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イスラエル/テルアビブ特派員ブログ 田澤 潤子

イスラエル・テルアビブ特派員が現地から中東地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。


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9月に入り、テルアビブでは朝晩にほんのり涼しさを感じるようになってきました。それでもまだ日中は気温30度の暑さが続いています。そんなことから先日、涼しさを求めてゴラン高原の麓に位置する天然のプール、「ブレハット・メシュシン」に遊びに行ってみました(ヘブライ語で「ブレハ」はプール、「メシュシン」六角形の意味)。そこには、自然が作り出したとは思えない奇妙な形の岩「柱状節理」(ちゅうじょうせつり)に囲まれた天然プールが! 有名スポットではありませんが、その絶景さが侮れない穴場スポット「ブレハット・メシュシン」についてご紹介します。


イスラエルの柱状節理


<かつては火山だったゴラン高原の山々>
ブレハット・メシュシンはテルアビブから車で北に二時間半近く、シリアとの国境の手前、ゴラン高原の麓にある「ェフディア森林保護区」の中に位置しています。このエリアに向けてテルアビブから北上してくると、それまでの褐色の大地が広がる風景から、大地に灰色の石が点在する風景へと変化していくことに気づきます。それもそのはず、ゴラン高原の多くの山は10万年〜70万年前に活動していた火山だったのです。火山石にはいろいろな種類・色がありますが、このエリアの火山石は黒っぽい色素が強い「玄武石」が中心です。そのため、このエリアでは多くの灰色の石が見られるというわけです。ちなみにこれは日本の富士山の溶岩と同じ種類で、ゴラン高原と富士山に共通点があったとは意外ですね。なお、富士山と同様、これらの山々は現在休火山となっています。


<イェフディア森林保護区をハイキング>
ブレハット・メシュシンにたどり着くには、まずイェフディア森林保護区の入り口から20分から30分ほど、下り坂のハイキングコースを歩いていきます。9月は長い乾期の終わりの時期なので、あたりは緑が豊富とは言えません。気温も32度くらい、直射日光を受けながらのハイキングは体に堪えるのですが、、、水辺の涼しさを求めてとにかくハイキングコースを歩きます。 


ゴラン高原の麓イェフディア森林保護区


降りていくにつれ、だんだんと水の流れる音が聞こえてくると同時に、周りの風景に緑がどんどん増えていくのを実感します。そして川の流れを目視できるポイントに到着するとなにやら縦状に線が入りギザギザとした表面を持つ不思議な形の岩が視界に飛び込みます。どのようにしてこのような形の岩が出来上がったのか色々と想像力を働かせているうちに、ついに目的地「ブレハットメシュシン」に到着です。


イスラエルゴラン高原の柱状節理2


<六角形のチューブ状の岩が垂れ下がる奇妙な造形>
そこには、川が開けて水が溜まった天然のプールを囲むようにして、無数の六角形のチューブ状の岩が垂れ下がって壁を作っている、なんとも不思議な光景が。天然プールではイスラエル人の家族づれが気持ちよさそうに泳いでいます。


イスラエル・ゴラン高原の麓の柱状節理3


岩の形状がなんとも奇妙で、何度もカメラのシャッターを押してしまいます。撮っても撮っても撮りたいないとはまさにこのこと。下の写真では少し近くの岩を撮ってみました。規則正しく並んだ細くて長い柱状の岩から、ゴシック建築を連想してしまうのは私だけでしょうか。


