ダイヤモンド社
帯谷知可編著『ウズベキスタンを知るための60章』明石書店

■ナヴォイ劇場 A. Navoiy nom. Opera va Balet teatri

住所
28 Zarafshon ko'chasi, Toshkent
電話番号
+998-71-233-9081, 232-1948
アクセス
地下鉄ムスタキリク・マイドニ駅から南へ徒歩で約10分、またはコスモナウトラル駅から北へ徒歩で約10分
URL
https://gabt.uz/en/(英語)

筆者

ウズベキスタン特派員

伊藤 卓巳

根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!

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