カタリ派の古城 ペイルペルテューズ城とケルビュス城
フランス南部、オクシタニー地方に存在するカトリック宗教の異端といわれたカタリ派宗教のお話はかなり特殊なお話です。
日本にいるかぎりよほどのフランス歴史専門家、宗教専門家またはカトリック宗教などに携わらないと
なかなか聞きなれない"カタリ派"のお話。トゥールーズに住んでいると約8世紀まえの話でありながら
きってもきれないカタリ派歴史にかかわる歴史資材がたくさんあり、カタリ派について学ぶ機会に恵まれます。
まず、地理的にトゥールーズから近い、ピレネー山脈に点在するカタリ派の古城。
リッチで華やかなルネサンス様式のロワール城とは対照的で、古城のほとんどは、"城跡"としかよべないような
城壁のみがピレネー山脈のなにもない山の頂上に、立ちはだかる姿。約1200年ごろ、カトリック主流派に断固として
自分たちの思想を表明し、迫害されて同志たちと立てこもったこの場所。
現代でも、"自然"しかないこの場所に、当時交通手段もままらない状況下、どのような状態でこんな場所で時間を過ごしたのか。宗教の因縁の深さを考えさせられる、フランスカトリック文化の中でも曰く付きの場所です。
自然好き、歴史好き、フランス好きには是非一度足を運んでいただきたい、歴史、フランス、自然、人間、すべてを同時に考えさせてくれる偉大なカタリ派の古城。
ペイルペルテューズ城(オック語で"アナの空いた石")とケルビュス城は車で30分ほどの場所なので、ここまで来たら是非二つの古城をセットで訪問できると理想かと思います。トゥールーズ空港から車で約3時間。ペイルペルテューズ城、ケルビュス城までは色々なルートがあります。その一つは、カタリ派の里といわれる、城塞都市カルカソンヌを通って行く行程。
カルカソンヌ城以降は、高速がなく狭い国道を通って行くことになりますが、壮大に続くラングドックワイナリーの風景、オード県の渓谷などは、現代であればハイヴィジョンでどこにいても美しい画像を見ることができますが、この場所の風景は五感で感じれば、この地域の深く美しい自然と歴史に感謝の気持ちでいっぱいになる体験となります。
*ペイルペルテューズ城の頂上から 真っ青な空の下、周囲、ラングドック、コルビエールワーナリー風景と、遠くに見えるピレネー山脈のシルエット。全ての景色が一体感をみせます。
*ケルビュース城の美しい城壁、窓。この窓から外の様子を見張っていたのでしょうか。
*ケルビュース城からはペイルペルテューズ城を見ることができ、逆に
ペイルペルテューズ城からはケルビュース城を望むことができます。
*2年前にオクシタニー地方として、ミディピレネー 地方とラングドック地方が統一されました。オード県は、カタリ派の古城が多く点在する自然豊かな場所です。フランス語ではPays Cathare カタリ派の里と呼ばれます。
日本からはまずパリ経由でトゥールーズ空港まで来ることになり、その後は車が必須の場所ですが、近い将来ユネスコに登録されるといわれるカタリ派の古城。遠くでも行く価値大のフランスの果て的場所!
筆者
フランス特派員
フランスパラディ
トゥールーズ在住18年。フランス政府公認添乗員ガイド。
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