No.33カミーユ・クローデル生誕150年記念展:ルーベ・ラピシーヌ工芸美術館
類稀な才能を持つ彫刻家として名高いカミーユ・クローデル(1864-1943)の生誕150年を記念して、ルーベ・ラピシーヌ工芸美術館で、カミーユ・クローデル展が開かれています。
開催期間は今月8日から、2015年2月8日までの予定。
この展覧会では、150年を記念して、150の作品が展示されています。カミーユ・クローデルの作品がほとんどですが、同時代の芸術家の作品も含まれます。彼女の初期から時代を追って、ロダンとの出会いとその影響を受けた時期など、作品の変遷を見ることができます。
イザベル・アジャーニ主演による1987年の映画『カミーユ・クローデル』をご覧になった方は、その強烈な個性と、悲劇的な人生を覚えていらっしゃることでしょう。実際、ロダンとの出会いと別れは、カミーユに大きな影響を与えました。特に、ロダンとの別れは、精神錯乱をもたらすほど、彼女を追い詰めました。
ラピシーヌ工芸美術館は、カミーユの1896年の傑作「La Petite Châtelaine(小さな女主人)」を所蔵しており、今回も、この作品は、カミーユが「作品を通して光りを研究した」ことがよく分かるようにと、通路の真ん中に展示されています。
そのほかの作品は、オルセー美術館、ロダン美術館、ポワティエの聖十字美術館、また未来のカミーユ・クローデル美術館(ノジャン・シュル・セーヌに2015年内に創設される予定)の協賛によるものです。
ついでに言及すれば、カミーユの四つ年下の弟ポール・クローデルは文筆家でもありましたが、外交官としても活躍しました。日本へもフランス大使として、五年以上滞在しており、親日家であったことで知られています。ポールは精神的、経済的にカミーユを支えており、ポールをモデルにした作品もカミーユは何点か残しています。
これだけの作品が一堂に会することはなかなかありませんから、脚を運んでご覧になる価値も充分あるかと思います。
なお、ラピシーヌ工芸美術館については、拙稿No.14フランス人のお気に入り:ラピシーヌ工芸美術館へ行こう!をご参照ください。
《住所》23 rue de l'Espérance, 59100 Roubaix
《行き方》リール駅より地下鉄2番線でジャンルバ駅あるいはグランプラス駅で下車。徒歩七分。
《入館料》
10ユーロ/7ユーロ(18歳未満無料)
《開館時間》
火曜-木曜:11時―18時
金曜:11時―20時
土曜-日曜:13時―18時
【追記】詳しいレポートはNo.73
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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