ツァルカの星空を夢見て...
トビリシの街に来てから一番行ってみたかった場所はチアトゥラでしたが、二番目に行ってみたかったのはツァルカという村です。こちらに来て間もない頃に知り合いからこのツァルカ村の事を聞いて以来、この村は常に僕のリストの最上位に入っていました。
しかしツァルカへ行く交通手段が解らずに、その旅はずっと保留になっていました。ところが先日、ひょんな事からツァルカ行きのマルシュルートカ(乗り合いヴァン、以下マルシュ)の存在を知ったので、思い立ったが吉日とばかりにツァルカに行ってきました。
ツァルカ行きのマルシュはメトロ・トビリシのサムゴリ駅前のマルシュ・ターミナルから出ていました。朝一番にターミナルに行ったところ運転手から「11時出発だよ」と言われたので10時半頃に戻ってくると既にマルシュはほぼ満席でした。
↑サムゴリ駅前のマルシュ・ターミナル。
トビリシからツァルカへの旅は約2時間、10ラリ(後払い)です。トビリシから南へ進みマルネウリの手前で西へ曲がるとマルシュはつづら折りの峠道に入っていきます。高地に自生する白樺の木がだんだんと目立つようになり、ツァルカに近付くと岩肌と草原の大地に変わっていきます。
↑ツァルカの村はずれ。
ツァルカはジョージア中心部のクヴェモ・カルトリ地方に位置する標高約1500mの村です。ジョージア屈指の寒冷地として知られ、真冬の気温は−30℃にもなるとの事。冬の長いツァルカではジャガイモの栽培や畜産業が生活の糧となっているそうです。
↑ツァルカ村。
ツァルカは人口約2300人(wikipediaより/2014年)の小さな村です。村の中心部に小さな市場、メインストリートに幾つかの個人商店がある以外は店もほとんどありません。牛や馬、豚などの家畜が通りを当たり前に歩いています。
↑村中心部の小さな市場。
↑こぢんまりしたメインストリート。
↑路地を馬が歩いています。
ツァルカでは二つの場所を訪れました。一か所目はダシバシ渓谷です。ダシバシ渓谷は村の中心から南東に約4km、徒歩1時間弱でした。大きく削られた渓谷の底には渓流があります。渓谷には徒歩で下りる事も可能ですが、今回は上から眺めるにとどまりました。周辺にはキャンプ施設もあります。
↑ダシバシ渓谷。
↑道中で羊飼いにご挨拶。
もう一か所はツァルカ貯水池です。貯水池のほとりまで、村の中心部から西に約2km歩きました。広大な貯水池とその背後の山々が美しい場所です。草むらに小一時間座っていましたが、風の音と水鳥の羽音以外に音がない場所でした。
↑ツァルカ貯水池。
ちょうど音楽プレイヤーを持っていたのでヘッドフォンで音楽を流しました。貯水池のほとりでは好きな音楽を聴くのも良し、好きな本を持っていれば読書も良し、夏であれば夜空を見上げながら夜を明かしても良いかもしれません。陽が傾いて寒くなったので貯水池を後にしました。
↑牛横断注意の標識。
↑牛達の道路横断。
↑ツァルカの村はずれ。
ツァルカにはバックパッカー用の安宿はありません。僕が泊まったホテル"White House"はシングル40ラリ、朝食10ラリでした。しかし夏場で天気が良ければダシバシ渓谷やツァルカ貯水池近辺で野外泊も良いかもしれませんね。
↑ホテル"White House"。
午前2時。ヴェランダから外を眺めます。10月下旬で気温5℃。ツァルカでは満天の星空を見る事が出来ると聞いたので期待していたのです。あいにく目の前の通りに街灯があるので星が良く見えません。散歩に出かけてみたかったのですがホテルの庭に番犬がいたので出られませんでした(笑)。
そんな訳でツァルカの星空を見る願いは今回は叶いませんでした。しかしそれも良いでしょう。今回、ツァルカへの行き方は解りましたし、またここに戻ってくる事になると思います。星空は次回に期待しましょう。
↑ツァルカの夕暮れ。
ツァルカからトビリシへ戻るマルシュは一日に数便あるようですが、今回朝9:30の便を教わったのでその便でトビリシに戻ってきました。下の地図の場所で西側からやってくるマルシュを捕まえます。マルシュはほぼ定時に来ました。
↑この店の前で手を挙げてマルシュを停めました。
※トビリシ~ツァルカのマルシュは行き帰りとも超満員でした。復路は席がなくて荷物の上に座りましたが、それも良い旅の思い出となるでしょう(笑)。
↑ツァルカで見つけた里の秋。
【英語/カルトリ語表記と発音】
サムゴリ駅(Samgori/სამგორი/samgori)
マルネウリ(Marneuli/მარნეული/marneuli)
ツァルカ(Tsalka/წალკა/ts'alk'a)
クヴェモ・カルトリ地方(Lower Kartuli/ქვემო ქართული/kvemo kartuli)
ダシバシ渓谷(Dashbashi Canyon/დაშბაშის კანიონი/dashbashis k'anioni)
ツァルカ貯水池(Tsalka Resevoir/წალკის წყალსაცავი/ts'alk'is ts'q'alsatsavi)
↑サムゴリのマルシュ・ターミナルでフロントガラスの"წალკა"(ツァルカ)の行き先表示を探します。
↑ダシバシ渓谷。
↑ツァルカ貯水池は地図の中央、鉄道の西側辺りから。
↑復路のマルシュはこの辺り。上の画像参照。
【宿情報】
White House
住所:18 Aristotele St,Tsalka,Georgia
電話番号:+995 595 99 87 95
料金:シングル、ダブル共に40ラリから。朝食10ラリ。
宿の予約は地球の歩き方の宿・ホテル予約から。地図の位置が間違っていますので正しくは上の地図参照。ホストの方は英語が通じません。
筆者
ジョージア特派員
fujinee
ジョージアのトビリシに住んでいます。音楽や芸術が好きなので、そのような記事が多くなります。
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