イスラエル・ゴラン高原の柱状節理3


下の写真は更にクローズアップです。人工的に作られたような岩の形状が印象的です。


イスラエル・ゴラン高原の麓の柱状節理4


余談ですが、水の中には、大きな魚がたくさん泳いでいます。川の水がきれいな証拠ですね。水の表面に岩の筋が写り、太陽の光の反射と相まって幻想的な写真となりました。


ゴラン高原麓の森林公園の天然プール


<形状の秘密は火山の噴火だった!>
どのようにして、このような奇妙な形の岩が出来上がったのでしょうか。どう考えても水の流れで削られた形ではなさそうです。その答えは、ゴラン高原の山々がかつて活火山であったことと関係していました。ブレハットメシュシンを訪れるまでその定義を知らなかったのですが、こうした岩の形状は「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と呼ばれており、火山の噴火時に流れ出したマグマが急激に冷却されるとできあがる形状だということです。確かによく見ると、上から下に垂れ下がるような形状をしています。ちなみに火山石が玄武石の場合、六角形の形状になりやすいということで、なるほど、ブレハット・メシュシン(ヘブライ語で「ブレハ」はプール、「メシュシン」六角形の意味)の名前の由来がそこにありました。柱状節理について更に調べてみると、なんと日本国内には18箇所もあり、 その多くが国の天然記念物に指定されています。海外では北アイルランド、スコットランド、アメリカ・アイオワ州にも柱状節理のスポットがあり、中でも北アイルランドの柱状節理は規模が壮大でユネスコ世界遺産にも登録されています。


イスラエル・ゴラン高原の麓にある柱状節理


その絶景を満喫したあとは、天然プールへ飛び込みます。暑いイスラエルの夏、直射日光の中をハイキングしてきたあとに入るプールのリフレッシュ感は本当に癖になります。


いかがでしたでしょうか。ゴラン高原の山々が火山であったこと、世界的に天然記念物や世界遺産に指定されるほどの、柱状節理と言う自然が作り出した「建築」をイスラエルでも手軽に見に行くことができることなど、意外続きの日帰り旅行となりました。イスラエルは日本の四国ほどの大きさの小さな国ですが、とてもユニークなスポットが凝縮されている面白い国だと改めて実感させられます。


テルアビブから二時間半のドライブの場所にあるので、手軽に行ける場所ではありませんが、ガリラヤ湖まで観光にくる機会があれば、立ち寄って絶対損はないスポットです。


<スポット情報>
イェフディア森林保護区ウェブサイト:http://bit.ly/2wRvaD1
オンラインパンフレット:http://bit.ly/2wRtnOx
開園時間: 夏 8:00−17:00   冬 8:00−16:00
料金:大人 22シェケル (600円ほど)



2017年9月27日

8月末、イスラエルはまだまだ夏の真っ盛り。先日、涼しさを求めてガリラヤ湖に泳ぎに行ってきました。ガリラヤ湖といえば、聖書の世界でイエスが湖面を歩いた舞台で、巡礼地として有名ですが、イスラエルの地元っ子にはウォータースポーツやキャンプを楽しむリフレッシュ・スポットとして親しまれています。今回は、知っているようで意外に知らないガリラヤ湖のうんちくのまとめと、夏のガリラヤ湖の楽しみ方について。

ガリラヤ湖.jpg


<ガリラヤ湖の名前の由来>

ガリラヤ湖のヘブライ語名は「キネレット」。語源はバイオリンを意味する単語「キヌー」で、その由来は湖がバイオリンのような形をしていることから(でも実は地図で確認するとあまりバイオリンの形をしているようには見えません、笑)。ちなみにWikipediaのガリラヤ湖のページでは「キヌー」はヘブライ語で「琴」を意味すると書かれていますが、これは間違いのようです。なお、日本語名にある「ガリラヤ」とは、湖が位置するエリア一体をさす、地方の名称です。ガリラヤ地方はイスラエルの国土の中でも北部に位置しており緑が多く、たくさんのハイキングスポットがあるほか、ツファットロシュ・ピナなど、魅力的な町が点在する一大観光エリアです。週末になると、テルアビブからガリラヤ地方を結ぶ道路はたくさんの車で渋滞します。


<イスラエルの水瓶>

乾燥地帯に位置するイスラエルには片手で数えるほどしか湖はありませんが、ガリラヤ湖はその中でもイスラエル最大の湖です。面積は166平方キロメートルで、霞ヶ浦とほぼ同じ。イスラエルの主要な水源であり、1/3程の水道水を供給していることから、「イスラエルの水瓶」とも呼ばれています。ただし近年ではガリラヤ湖の水位は減る一方で、湖の水位は現在国民の大きな関心事となっています。

