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ジョージア/トビリシ特派員ブログ fujinee

ジョージア・トビリシ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

前回の記事 で、イランの礼儀作法であるタアーロフについて書きました。

その後、またイランにいる友人とやり取りする機会がありました。

その際に、あえてそのタアーロフについて質問してみることに。

私が前回の記事に書いたようなことをひと通りたずねてみました。

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その結果、いくつかの指摘をもらいました。

まず、相手の誘いを3回断るというルールは、親しい友人関係の中ではそこまで堅苦しいものではない、と。

場合によっては1回や2回の場合もあり、またすぐに承諾する場合もあるそうです。

それはお互いの理解度によって変わるとのこと。

ただし、本気で誘う場合は3回断られても4回誘い続けるというルールは納得していました。

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まだ、タアーロフに関する私の認識は一人前ではないようです。

ただし、ここでもらった答えについても、必ずしも正しいとは言い切れないと思います。

まず、タアーロフに関しては、イラン社会の中でも人によって解釈が違うということ。

現地の人でも、建前と本気の差がわからないということはよくあるそうで、そういう場合は探りを入れながら反応を見るそうです。

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また、タアーロフのいう礼儀作法自体が多少はデリケートなことなので、友人であっても、必ずしも正直な答えが返ってくるとは思っていませんでした。

実際、親しい友人関係の中でも、自分の判断が間違ったかと雰囲気で感じるケースは何回かありました。

いずれにしても、イラン社会を知るためにはまずはタアーロフを知らなければならないということ。

そして、タアーロフは複雑で難しいルールであるということは事実であるようです。

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※前回に続き、今回の画像は、2019年にイランを訪れた際に撮影したもの。

雲の中にあるポルセフィードという村です。


2021年4月30日

私にはイラン人の友人がたくさんおり、よく連絡を取ります。

そして、イラン人との人間関係に常につきまとうのが「タアーロフ」という考え方です。

私はこの約3年間、このタアーロフには常に悩まされ、考えさせられてきました。

※以前の記事では「タロフ」と表記していましたが、カタカナ表記としては「タアーロフ」のほうが一般的に普及しているようです。したがって、ここでは「タアーロフ」と表記します。

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さて、日本人はこのタアーロフについて、どのような認識を持っているのでしょうか。

少なくとも、認知度としてはそれほど高くないような気がします。

いや、ほとんどの日本人が、この「タアーロフ」という単語さえも知らないのではないでしょうか。

以前、世界旅行者たちのブログを好んで読んでいたことがあります。

そういった人たちの中には、イランを旅してその日記を書いていた者も多数いました。

しかし私はそういった日記の中にこの「タアーロフ」についての表記を見た記憶が1回もありません。

多分、イラン人との人間関係を持つうえで、もしもこの「タアーロフ」について知らなかったら、たいへんな誤解が生まれると思うのです。

いや、たとえイラン人との付き合いがなかったとしても、この国際社会の中で、ひとつの主要民族の特徴的な考え方として、この「タアーロフ」という概念は知らなければならないことだとも最近あらためて思ってます。

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タアーロフはイラン人の社交辞令です。

日本社会の中にも社交辞令は存在します。

特にビジネスの場面で社交辞令に出会うケースは多いでしょう。

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たとえば上司と飲みに行けば、「まあ、課長もお上手で……」と相手を持ち上げたりします。

ビジネスの契約が終了する場合、「またご縁がありましたらぜひお願いします」と書いたりもします。

しかしこれらの場合、本当に上手だと思ったり、またのご縁を期待してはいない場合も多いでしょう。

それは相手を立てるため、人間関係をスムーズに行うため、場合によってはうまく自社の利益に繋げるために本心ではないことを言う訳です。

そして、もしこういった言葉をすべて本気でとらえてしまうビジネスマンがいたとしたら、それは非常に「やっかいな」存在となるでしょう。

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イランの社会には、親しいプライベートの人間関係の中にも必ずこういった社交辞令が存在するのです。

