55. タシケント観光モデルコース!ウズベキスタンの首都を最大限楽しむ旅行ルートをご紹介

公開日 : 2022年07月02日
最終更新 :

サローム(こんにちは)!

とうとう7月に入りましたね! 日本列島が熱波に襲われているというニュースを見ますが、こちらも度々40度越えとなる猛烈に暑い日々が続いています。この国で最も暑い時期とされる「チッラ」という期間(6月25日~8月5日)に入ったばかりなのです。自分自身ウズベキスタンの夏を体験するのは10年ぶりですが、果たして生き延びられるのか不安になっているところです。

航空券の高騰や現地でPCR検査を受ける手間などが依然バリアとなっていますが、どんどん海外旅行へのハードルが下がりつつあり、この夏ウズベキスタンへ旅行しようと思っている方も多いのではないでしょうか。このブログでは首都タシケントの見所をたくさん紹介してきましたが、実際に観光される方のために筆者おすすめの1日モデルコースを作成してみました。こちらをご参考いただき、ぜひご自身にぴったりの旅程を作り上げてくださいね!
なおタシケントへのフライトやウズベキスタン入国情報についてはこちらの記事:43. 【2022年5月最新】もう旅行できる?ウズベキスタン入国実証・フライト運行状況 をご覧いただき、ご自身でも必ず最新情報をお調べください。

観光の始まりは、タシケントの心臓であるティムール広場。ウズベキスタンが誇る歴史的偉人ティムールが馬に乗った勇ましい姿で像になっていますが、彼の存在が軽視されていたソビエト時代は革命広場、通称スクヴェール(スクエアの意味)と呼ばれ、1940年代はスターリン像、1960年代後半からはマルクス像などが置かれていました。常に時代の流れに翻弄されてきた広場といえますが、昔も今もタシケント市民に愛されている広場です。

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像の後ろに立つのは日本人ツアー客がよく泊まる定番ホテル、ウズベキスタンホテル

土産物露店や絵描きなどが多く、そぞろ歩きにぴったりな賑やかな通り「ブロードウェイ」を歩き、重厚なレンガ造りのオペラハウス、ナヴォイ劇場へ。ティムール広場から徒歩15~20分ほどでしょうか。日本人にとっては、第二次世界大戦後にこの地に連行された日本人抑留者がこの劇場の建物に建設に携わったという歴史的事実はぜひ知っておきたいところです。
もしスケジュールが合えば、夜に再訪してぜひ公演を観賞してみてください。たとえ言葉が分からなくても、本格オペラやバレエを見るのは良い体験になるもの。前田敦子さんが主役を演じたウズベキスタンが舞台の映画『旅のおわり世界のはじまり』にも登場した、豪華絢爛な内装も要チェック。
(参考記事:3. 日本人ゆかりのオペラハウス・ナヴォイ劇場で本格公演を観賞!

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遊具や食べ物屋台など、毎日縁日のような雰囲気のブロードウェイ
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夏にはナヴォイ劇場前に噴水が登場

この周辺は興味深い博物館も多いので、ご興味のあるテーマに応じてぜひ見学してみてはいかがでしょうか。私のおすすめは、ナヴォイ劇場から徒歩約30分、古本露店街を通り抜けてさらに住宅街の中に入ったところにあるウズベキスタン工芸博物館。刺繍スザニや色鮮やかな陶器、木工細工品など、この国ご自慢の伝統工芸品のほぼ全てをここで見ることができます。地方都市のどこかでこれらの品を購入したいと思っている方はぜひ予習にどうぞ。海外雑貨好きな方なら、2時間はゆうにいられるかもしれません。
(参考記事:25. タシケントど真ん中の古本露店街は市民が集まる憩いのエリア40. タシケントおすすめ博物館No.1!伝統工芸品が集まるウズベキスタン工芸博物館

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またナヴォイ劇場すぐ北側にはウズベキスタン歴史博物館もありますし、ティムール広場に戻ればティムール博物館もあります。歴史好きの方はこちらに行ってみてもよいかもしれません。

次の目的地の最寄り駅、ボドムゾル駅へはタシケント地下鉄(タシケントメトロ)を利用します。ここも立派な観光名所のひとつ、というよりむしろ個人的にはこれがタシケントで一番の見所だと思っています。あえてハードルを上げておきますが、初めて乗られる方はホームの個性豊かで美しい内装に息を呑むはず。特にウズベキスタン工芸博物館最寄りのコスモナウトラル駅は、旅行者の方に人気の駅のひとつです。
(参考記事:19. 地下に広がる美の空間!タシケントのおすすめ地下鉄駅ベスト5

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ボドムゾル駅から北へ徒歩10~15分の場所にあるのがテレビ塔。高さ375mと東京タワーよりも高く、展望台からは市内を一望できます。

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夜はド派手にライトアップされ、ラスボスの居城のようなオーラが漂う

このコースどおりに観光しているとこの頃にはもうお昼になっているでしょう。そこでぜひ行っていただきたいのが、テレビ塔入口からすぐの中央アジアプロフセンター。ウズベキスタンといえば真っ先に出てくる代表料理プロフの名店であるのと同時に、ここも立派な観光名所です。入口脇のプロフの超巨大鍋は必見。
プロフは何と言ってもできたてが一番。時間が経つにつれて油っこさマシマシになってしまうので、できるだけ正午頃行くようにするのがおすすめです。
(参考記事:9. 誰もが知る名店・中央アジアプロフセンター。圧巻の巨大鍋は必見!

