【ベツレヘム/Bethlehem】イエス生誕の地"ベツレヘム"へ〜聖誕教会・聖カテリーナ教会〜

公開日 : 2021年11月30日
最終更新 :

シャローム!(こんにちは)

イスラエルのテルアビブに在住している、がんちゃんです。

いまなお、猛威を振るうCOVID−19が収束した後に、ぜひ訪れてほしいおすすめの観光Spotやイスラエルの最新情報をUpしていきたいと思います。

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先日、パレスチナ自治区にある街"ベツレヘム(Bethlehem)"に日帰りバスツアーで行ってきた際のことを、2回に分けてレポートします。

旧約聖書では"ダビデの街"。新約聖書では"キリスト生誕の地"として知られるベツレヘム。

その中でも歴史的な、聖誕教会と聖カテリーナ教会、ミルク・グロッド教会について、マリアの足跡を辿りながら記載したいと思います。

今回は、聖誕教会と聖カテリーナ教会について。

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聖誕教会(Nativity Church)

イエス・キリストが生誕した"聖誕教会"は、ベツレヘムのメイン広場、"メンジャー広場"の向かいにあります。

アラブ人の物売りが、鞄やアクセサリーを手に持ちながら、ツアー客の私たちの後を必死についてくる姿に、街の貧しさを感じます。

それでもベツレヘムは観光地なので、パレスチナの中ではまだ経済が潤っている方なんだとか。

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【なぜ、イエスは馬小屋で生誕したのか】

マリアは、ナザレで受胎告知を受けました。

しかし、月が満ちてきた頃に"皇帝アウグストゥス"から全国民に発令された「住民登録せよ。」という勅令に従って、ダビデの家に属していた夫のヨセフと共に、身重な体でベツレヘムへと3日間の旅に出ることになるのです。

到着してみると宿がどこもいっぱいだったため、仕方なく馬小屋に泊まることに。そこでイエスが産まれるのです。

イエスが生誕した馬小屋は、2000年前は洞窟のような仕様であったとされるため、木造の馬小屋を描いた絵画も誤りである、と言われているそう。

【イエスの生まれた洞窟の上に建てられた教会】

聖誕教会は紀元327年、ローマ皇帝コンスタンティヌス帝によって、イエスが誕生した洞窟の上に建てられた教会。

6世紀のユスティニアヌス帝の時に再建され、11世紀の十字軍の時代に現在のような高い壁に囲まれた外観になったんだとか。

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教会の内部は、ローマ・カトリック、ギリシア正教、アルメニア正教に区分され管理されています。

イエスの生誕日であるクリスマスも宗派によって異なり、聖誕教会では年に3回もクリスマスが祝わるんだとか。(カトリックとプロテスタントは12月25日、アルメニア正教は1月6日、ギリシア正教は1月7日。)興味深い話ですよね。

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十字軍の時代には要塞としての役割も果たしていたため、外敵が馬に乗ったまま入らないようにするに、入り口は大人が腰を屈めないと入れないほど小さい作りになっています。

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【聖誕教会の中へ】

"謙虚のドア"を屈んで入ると目の前に広がるのは、天井が高く厳かな会堂。

正面右側の祭壇は、ギリシア正教会が管理しています。

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現存する教会の中では、世界最古と言われる聖誕教会。床にはところどころ穴が空いていて、現代の会堂の床よりも一段低い所に、コンスタンティヌス帝時代の古いモザイクが保存されています。

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ギリシア正教の祭壇の脇から、階段を降りたところにあるのがイエス生誕の洞窟。

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【イエス生誕の場所】

イエスが生誕した場所は、優しい蝋燭の光に囲まれていました。中を覗き込むと、東方の博士を先導した星に因んだと言われる"14角の銀の星"がはめ込まれています。

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【聖カテリーナ教会】

会堂に隣接した通路を進むとあるのが、聖カテリーナ教会。ここは、12月24日のクリスマスイブのミサが世界中継される教会です。

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中庭には、ヘブライ語の聖書をラテン語に翻訳するために、聖カテリーナ教会の地下の洞窟に約30年間こもっていた"聖ヒエロニムス"の像があります。

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彼の訳した『ブルガタ版ラテン語聖書』は、カトリックの公認聖書になりました。彼の偉業により、キリスト教が世界中に広まったとされているのです。面白いのが、彼の翻訳間違いのためにミケランジェロ作のモーセ像には、角が2本生えてしまっているということ。ヒエロニムスがラテン語に翻訳する際に、ヘブライ語の"光り輝く"という文字を"角"と訳し間違えてしまったためと言われています。ヘブライ語って、母音記号のニクードがついていないと、全く違う意味になってしまう言葉があり本当にややこしい...。

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ヒエロニムスの像の足元にあるのは、翻訳に協力してくれたローマの婦人"パウラ"の頭蓋骨。パウラの死後も彼は彼女の骨をそばに置いて、翻訳作業を続けたのだそう。

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イエスが生誕した"聖誕教会"は空間が静粛さに包まれていましたが、"聖カテリーナ教会"は華やかで穏やかな雰囲気。

キリスト教徒ではない私も、心が洗われるような気持ちになりました。

イルミネーションで飾られる、クリスマスシーズンにも訪れてみたいです。

=参照=

・『地球の歩き方 イスラエル,2019-2020年版』(株式会社ダイヤモンド・ビッグ社)

・『聖書と歴史ガイド イスラエル,』(株式会社ミルトス)

By がんちゃん

筆者

イスラエル特派員

がんちゃん

2019年末から配偶者の帯同でテルアビブ生活を始めました。

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