No.42 最も身体を温めるポトフの正しい!? 食し方:フランス北部

公開日 : 2014年11月26日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 ポトフというと、もう日本でも大抵の方がご存知の料理となりました。要するにフランス風おでんとでも言いましょうか。基本的に、いろんな部位の牛肉を、冬野菜と一緒にことこと煮込んだものです。味付けは、塩コショウ以外、ブーケガルニと丁子。供するときに、お好みでグロセル(gros sel)と呼ばれる粗塩やマスタードを加えてもらいます。

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 骨付き肉は外せない材料の一つ。特にすね肉は大切で、その骨髄も食するのが本来の形です。イタリアのオッソブコの材料と言ったほうが、通りがいいでしょうか。

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左側が牛のすね肉

 冬野菜は、何でもいいですが、例えば、人参、蕪、ポロねぎ、玉ねぎ、キャベツ、セロリなど。煮るときには、玉ねぎに丁子を突き刺します。

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玉ねぎと丁子

 圧力鍋があれば、そのほうが早いでしょうが、普通のお鍋でも簡単にできます。出汁に重きをおくのであれば、最初からお肉を入れますが、お肉の味も重視するなら、沸騰してから加えましょう。

 ラルース料理事典によれば、食べる順番は、次の通り。

 1.まずブイヨン(スープ)。お好みで、クルトンや削ったチーズを振り掛けます。

 2.骨髄をトーストしたパンに乗せ、塩を振って。

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 3.肉と野菜。塩コショウ、またお好みでピクルスや酢漬け玉ねぎ、甘酸っぱいジャムなどを加えて。

 でも、本当はもっと自由で良いと思います。

 ということで、今日は、寒い寒い冬の日に、ポトフをご馳走になった家で教わった、ラルース料理事典にも載っていない、ポトフの正しい?食し方をお教えしましょう。

 まずは、煮込んだポトフの具、野菜お肉、お好きなものをお皿に取って、塩なりマスタードなりをつけて召し上がってください。ヴィネガーを垂らす人もいます。それも身体に良さそうですね。

 そうして、スープを最後に、大き目のおわんでいただくのですが、ここで或るものを加えます。

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 それは、なんと赤ワイン!

 お好みによるでしょうが、大体の目安は、おわんの四分の一から三分の一くらいが赤ワインでしょうか。

 色はこの通り少し赤黒くなります。

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 正直言って、最初は半信半疑で口をつけたのですが、これがまた、なんとも美味。

 もちろん、身体も文句なく温まります。

 ご馳走してくれた人の話によると、昔は、これを朝食(!?)に飲んで、野良作業に出かけたとか。

その辺りは、半分冗談だったような気もしますが、この意外な取り合わせ、一回飲むと病みつきになるほど、この季節にぴったりなお味。

 ワインは、もちろん安物でOK。ポトフと限らず、冬野菜とソーセージの煮込みスープなどにも応用できそうですね。冷え性の方、是非一度お試しあれ。

(11月お題"スープ")

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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