たとえば日本人がイランを訪れた場合。

多くのイラン人が積極的に誘いをかけてきます。

「初めまして、一緒にご飯でも行こうよ」

「家族を紹介したいから、これからうちにおいでよ」

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しかしこういった言葉を本当の誘いと考えてはいけません。

彼らは、そういった誘いをかけるのが礼儀ということで建前を言っている訳です。

つまり、本当は誘いたくない気持ちを抑えて礼儀作法として誘っているということ。

こういった誘いは、断ることが礼儀となります。

しかしタアーロフを知らない者は、それを親切な誘いだと勘違いして快諾します。

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ここで相手は微笑んでいたとしても、内心は思っているでしょう。

「建前の誘いについてくるとは、何という礼儀知らずなのだ」と。

しかし彼らはその気持ちを決して表に出しません。

相手に嫌な気持ちを悟られてしまうこともタアーロフにおける礼儀違反となるので、「ここは僕が払うよ」と次のタアーロフを始める訳です。

しかし、タアーロフにおける人間関係は、奉仕精神とそれに対する遠慮がペアになって初めて成り立つこと。

当然、その誘いをすべて受ける者がいたら、その人間関係はどこかで崩れてしまいます。

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したがって日本人からしてみれば、親切なイラン人と付き合っていたら、ある日突然その人間関係が崩れてしまうということにもなりかねません。

その場合、どうしてその人間関係がダメになったのかもわからずじまいになってしまうでしょう。

※誤解を招くので書きますが、イラン人は本当に親切な人種です。ただしタアーロフは別問題としてとらえなければならないということです。

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ここで、私がいままで出会ったタアーロフの実例、およびタアーロフだと自分で判断した例を挙げてみましょう。

①イラン人の宿泊者が多いホステルに泊まっていたとき、みんなが私に食事を分けてくれていた。

私もその親切さにあやかってすべて快諾していたら次第に不穏な空気になってきて、あるイラン人から遠回しにタアーロフについて教わった。

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②いままで出会ったイラン人の多くとはインスタグラムで繋がってもらっている。

その中には1日だけの付き合いだった人も多い。

2019年に友人に会いにイランを訪れたが、イラン旅行の写真をアップロードしていると彼らからこぞって連絡が来た。

「なぜ僕に連絡をくれないんだ」

「イランに来てるのなら、一緒に食事でも行こうよ」

ただし私は、これらの誘いの多くがタアーロフであることにすでに気づいている。

多分、彼らの言葉を本気にして全員と会う約束をしたら、多くの者は思うであろう。

「え、あなた、そもそも誰だっけ?」

しかし彼らはそれを表情に出さずに次のタアーロフを続けるはずです。

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③イラン人の友人とSNSで頻繁に連絡を取ることがある。

のっけから歯の浮くようなお世辞が並んだりしますが、最後に彼らは必ずこう締めくくる。

「イランへの次の旅行は計画してるかい?」

「僕らも待ってるから、今月なんてどうだい?」

しかし2021年4月現在、日本人がジョージアからイランに入国することは、ほぼ不可能に近いでしょう。

そして彼らもそれを知らないはずはないのです。

つまりこれはタアーロフ。

友人関係を確認するために嘘で誘いをかけているのです。

したがってここで、「いま行ける訳がないじゃない!?」と正直に答えるのは無粋となるでしょう。

たとえば、「ちょうど航空券を取ろうと思っていたところなんだ」と嘘で返すのがよい答えだと思われます。

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ここまででもかなり難しいルールをともなうタアーロフですが、日本人にとってタアーロフが悩みの種になる本当の理由は別にあります。

それは「魔の3回ルール」です。

イラン社会の中では、相手の誘いがタアーロフである可能性を考え、3回断ることが礼儀となっています。

そしてもし4回目も誘ってきたら本気の誘いだということで承諾してよいとされているそうです。

この「3回」という数字はイラン人が子供の頃から習うそうで、ルールと考えてよいでしょう。

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つまりこの「魔の3回ルール」は、以下のふたつのルールに細分化できると思うのです。

