No.25 繊維の町ルーベのアウトレットでお買い物!

公開日 : 2014年10月30日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 業種や場所にもよりますが、フランスでは、基本的に、日曜は大抵のお店が閉まっています。

 週日買い物に行く時間のない人々が、みな買出しに繰り出すため、土曜はどこも人だらけ。こんな時「日曜も営業してくれれば、こんなに混むこともないのになぁ」と思わずにはいられません。

 しかし、普段は日曜祝日の営業が禁止されている業種も、一年のうち何度かは日曜祝日の営業を許されています。大抵は、セールなどの時期。クリスマスを控えた年末も大切な売り出しの時期です。12月ともなれば、日曜も開いているお店がどんどん増えて、「ああ、年末だ」と"ゆく年来る年"の気分になるわけです。

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ルーベ市内1905年の建築

 さて、フランスの北リールとトゥルコアンの間に位置するルーベは、ノール・パドカレー地方で第二の人口を誇る町です。No.14フランス人のお気に入り:ラピシーヌ工芸美術館へ行こう!でも触れましたが、ルーベは19世紀初頭の産業革命以降、経済的に大いなる飛躍を遂げ、繊維産業では、ヨーロッパ第一の都市に数えられました。

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 実際、1889年のパリ万国博覧会には、ルーベからは八社が出展。その後1911年には、ルーベで国際博覧会を開くまでに発展し、別名「フランスのマンチェスター」あるいは「1000本の煙突の町」とも呼ばれていたのです。

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 今でも健在なLes 3 Suisses(レ・トロワ・スイス)やLa Redoute(ラ・ルドゥート)などフランスの主だった衣料通信販売会社はルーベで設立されましたし、Camaïeu(カマイユ)の本社もルーベにあります。

 ルーベにはいろいろな側面がありますが、この繊維の町として名を成した点に触れずには、この町を語ることはできません。

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布織り機

 相次ぐ戦争とドイツ占領時代、世界恐慌、その後1931-32年の大規模なストなどを経て、今ではかつての経済的栄光は見る影もありません。それでも、現在も残る工場跡、繊維産業で成功した富裕層による建築物、豊富な資料、テキスタイル関係の専門学校など、その面影はそこここに辿ることができます。

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ENSAIT(繊維工芸高等国立学校)の校舎(1889年築)

 1984年に創設されたユジーヌ(USINE)は、そういう工場跡の一つを利用したアウトレットモールです。ユジーヌ(USINE)というのは、フランス語で工場のことを意味します。実際に繊維産業に携わってきた、いわば歴史的な場所に、80以上のブティックが並び、さまざまなブランドの婦人紳士服、子供服、靴、インテリア製品、スポーツ用品が市場より安い価格で販売されています。いわゆる訳あり品や、ワンシーズン前の商品が主ですが、魅力的なメーカー勢揃いとあって、人気は高く、いつも大変賑わっています。

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《住所》222, Av. Alfred Motte, Roubaix

《行き方》

・リール駅より地下鉄2番線CH DRON行きで、Epeule Montesquieu下車。そこからバスCIT5(Roubaix Fraternité行き)に乗り、Les Hauts Champs下車。

・リール駅より地下鉄2番線CH DRON行きで、Roubaix Eurotéléport下車。そこからバスL4(Villeneuve d'Ascq Hôtel de ville行き)に乗り、Les Hauts Champs下車。

このユジーヌの兄弟分が、同じくRoubaixにあるマッカーサーグレン・デザイナー・アウトレット(Mc Arthurglen)

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《住所》44 mail de Lannoy, Roubaix

《行き方》

・リール駅より地下鉄2番線CH DRON行きで、Roubaix Eurotéléport下車すぐ。

・リール駅よりRoubaix行きトラム、Roubaix Eurotéléport下車すぐ。

 こちらは、小さなアウトレット村という様相で、通りの両側に75以上の店が並んでいます。ユジーヌよりも少し高級なブランド品が多いようですが、やはり人気は高く、ベルギーから買い物に来ている人もよく見かけます。

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トラムRoubaix Eurotéléport駅

 ユジーヌもマッカーサーグレンも普段の営業時間は月曜から土曜の10時から19時。

ですが、冒頭に書いたように、これから年末にかけては、日曜祝日も開いている日が多くなります。

 具体的には、まず、今週末の11月1日と2日(フランスでは11月1日は祝日)。

また同じく祝日である11月11日も営業。12月も、14日と21日の日曜が営業予定になっています。

 これから年末にかけて、フランス北部で日曜日時間を持て余すことがあったら、是非アウトレットでお買い物を楽しんでみてください。セールも始まり、更にお得なお買い物ができるはず。

人混みを避けたい向きには、午前中がお薦めです。期待以上のお値打ち品が見つかるかもしれませんよ。

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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