47. タシケントのモスク3選!旧市街の由緒あるモスクから新しいモスクまで

公開日 : 2022年05月31日
最終更新 :

サローム(こんにちは)!

綺麗で荘厳なイスラム建築を見たい! という目的でウズベキスタンに来られる方も多いはず。首都タシケントは古都サマルカンドやブハラのものほど知名度はないものの、時間があればぜひ見ていただきたいイスラム建築がたくさんあります。

この国のイスラム建築は寺院・礼拝所にあたるモスク(ウズベク語でmasjid マスジッド)、神学校にあたるメドレセ(ウズベク語でmadrasa マドラサ)、そして霊廟(ウズベク語でmaqbara マクバラ)などに分かれますが、今回はモスクを特集。ここで一日5回礼拝を行う熱心なムスリムも多く、地域住民に根ざした施設であるモスクですが、ぜひ観光客の方にも見学していただきたいモスクを3つ選んで紹介しましょう。

●ジュマ・モスク

タシケントで最も有名なバザール、チョルスーバザールの脇にあるモスク。正式名称はティムール朝下の学者の名にちなんだホジャ・アフラル・ヴァリー・モスクですが、皆通称のジュマ・モスクと呼んでいます。これは金曜モスクの意味で、この国で金曜の集団礼拝に使われる大きなモスクは〇〇・ジュマ・モスクという名がついていますが、ここは単なるジュマ・モスク。それだけタシケントの中で存在感が大きく、有名なモスクということです。

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何度も修復・改装されてきたのでそう古くは見えないモスクですが、創建はなんと15世紀で、600年以上の歴史を誇ります。バザールでの買い物ついでに寄る人も多いのか、礼拝時間になると礼拝者でにぎわいます。

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ジュマ・モスク内部。美しく装飾された高いドームを持つ

すぐ近くにあるのは神学校クカルダシュ・メドレセ。神学校というと中世あたりの時代を思い浮かべそうですが、この神学校はなんと今でも活動しています。
チョルスーバザール、ジュマ・モスク、クカルダシュ・メドレセと、聖と俗とが一体になっているこのエリアは、帝政ロシアの支配される前はタシケントの中心地でした。当時のタシケントは城壁と12の城門に囲まれた城郭都市でしたが、その中心がここだったのです。

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クカルダシュ・メドレセから階段を下りると、宗教書などイスラム教関係の品々を売っている店や露店が並んでいます。日本では見られないようなアイテムばかりなので、ぜひ見てみては。

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コーランを置くための書見台も売っている

■ジュマ・モスク Juma masjidi

住所
Chorsu maydoni, Toshkent
アクセス
地下鉄チョルスー駅から徒歩約5分

●ハズラティ・イマーム・モスク

こちらも16世紀に開かれたとされる歴史あるモスクで、木の柱に支えられた高い天井を持つアイヴァン様式が美しいモスクです。チョルスーバザールから徒歩15分、入り組んだ町並みの旧市街の中にあります。この旧市街の雰囲気がまた素晴らしいので(近年は再開発が進み景観が変わりつつありますが......)、街歩きも兼ねてぜひ歩いてみましょう。

ジュマ・モスクと同じく近年修復工事が行われ、2基のミナレットをもつ大規模なモスクになっています。

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内部は青色のじゅうたんが広がっている

そしてこちらも神学校が隣接。バラク・ハン・メドレセという神学校で、ソ連時代には「中央アジア・ムスリム精神行政局」、つまり中央アジアのイスラム教本庁が置かれていました。現在は神学校としては使われておらず、中庭を自由に見学することができます。ちなみに私のプロフィール写真の背景は、このバラク・ハン・メドレセの中庭から見たハズラティ・イマーム・モスクです。

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私の訪問時は、メドレセの壁をゴールにして近所の子供がサッカーをしていました......

ハズラティ・イマーム・モスクとバラク・ハン・メドレセの間に広がる広場はハスティマム広場と呼ばれています。ここに立つと青いドームが美しい両イスラム建築を眺めることができ、いかにもウズベキスタンらしい写真が撮れるタシケント屈指の撮影スポットになっています。
ここには世界最古といわれるコーランが保管されているコーラン博物館もあるので、ぜひあわせて行ってみましょう(入場料3万スム)。

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ハスティマム広場とハズラティ・イマーム・モスク

■ハズラティ・イマーム・モスク Hazrati Imom masjidi

住所
Hastimom mahallasi, Toshkent
アクセス
地下鉄ガフル・グロム駅またはチョルスー駅から北へ徒歩約20分

●ミノール・モスク

最後にご紹介するのが、上記2つと打って変わったピカピカの白亜モスク、ミノール・モスク。実はタシケントを含め現在国じゅうでモスクの新築や改装が相次いでいますが、このミノール・モスクもオープンはわずか8年前の2014年。

インパクト抜群の外観は発展を続けるタシケントの象徴の一つとされているようで、町を紹介するプロモーションビデオなどにもたびたび登場します。レンガ造りではなく、大理石でできたこのような白いモスクはウズベキスタンではなかなかお目にかかれません。鮮やかなブルーのドームとのコントラストも見事です。

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内部は2400人を収容できるとのこと。金曜日の集団礼拝時は、建物の外まで礼拝者であふれます。

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モスク内にあったこちらの支払い機。公共料金などの支払いができるほか、ワクフというイスラム系の寄付団体にこの支払い機から寄付ができるようです。なんとハイテクなシステムでしょう。

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モスクの横を流れるのは、タシケントを東西に二分するアンホール運河。北へ行けばテレビ塔へ、南へ行けば独立広場にたどり着く絶好のお散歩コースなので、モスク見学ついでにぶらぶら歩いてみるのはいかがでしょうか。

■ミノール・モスク Minor masjidi

住所
Kichik xalqa yo'li, Toshkent
アクセス
地下鉄ミノール駅またはボドムゾル駅から徒歩約15分

ここに書いていないモスクも含めた共通の注意事項です。基本的には異教徒でも出入り自由ですが、1日5回の礼拝時間(特に金曜昼頃の集団礼拝時)は混み合うことが多いため見学を避けた方がよいでしょう。またスタッフに出会ったらМожно войти(モージナ・ヴァイチー?:中に入っていいですか?)と聞いてみましょう。私の場合、タシケントのモスクで一度だけ内部の入場を断られたことがありました。

また短パンなどラフな格好で行くことは避け、敷地内では静粛にしましょう。女性の方はスカーフも必須です。

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

筆者

ウズベキスタン特派員

伊藤 卓巳

根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!

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