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フランス/トゥルコアン特派員ブログ 冠ゆき

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2014年10月27日

No.24 東西を結ぶ遙かな味:ポーランドのピエロギ


No.24 東西を結ぶ遙かな味:ポーランドのピエロギ

 言葉に意味がカードでくっついているなら、「パスタ」の糸を引っ張ると、日本では「イタリア製の麺」と書いたカードしか出てこないはず。

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 けれども、イタリア語のpastaはもっといろんな場面で使われていて、よくよく観察すると、その最も基本的な意味は「粉を練ったもの」であると分かるでしょう。ですから、例えばチューブ入りの歯磨き粉のこともpastaという単語で指すことができるわけです。

 粉を練ったものがpasta(パスタ)。つまり、パン生地、パイ生地、麺の生地、すべてpastaで言い表せるわけですね。

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 フランス語だとpâte(パットゥ)がこれにあたります。日本でもよく使われるパティスリー(生地を使ったお菓子一般)という言葉は、このpâteから派生した単語です。
「なるほど、英語のpasteか」と、今頷かれた方も多いのではないでしょうか。


 面白いことに、スラヴ語派であるポーランド語でも、こういう意味のつながりが見られ、粉をこねた生地を指すciasto(チャスト)は、お菓子一般をも意味する単語です。


 この「粉を練ったもの」=パスタで具を包む料理は、ご存知の通り世界中に存在します。蒸すもの、茹でるもの、揚げるもの、焼くもの、と調理方法もさまざまです。


 一例を挙げるなら、「餃子」。
「餃子」と書いて、「ぎょうざ」と読むと、それは日本のもの。外はパリッと焼け、中に肉餡の入っているアレを、その熱さ、歯ざわり、匂い、味ととともに思い出すはず。

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「饺子」と書くと、「ジャオズ」と読んで、茹で立てのあっつあつ、つるつる過ぎてお箸で掴みにくいソレが頭に浮かびます。


 ご存知の方も多いかと思いますが、中国では、普通ジャオズというと、茹でたもの、日本で呼ぶところの水餃子を指します。
 主に中国の北半分では、春節に欠かせないおめでたい料理でもあります。なにしろ、春節には、機内食にさえジャオズが出てくるのですから。

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 ジャオズの具は、豚の挽肉に白菜を加えたものが一般的ですが、他にも、羊肉、ズッキーニ、卵、牛肉、ニラ、エビ類など、種類に富んでいます。

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 実は、ジャオズは、中国・西安の郷土料理としても有名です。西安がシルクロードの入り口にあることを思うと、なかなか壮大な味がしてきませんか。


 ついでに言えば、イタリア料理のラビオリは中国のジャオズが変化したものであるという話も有名ですね。


 どのようなルートを通ってきたのか、今となっては辿るすべもありませんが、実は、ポーランドにもジャオズそっくりな料理が存在します。

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 その名はピエロギ。皮は、中国のジャオズより若干分厚いようですが、茹でて調理するのは同じで、見た目もそっくり。


 具の種類は全く同じとはいきません。最も一般的なピエロギは、「ロシアのピエロギ」と呼ばれるもので、茹でたジャガイモに、白チーズや炒めた玉ねぎを混ぜたものが入っています。トッピングに油で揚げた玉ねぎを載せて食べるのが普通です。


 その他よく具として使われるのはキャベツやキノコ。挽肉入りもありますが、何が入っているかは、メニューに明記されているので、外食の際など、菜食主義者にも人気の料理です。


 「ピエロギ」という名前は、ロシア語だと「ピロシキ」になります。粉をこねたもので具を包んでいるのは同じですが、ピロシキは茹でずに揚げてあるところ、まるで日本の餃子と中国の饺子(ジャオズ)の関係のようですね。


 面白いことに、ピエロギには、塩味のものだけでなく、甘いものもあります。よく見るのは、苺やブルーベリーが入っているもの。上に、生クリームをかけて食べます。
皮が厚いので、かなりのボリューム。空腹時のおやつにはぴったりでしょう。


 西でも東でも愛されているこの "パスタ(練り粉)包みのお料理"。皆さんも、次にどこかで食されるときは、その料理が辿ってきた遙かな道を頭に描きながら、味わってみてくださいね。


(10月お題"麺")

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カテゴリー お題 レストラン・料理・食材
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    トゥルコアン特派員
    冠ゆき
    山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介中。
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