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午後はお待ちかねのバザールに行ってみましょう。市内最大級の歴史あるバザール、チョルスーバザールへ。地下鉄で行くには少し遠いので、アプリを使ってタクシーを利用するのがおすすめです。
(参考記事:31. ウズベキスタンで知っておきたいタクシーアプリ「ヤンデックスタクシー」

チョルスーバザールはとにかく巨大な市場。とりあえず押さえておくべきは、バザール中心に位置する青いドームの建物とその周辺の食品売り場。ただ、そこへたどり着くまでも様々な売り場をくぐりぬけることになり、人生で初めて目にする(かもしれない)ありとあらゆる物たちを前に湧き上がる好奇心を押さえられないでしょう。とにかく心行くまでこの混沌としたバザールを楽しんでください。
(参考記事:39. チョルスーバザール徹底ガイド!タシケント最大の市場を大探検

このチョルスーバザール北側は典型的なタシケント旧市街にあたり、古い町並みがまだまだ残っており、発展を続けているこの町では数少ないシルクロードの古都らしさを感じることができるエリア。とはいえこの区域も再開発が進んでいるので、数年後にはまったく異なる景色になっているかもしれません。

この迷路のような町並みを通り抜けた先にあるのは、タシケントで最も重要なモスクのひとつであるハズラティ・イマーム・モスク、そしてハスティマム広場を挟んでかつて神学校だったバラク・ハン・メドレセ。私たちがウズベキスタンと聞いてイメージする青いドームのイスラム建築が、まさにここにあります。時期にもよりますが、夕日がいい具合に当たるとなかなかの眺めになります。
(参考記事:47. タシケントのモスク3選!旧市街の由緒あるモスクから新しいモスクまで

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ハスティマム広場から眺めるバラク・ハン・メドレセ

時間があれば寄っていただきたいのが日本人墓地。周囲に地下鉄駅がないので、こちらもタクシー利用がおすすめです。ここには故郷の土を踏むことなくウズベキスタンの地で無念にも亡くなってしまった日本人抑留者の方々が眠っています。ぜひともお参りにいらしてください。

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墓地には記念碑もあり、度々折鶴がお供えされている。春には桜の花が咲く

さて、夜ご飯。ここでおすすめしたいのがまたしてもウズベク料理...ではなく、ジョージア料理。世界各地の料理が食べられる中央アジアきっての美食の町タシケント、ここではぜひなかなか日本で食べられる機会がない料理を召し上がっていただきたいのです。特にジョージア料理はシュクメルリなど日本で注目されている料理がありながらも、日本ではなかなかレストランが見つからないもの。ここタシケントなら本格ジョージア料理が安価で食べられるのです。
私がよく行くお店が、自家製ワインが旨いバグラティオニ。ぜひ美味しい料理とワインで一日の疲れを癒してください。
(参考記事:23. ヒンカリ、ハチャプリ、シュクメルリ。今注目のジョージア料理をウズベキスタンで楽しむ!

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ハチャプリ、ハルチョー、ヒンカリ、シュクメルリ、ワインのド定番ジョージア料理が並ぶ

これ一日でタシケントの大まかな観光地は制覇できました。もしあと1、2日あるなら、ほかの町には無いさらにディープな見所へ行ってみましょう。クラシックカー好きにはたまらないタシケント科学技術博物館、鉄道ファン必見の鉄道技術博物館などニッチなテーマの博物館も豊富にありますし、宗教施設だってモスクだけでなく教会やシナゴーグなどがあります。海外旅行の上級者やバックパッカーにおすすめなのが、私が"夢とロマンが詰まったカオスバザール"と呼んでいる週末限定のヤンギアバッドバザール。

また食事もウズベク料理はもちろん、先述の通りあらゆる国の料理が食べられるレストランが揃っています。本ブログやガイドブックなどをご参考に、時間の許す限りタシケントの町を楽しみ尽くしてください。
(参考記事:53. ソビエト・ロシア車マニア必見のタシケント科学技術博物館&街角の車たち42. 日曜は教会巡り!タシケントのおすすめ教会を一挙ご紹介46. 「人間以外何でも売ってる」巨大のみの市、ヤンギアバッドバザール探検!

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美しいロシア正教大聖堂

ウズベキスタン旅は、サマルカンドやブハラなどの世界遺産都市を重きを置いている旅行者の方が当然多く、タシケントはウズベキスタンの玄関口としか認識していない方もいらっしゃるかもしれません。しかしそのタシケントも掘り下げて観光してみるとなかなか興味深いもので、ほかの町には決して負けない魅力があります。最低でも丸一日時間を取って、じっくり旅してみてはいかがでしょう。

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

筆者

ウズベキスタン特派員

伊藤 卓巳

根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!

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