ここが起点!文化の発信地「日本橋」―再生し続ける町を見守る歴史ある橋―

公開日 : 2021年03月03日
最終更新 :
筆者 : marie
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2011年に架橋100年を迎えた東京・中央区の「日本橋」。五街道の起点とされたこの橋の周りには、日本の文化を発信し続けてきた魅力あるスポットがひしめき合っています。老舗と新たな商業施設が共存する日本橋エリアは、建造物を眺めながら歩くだけでも楽しめるお散歩コースと言えるでしょう。そんな趣ある町の歴史を見守ってきた国の重要文化財「日本橋」のプロフィールに迫ります。

■ 五街道の起点「日本橋」

1603年に架けられたといわれる「日本橋」は、徳川家康の時代に五街道(東海道・中山道・広州道・奥州道・日光道)の起点に定められました。

「日本橋」には「日本国道路元標」が設置されています。この元標は道路上にあるため実際に確認することは難しいのですが、橋のたもとで複製を見ることができます。

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距離を表す際に「東京まで何キロ」「東京から何キロ」といった表現をよく耳にしますが、この時の「東京」がこのスポットということになるのですね。英語では「Zero Milestone in Japan」と表記されていました。まさに日本のゼロ地点!

■ 国の重要文化財

初期に作られた「日本橋」は木造の太鼓橋でした。江戸時代の浮世絵師、歌川広重の『東海道五拾三次之内 日本橋』に描かれている風景を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。その後変遷を経て、1911年に現在のアーチ型の石橋が架けられ現在に至ります。

1923年の関東大震災や1945年の東京大空襲にも耐えたこの橋は、国の重要文化財に指定されています

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橋の四隅の親柱には「日本橋」と書かれた銘板があります。これは、最後の将軍・徳川慶喜公によるものだそうです。

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■橋の象徴!翼のある麒麟と獅子の像

「日本橋」といえば、小説や映画、ドラマの舞台としてもしばしば登場するスポットでもあります。中でも、2012年に映画化された東野圭吾氏の『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』が印象に残っている方も多いかと思います。幅広い層に人気を博したこの作品では、橋の象徴的な存在である麒麟の像に物語の重要なスポットが当てられていました。

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この翼のある麒麟像は想像の産物によるもの。「日本橋」が道路の起点となっていることから"日本橋から飛び立つ"という意味を込めて翼がつけられたそうです。

そして橋の端にいるのが獅子の像です。これは手向山八幡宮(奈良県)の狛犬などを参考に作られたそうで、狛犬同様に「阿吽(あうん)」の形をとっています。

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「日本橋」にはいくつも見どころがありますが、前足をちょこんと東京都の紋章にのせているこの獅子たちもお見逃しなく!

■ 歴史的な建造物と老舗が集まる日本橋エリア

「日本橋」が走っている中央通りには、美しい建造物や老舗と言われる名店がずらりと並んでいます。

前述した「日本国道路元標」からもほど近い場所にあるのは、1673年に「越後屋」として創業した「日本橋三越本店」。本館は国の重要文化財でもあります。増改築を重ねて完成した建物は、いつまでも眺めていたくなるほどの美しさですね。

■日本橋三越本店

・住所: 東京都中央区日本橋室町1-4-1

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「日本橋三越本店」に対して江戸桜通りを挟んでそびえ立っているのは「三井本館」です。ドラマ『半沢直樹』のロケ地としても記憶に新しいところですね。大規模なオフィスビルとしては初めて重要文化財に指定された建物でもあります。

■三井本館

・住所: 東京都中央区日本橋室町2-1-1

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ほかにも、鰹節のだしでおなじみの「にんべん」や、こだわりのフルーツが集まる「千疋屋総本店」など、枚挙にいとまがないほど名だたる老舗が数多く集まっています。

■アクセスと観光案内所情報

「日本橋」の最寄駅を以下に紹介します。

・東京メトロ東西線「日本橋」駅

・東京メトロ半蔵門線「三越前」駅

・地下鉄浅草線「日本橋」駅

歩くことがお好きでしたら、東京駅や東京メトロ大手町駅からも徒歩圏内です。

ほかに、八重洲・京橋・日本橋地区を結ぶ無料巡回バス「メトロリンク日本橋」も運行しています。最新の運行状況は公式ウェブサイトで確認してください。

■メトロリンク日本橋

そして、橋のたもとには日本橋観光案内所があり、季節のイベントなどを知ることができます。

コロナ禍ということもあり、まずは案内所のウェブサイトで情報を確認してみるのもおすすめです。

■日本橋観光案内所

・住所:  〒103-0027 東京都中央区日本橋1-1-1地先

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私自身もよく通っている「日本橋」ですが、橋の親柱に書かれた「日本橋」の文字が徳川慶喜公によるものだと今まで知りませんでした。長引くコロナ禍で自由に海外に行き来しがたい昨今、これを機におなじみの町の歴史を今一度振り返ってみるのもおもしろいのではないでしょうか。

筆者

東京特派員

marie

海外生活を経て日本に帰国してから、住み慣れた東京を半分旅行者の目線で見るようになり町の新たな魅力を再発見しています。

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