No.63公現祭(1月6日)のお菓子galette des rois(ガレット・デ・ロワ)

公開日 : 2014年12月29日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 クリスマスも終わり、あとは新年を迎えるばかりとなりました。

 新約聖書マタイによる福音書によると、イエズス生誕の折、星に導かれて、東から賢者らが、ユダヤの王(イエズス)の誕生を祝いに来て、乳香、没薬、黄金を贈り物として捧げたと言います。

その後、東方の博士は三人で、フランスを含む西洋では、その名前は、メルキオール、バルタザール、ガスパールであったとされるようになりました。

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クレッシュにも東方の三博士が見られます(左端三人)

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右端三人が東方の三博士。贈り物を携えているのがよく分かりますね。

 この東方の三博士がイエズスの元に辿りついた日が公現祭=エピファニーで、1月6日とされています。

 エピファニーは、西方カトリックの国ではそれぞれに祝われる日です。例えば、スペインではクリスマスではなくエピファニーの日に東方の博士が子供たちにプレゼントを持ってくることになっていますし、イタリアではこの日、ベファナという魔女が、良い子にプレゼント、悪い子に炭を持ってくるといわれています。

 フランスではエピファニーにガレット・デ・ロワと呼ばれるお菓子を食べる風習があります。

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 ガレット・デ・ロワは直訳すると「王様のケーキ」。でもここでの「王様」は、「王」ではなく、東方の博士たちのことを指します。

 このお菓子は、アーモンドクリーム入りのパイで、中にフェーヴと呼ばれる小さな陶器の人形が一つ入っています。

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 伝統では、最年少者がテーブルの下にもぐり、切り分けたパイを誰に配るのかを決めることになっています。

 フェーヴ入りのパイが当たった人が王様(また王妃)となり、パイと一緒に配られる王冠を被り、王妃(または王)を指名することになっています。

 フランスの新年パーティは、カウントダウンの刹那的なもので、日本の年越しのような時間の流れをしみじみと感じさせるものがなく、常々残念に思っていました。

 ただ、このエピファニーの風習は、どの国に暮らしていても、毎年欠かさず行っていて、最近では、ガレット・デ・ロワを食べながらのシャンパンが新年のしるしに感じられるようになりました。

エピファニーは、1月6日ですが、フランスでは、一月第一日曜に祝うことになっています。

 2014年は王妃の座を逃してしまいましたが、さて、2015年はフェーヴが当たるでしょうか。

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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