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フランス/トゥルコアン特派員ブログ 冠ゆき

フランス・トゥルコアン特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2014年11月12日

No.32ローヌ川を見下ろす葡萄畑の町:タン(フランス)


No.32ローヌ川を見下ろす葡萄畑の町:タン(フランス)

 No.27 秋色満開!コート・デュ・ローヌ(フランス) でご紹介したトゥルノン。ローヌ川を挟んで、その向かいに位置するのがタン・レルミタージュ(Tain-l'Hermitage)の町です。

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 トゥルノン同様、川の流れる谷間から迫り上がるように立つ山の斜面は、葡萄畑で、芳醇なワインの原料が栽培されています。これらは、M.ChapoutierPaul Jaboulet など200年の歴史を持つ醸造家の所有です。


 伝説によると、13世紀、十字軍から戻ってきた騎士が、この地に隠遁生活の庵を結び、最初の葡萄を植えたとされています。タンの葡萄畑の斜面には、レルミタージュ・チャペルと呼ばれる小さなチャペルが建っていますが、そこが正にその場所であったと語り伝えられています。

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ローヌ川を見下ろすレルミタージュ・チャペル

 この伝説の真偽は定かではありませんが、川の向こうのトゥルノン城には、十字軍に向かう途中のルイ9世も滞在したといいますから、南へ向かうルート上に位置していたことは確かです。戦いの後、隠遁生活を送りたくなった騎士が、この辺りに腰を落ち着けたとしても不思議ではないような気がします。


 一時期廃墟となったチャペルは、1861年に復元され、1919年前述の醸造家Paul Jaboulet家が買い取ったあと、再び1980年に修復されました。現在は、誰でもハイキングに訪れることが出来る場所となっていて、チャペルからのローヌ川と、周辺地方の眺めは、非常に美しいものです。

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 タンも、川向かいのトゥルノンに負けず古い町で、中世には、城壁で守られており、その名残は今もなお、アドレ塔跡に残っています。

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アドレ塔


 その近くには、被昇天のマリア教会(Eglise Notre Dame de l'assomption)があります。16世紀の宗教戦争や、その後の革命により、すっかり傷んでしまったため、今見ることの出来る教会は、1842年に建て直されたものですが、もともとは、この場に10世紀から教会がありました。かなり大きなものだったようで、1350年には、後のフランス国王となるシャルル五世が、ジャンヌ・ド・ブルボンと結婚式を挙げたことでも知られています。

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被昇天のマリア教会


 タンの市庁舎は、どこかのホテルかと思うような様相で、緑に囲まれて建っています。

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タン市庁舎


 その裏に建つラルナージュ・チャペルも、曰くつきのものです。ド・ラルナージュという家には、代々、てんかんに効く薬が伝わっていました。それは、エルミタージュの丘で摘んだガリウムと呼ばれる草を使った煎じ薬でした。薬効あらたかで、毎年何百人の患者がまるで巡礼のように、タンへ脚を運んだそうです。その患者たちを迎える場所として作られたのがこのチャペルです。

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ラルナージュ・チャペル


 チャペルの周りに立つプラタナスの木は、19世紀に植えられたもので、一度も剪定されずに育ったといわれています。実際、このチャペルの周りのプラタナスは、自由に手足を開いて育ったように見えました。

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 タン市庁舎からローヌ川沿いの道はすぐそこ。川沿いには、釣りを楽しむ人もいて、この時期夕陽が当たる時間のそぞろ歩きは、気持ちのいいものです。


 タンTainへの行き方は次の通り。
  • ・パリ・リヨン駅からTGVでリヨン・パールディユー駅まで約2時間。→リヨン・パールディユー駅からタン駅までフランス国鉄で、約1時間(およそ片道80-110ユーロ)。
  • ・ヴァランス・ヴィル駅(パリからTGVで約3時間)からタン駅までフランス国鉄で10分。(片道4.1ユーロ)

 リヨンやヴァランスからは、簡単に日帰りできる距離ですので、どちらかに滞在予定の方は、寄り道を検討されてみてはいかがでしょうか。

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  • 特派員プロフィール
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    トゥルコアン特派員
    冠ゆき
    山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介中。
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