イスラエルの水瓶、ガリラヤ湖.jpg


<ガリラヤ湖と死海の関係>

ガリラヤ湖の水源は、ヘルモン山やゴラン高原の雪解け水を源泉とするヨルダン川。ヨルダン川といえば、イエスが洗礼を受けた場所で聖なる川として知られているので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ヨルダン川はガリラヤ湖に注いだ後、湖の南部からもう一度ヨルダン川として流れ出し、そのまま死海へと続きます。イスラエルといえばガリラヤ湖も死海もどちらも有名なスポットですが、この2つの湖がつながっているというのは興味深いですね。ちなみに死海の海抜はマイナス419メートルで世界一海抜の低い場所として有名ですが、ガリラヤ湖の海抜はマイナス213メートルで、世界一海抜の低い湖となっています。


ガリラヤ湖ビーチ3.jpg


<ガリラヤ湖のビーチ>

さて前置きがやや長くなりましたが、ここからはガリラヤ湖の楽しみ方について。先週、涼しさを求めてガリラヤ湖のビーチへ、ピクニックに行ってきました。ガリラヤ湖にはたくさんのビーチがあり、検索するとずらりとたくさんの結果が出てきます。ビーチによって特徴がいろいろあり、入場が有料のもの・無料のもの、シャワー施設などの有無、、ウォータースポーツのサービス店の有無、など。そんな中、利用料無料、シャワー・トイレ施設あり、バーベキュー禁止、大音量の音楽をかけるためのスピーカー持ち込み禁止という「Hukok Beach(フコック ビーチ)」の情報を発見し、ここに即決定。ちなみに、バーベキューとスピーカー持ち込み禁止という条件については、イスラエル人はバーベキュー大好き(どこでもBBQセットを持ち込みます)、お祭り騒ぎ大好き(一家に一台はアウトドアのためのポータブルスピーカーあり)なので、静かに大人の週末時間を過ごしたい場合は必須の条件になります(笑)。


<緑豊かなリラックススポット!>

今までガリラヤ湖のビーチはあまり訪れたことはなかったので、期待値は高くも低くもなかったのですが、到着してみると、その環境の良さにびっくり!


ガリラヤ湖のほとりのピクニック.jpg


一体に芝生が広がり、たくさんのヤシの木が並んでいることから、ムードは満点。大きなパラソルもところどころに整備されています。敷地内ではキャンプもできるようで、家族連れがキャンプを楽しむ姿も。素晴らしい風景を背景に週末キャンプなんて、素敵ですね。そして、緑のエリアの向こうには、蒼い湖が広がっています!


ガリラヤ湖のほとりのキャンプ.jpg


早速ブランケットを広げ、ピクニックを開始。この日のメニューは、イスラエルのラガービール、Gold Star(ゴールドスター)と、おつまみにたくさんのフルーツとスナックです。

ガリラヤ湖でピクニック.jpg


正午に近づき、暑さもピークになってきたところで水の中に入ります。遠くからみると淡いブルーで綺麗に見えた湖ですが、水に近づいてみると、結構濁っています。浅瀬で人がたくさん泳いでいるので、湖底の砂が舞い上がるからでしょうか。 

 

ガリラヤ湖湖水浴を楽しむ人々.jpg

でも水の色などお構いなしに泳ぎます。外気が35度くらいあるので、やっぱり水遊びは楽しい! 湖を訪れていた家族づれも楽しそうに遊んでいました。テルアビブの地中海ビーチもいいですが、人が多すぎること、海水なので泳いだ後に体がべたつくことがたまにキズ。湖水浴は泳いだ後でも体がさらりとして清々しい気分が続くので癖になりそうです。この日は、水に入っては芝生でビールを飲みながらくつろぎ、また水に入る、、、を何度か繰り返しピクニック終了。ガリラヤ湖を満喫する1日となりました。


いかがでしたでしょうか。 ガリラヤ湖へのアクセスはテルアビブから車で2時間ほど。ガリラヤ湖から5キロほどの場所には、ローマ時代から使われている温泉地ハマト・ガデルもあるので、併せて観光するのもオススメです。




2017年8月29日

今年もプリムの季節がやってきました! プリムはユダヤのお祭りで、この日は老若男女仮装をして盛大にパーティーを楽しみます。今年は3月12日がプリムだったので、その前後に国中でたくさんのお祭りが開催されました。テルアビブのストリート・パーティーを中心に、今回はイスラエル人のプリムの楽しみ方についてご紹介。


