No.46ノエルの仕度期間、待降節に入りました

公開日 : 2014年11月30日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 今日11月30日から、西方キリストの待降節と呼ばれる期間が始まります。

 待降節というのは、毎年聖アンドレの日(11月30日)に最も近い日曜日から始まるクリスマスまでの約四週のことで、クリスマスへの心の準備期間のようなものです。古くは食事制限が行われていたこともあったようです。

 現在では、食事制限をする信者の話は聞きませんが、待降節に入ると、町のイリュミネーションも本格的に始まりますし、マルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)を開く自治体も増えてきます。

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 世界で最初のクリスマスマーケットは、1434年にドイツのドレスデンで開かれたものだと言われています。長い間、ドイツやオーストリアのチロル地方、フランスのアルザス地方(ドイツ領だった時期が長い)の風習として知られてきました。

 クリスマスを迎える準備のために、クリスマスツリー用の木も、店先に並び始めました。

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 私の通っていたカトリック系の学校では、廊下の隅などに、四本蝋燭を立てられるリースが置かれ、毎週その蝋燭を一本ずつ増やしていました。廊下のそこの部分だけが清く輝いて見え、子供心にも、気が引き締まったものです。

 また、多くの家庭で、フランス語でクレッシュと呼ぶ「イエズス誕生の場面を再現した聖家族の置物」を飾ります。待降節の間はイエズスの像以外を飾り、25日が来ると、イエズスの像を加えて、その誕生を祝うのです。

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 子供たちは、待降節カレンダーを楽しみにしています。これには、窓や引き出しがついていて、毎日一つずつ開けていくと、そこに美しい絵が見られるというのが最初の形でした。昨今では、どの窓を開けてもチョコレートが入っているものが主流になり、待降節のずっと前からスーパーで売られていたりします。

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 待降節中にも、様々な伝統的行事が引き継がれています。それらについてもおいおいご紹介していきたいと思います。

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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