①イラン人に誘いを受けたら、3回は様子を見て断らなければならない。

4回目に誘われたら初めて承諾してよい。

このルールは親しい人間関係の中にも適用される。

②イラン人に誘いをかける場合、相手はタアーロフのルールで断ってくることが多い。

しかし本気で誘いたいのであれば、3回断られても4回誘いをかけなければならない。

もし途中でやめてしまったら、その誘いは本気ではないということになる。

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しかしこのような習慣は日本社会にはありません。

日本人との付き合いの中で、同じ誘いを3回連続で断ったことがあるでしょうか。

おそらく、1回断った誘いをまた2回目としてかけられることでさえほとんどないでしょう。

友人の誘いを3回断ることは、メンタル面でかなりの強さを要求されます。

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さらにやっかいなのは②です。

もし日本で②をやった場合、ストーカー行為として通報されてもおかしくないでしょう。

私の意見ですが、ある社会の中で犯罪として扱われる行為は、礼儀としては存在し得ない行為と言ってよいと思うのです。

日本人にとってタアーロフとは、社会の中で存在し得ない礼儀作法を行っていくということでもあります。

当然これも精神的に大きな負担となります。

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実際、何度か言ったことがあります。

「もう、タアーロフはやめにしないか」と。

しかし彼らにとってもタアーロフは幼い頃から擦り込まれている礼儀であり、また民族の誇りでもあるのでしょう。

なかなかやめることもできません。

タアーロフというのはこれほどに難しい礼儀作法なのです。

【追記】
その後、イランの友人にタアーロフについてたずねる機会があり、また違った意見が得られました。

こちらの記事と合わせて読んでいただけると幸いです。(21.04.30)

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※今回の画像は、2019年にイランを訪れた際に、友人と訪れたリンドという雲の上の村です。

イランでは、有名観光地はほとんど訪れずに、友人と行動していました。


2021年4月18日

4月に入ってから、バトゥミに住む友人夫婦がトビリシに訪れる機会があったので、2度ほど一緒に食事に行きました。

レストランはダヴィト・アグマシェネベリ通りにあるトルコ料理店「スプラ」。

以前も一緒に行った、彼らのお気に入りの店です。

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↑トルコ料理店「スプラ」。

まず前菜で出てくるのがキョフテ。

キョフテはトルコから中東あたりではポピュラーな料理です。

ミートボール状のもの、コロッケ状のものなどさまざまなスタイルのものがありますが、ここのキョフテはペースト状。

ここのキョフテは辛めの味つけで、肉は使われていません。

レタスの葉で巻いて食します。

私は付け合わせのパンに挟んで食します。

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↑キョフテ。

1回目に行ったときは、メインディッシュとして仔羊のハシュラマを頼みました。

ハシュラマは、もとはアルメニア料理とされています。

あっさりとした味つけのスープです。

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↑仔羊のハシュラマ。

2回目に行ったときに頼んだのは、イスカンダル・ケバブ。

20ラリと、この店の料理としては高めですが、店のいち押しメニューでもあります。

肉は羊肉かと思っていましたが、実際には牛肉であるようです。

トマトソースをベースとした味つけで、ヨーグルトが添えられています。

肉に混ぜられているパンのかけらが不思議な触感。

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↑イスカンダル・ケバブ。

イスカンダル・ケバブは私もお気に入りのメニュー。

サービスでおかわり自由なトルコ・ティーをつけることができます。

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↑トルコ・ティー。

【メニュー価格】
・仔羊のハシュラマ:17ラリ
・イスカンダル・ケバブ:20ラリ

※1ラリ≒32.0円(2021年4月10日現在)

【メニューの英語/ジョージア語表記と発音】
・仔羊のハシュラマ(Boiled Lamb/ბატკნის ხაშლამა/bat’k’nis khashlama)
・イスカンダル・ケバブ(Doner Kebab with Yoghurt and Tomato Sauce/ისკენდერი შაურმით/isk’endari shaurmit)

■Supra(სუფრა)
・住所: 130/132 Davit Aghmashenebeli Ave,Tbilisi(130/132 დავით აღმაშენებლის გამზირი)
・電話番号: +995 322 96 09 63
・URL: http://supra.com.ge/


2021年4月10日
2021年4月 6日
2021年3月30日
2021年3月28日
2021年3月10日
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    僕が世界一好きなジョージアの音楽バンド「Nino Katamadze & Insight」のコンサートを観に2017年夏にトビリシを訪れましたが、せっかくだからそのバンドのコンサートを観る事が出来るトビリシに住もうと決心し、2018年7月から移住します。音楽や芸術が好きなので、そういう記事が多くなると思います。 DISQUS ID @disqus_dT83Ff39Sr

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