<プリムの由来>

プリムには実は古い由来があり、旧約聖書にある「エステル記」にちなんだお祭と言われています。紀元前5世紀頃にユダヤ人がペルシアの支配を受けていた時代。ペルシア王がユダヤ人虐殺を企んだところ、ユダヤ人の王妃エステルがそれを阻止しました。ユダヤ人が危機を免れたこの故事を祝うようになったのがプリムの由来です。後に、何故かプリムは仮装と結び付けられ、総国民が仮装を楽しむ現代の形となました。ちょうど時期的にもイスラエルの春の到来と重なることもあり、プリム祭は年間を通して一番楽しくてハッピーなユダヤの祭日と言われています。


<国内各地で仮装パーティー>

現代のプリムのお祭りは仮装パーティーです。幼稚園や学校ではもちろんの事、職場でも仮装パーティーが開かれます。その他地方自治体による仮装パーティーやパレードが開かれ、国内はお祭りムードに包まれます。その中でもテルアビブのストリートパーティーは国内最大規模で、テルアビブ市内はもちろんのこと、地方からもたくさんの人がテルアビブに駆けつけます。


<テルアビブのプリム・ストリート・パーティー>

(下)ストリート・パーティーの開催場所、ハ・メディナ広場に向かう道は、たくさんの人と車で大渋滞です。

テルアビブのプリム祭_街の様子.jpg


(下)こちらはハ・メディナ広場近くのパーティー会場入り口。ここの辺りは完全歩行者天国になり、さらに人の量が増えていきます!パーティーではセキュリティ体制も厳重で、パーティーエリアに入るためには荷物チェックが入ります。


テルアビブのプーリム祭10.jpg

(下)こちらはブラピ風?に仮装したお父さんが、何やらカートでお子さん二人を引いて歩いていたところをパチリ。わざわざ立ち止まってポーズを取ってくれました。

テルアビブのプリム祭5.jpg

(下)プラスチック皿で作った羽があまりにも見事だったので、こっそり後ろから撮らせてもらいました。工夫心が素晴らしくてイスラエル人らしいです。

テルアビブのプリム祭_プラスチック皿の羽.jpg

(下)プリムでは、子供たちもいつもは着ないようなドレスでお出かけします。

テルアビブのプリム祭_小さな女の子t.jpg

(下)花嫁に女装したマッチョな男性。イスラエルの結婚式では、花嫁がウェディング姿で踊りまくるので、そんな様子まで体現していました。

テルアビブのプリム祭_女装花嫁.jpg

(下)今年は着ぐるみ系が多かった気がします。こちらは何やら踊りまくっていた恐竜の着ぐるみ。

テルアビブのプリム祭8.jpg

(下)ハ・メディナ広場の中心部はDJステージが設営され、屋外ディスコ状態に。みなさん昼間から飲んで踊って弾けています!

テルアビブのプリム祭7_パーティー.jpg

(下)こちらは映画「スリーハンドレット」のコスチュームをつけたグループ。なかなか本格的です。

テルアビブのプリム祭_スリーハンドレッドjpg

(下)家族一家で、宇宙人?に仮装。

テルアビブのプリム祭_家族一家で仮装.jpg

(下)仏教の僧侶に扮したグループ。不謹慎ですが宗教系コスチュームはイスラエルでは王道で、他にもキリスト教の神父や修道女のほか、超正統派ユダヤの衣装もよく見かけます。

テルアビブのプリム祭_僧侶.jpg


いかがでしたでしょうか。パーティー好きのイスラエル人は、楽しむときはとことん楽しみます。イスラエル流のパーティーライフを楽しみたい方は、プリムの時期にイスラエル旅行を計画することをお勧めします!


2017年3月21日
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  • 特派員プロフィール
  • テルアビブ特派員

    テルアビブ特派員
    田澤 潤子
    上智大学比較文化学部卒。日本貿易振興機構(ジェトロ)での勤務を得て、イスラエル人との結婚を機に2014年テルアビブへ移住。現在はイスラエルのIT企業で日本向けマーケティングと事業提携を担当、2国間のビジネスギャップに日々奮闘しています。ビジネスや観光の面で日本とイスラエルを繋ぐことに貢献したいと思っているので、お気軽にご連絡下さい。メールFacebookLinkedIn DISQUS ID @disqus_eYIDdB6AVf

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