ウイニペグは「カナダのど真ん中」!

公開日 : 2013年06月14日
最終更新 :
筆者 : MAKOTO
wini_Wide.jpg

2週間かけてバンクーバーからトロントに向ったVIA鉄道の旅。途中で立ち寄ったウイニペグという街について何回かに分けて書いてみたいと思います。(旅全体については、ここでまとめています)まずはウイニペグについての旅の基本情報から。

マニトバ州最大の都市にして州都のウイニペグは、何とカナダのちょうど真ん中。人口73万人で、だいたい島根県の人口と同じくらいです。州全体の人口は120万人ですから、半数以上が州都に住んでいることになります。

ウイニペグはカナダの西と東の中間に位置することから、古くから鉄道網の要所として栄えました。今でもVIA鉄道の列車はウイニペグ駅では4時間ほど停車し、車内清掃やスタッフの入れ替え、食堂車で使うための食材などの搬入が行われます。また市内には、CPRの貨物列車の大きな基地もあります。

トロントからは飛行機で約2時間。日本からだと、エアカナダを使った場合はバンクーバー(約4時間半)/カルガリー(約3時間)あるいはエドモントン経由(約3時間)になります。ちなみにVIA鉄道を使うとトロントからは約34時間と1泊2日の旅になります。

ホテルは、ダウンタウンにフェアモント、ヒルトン、デルタなどがあり、The Forksには最近流行のブティックホテル「Inn At The Forks」があります。

WINI_CITY.jpg

街へのアクセスですが、ウイニペグ空港からダウンタウンの中心部まではタクシーで約20分。VIA鉄道なら駅から「The Forks」という観光の中心部までは徒歩5分。市内には「Winnipeg Transit(http://winnipegtransit.com/en)」というバスが走っています。料金は2ドル50セント。チケット売りだと2ドル15セント(5枚あるいは10枚つづり)。乗り方は詳しい料金の入れ方の写真付きの説明がここにありますが、おつりは出ないのであらかじめ正確な料金をコインで持っておく必要があります。 何度も乗る場合はチケットあるいはパスが便利ですね。これらは「Transit Garry Street Service Centre」(地図)で買います。

また、ウイニペグ市が運営する「Winnipeg Spirit」という無料巡回バスは、観光にとても便利です。http://winnipegtransit.com/en/special/downtownspirit

WINI_MATOME1.jpg

さて今回私はバンクーバー発のVIA鉄道に乗り、ジャスパーからサスカトゥーンを経由してウイニペグに入りました。

ジャスパーから先、車窓から見える景色は一面の草原地帯ですが、マニトバ州に入ると線路沿いに蛇行する川が見え始めます。滞在中(5月末)は20度〜25度と過ごしやすい気温でしたが、調べてみると最も暑い夏の時期の平均気温は30度以上に上がり、一方で一年で最も寒い1月はマイナス30度以下になる日もある極端な大陸性気候なのだそうです。

夏の時期には小麦や大豆の穀物が生産され、林業や鉱業など資源関係に加えて観光が盛ん。ハドソン湾に面する最北端のチャーチル港は、ウイニペグから貨物列車で運ばれた穀物がヨーロッパやアジアへ輸出されるための拠点貿易港として重要な役割を果たしています。

ちなみにチャーチルへは週に2便VIA鉄道が走っていて、2泊3日かけて冬の時期はオーロラが車内から見える「オーロラ列車」、秋はホッキョクグマを鑑賞する人々を運んでいます。

マニトバ州が歴史に登場するのは17〜18世紀のこと。ヨーロッパの貿易商人が、カナダの先住民族がビーバーの毛皮で作った古着と鉄製の道具を交換することから交易が始まりました。

1668年にはイギリスのノンサッチ(Nonsuch)号と呼ばれる最初の貿易船がハドソン湾に入り、2年後にハドソン・ベイ・カンパニー(The Governor and Company of Adventurers of England trading into Hudson's Bay)が現在のマニトバ州を含む一帯を管理。ノンサッチ号のレプリカは市内のマニトバ博物館に展示されていて、当時をリアルにしのぶことができます。

wini_DOWN.jpg

観光で一番有名なのは、VIA鉄道ウイニペグ駅を降りて数分歩いた所にある、レッド川(Red River)とアシニボイ川(Assiniboine River)が合流する地点「ザ・フォークス(http://www.theforks.com)」。古くは6千年の昔、ここに先住民族が集まっていたことが発掘調査から発見されています。また18世紀には、ヨーロッパからカヌーでここに到着したヨーロッパの商人達が先住民族と毛皮の交易を行った場所として知られています。

Winni_2.jpg

現在では国の史跡に指定され、マーケットや多目的ステージ等いくつもの施設があってにぎわいをみせています。またここには来年2014年に「カナダ人権博物館」が完成予定です。

その他市内にはマニトバ州議事堂、美術館など文化的施設も多く、スポーツはNHLの「Winnipeg Jets(MTS Centre)」、MLBマイナーリーグAmerican Associationに属する「Winnipeg Goldeyes」がホームグラウンドです。ちなみにガンと闘った国民的英雄テリー・フォックスは、ウイニペグ出身。カナダ国内で知らない人はいない程の有名人です。

さらにウイニペグと言えば「バイソン」。市内から南へ20分ほどにある「Fort Whyte Alive」という施設では、保護飼育されているバイソンの群れをミニバスの車内から観察したり、施設内の散策路を歩いてウイニペグの歴史や自然を学ぶプログラムやアクティビティーが用意されています。

ちなみに日本との関わりもあり、ウイニペグは世田谷区 (日本・東京都)と姉妹都市を結び、2010年には「姉妹都市提携40周年」を記念して、世田谷区議会議員団がここを訪問しました。

来年2014年には「The 2014 FIFA U-20 Women's World Cup」、2015年は「2015 FIFA Women's World Cup」のホスト国であるカナダが選んだ6つの会場(モンクトン/モントリオール/オタワ/ウイニペグ/エドモントン/バンクーバー)の一つに選ばれています。組み合わせにもよりますが、もし日本女子サッカーチームの試合が組まれたら、ウイニペグは先に「世界フィギュア国際大会」が行われたロンドンのように、多くの日本人が訪れることになるかもしれませんね。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。