No.77卵がたっぷり!フランスのキッシュはロレーヌ生まれ

公開日 : 2015年01月25日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 タルトというと、日本だと普通甘いものが思い浮かぶかもしれませんが、フランスには、甘いものも塩辛いものも存在します。普通甘いタルトには、パットサブレと呼ばれる砂糖多めの生地を用い、果物やクリームなどを流し込んで焼きます。

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 塩味用に使われるのは、パットブリゼという生地。これもタルト型の下に敷き詰めた上に野菜やら、肉やら、魚やらで作った「具」を流し込んでオーブンで焼きます。

塩味タルトの中で、最もポピュラーなものがquiche(キッシュ)です。

 正統派キッシュはLorraineロレーヌ地方の生まれ。ロレーヌはフランスの北東ドイツと国境を接しているあたりで、ドイツ文化の影響を色濃く受けています。「キッシュ」の語源もドイツ語のKuchenだとか。

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ロレーヌ風キッシュ

 ロレーヌ風キッシュは、よく溶いた卵と生クリームに胡椒、ナツメグを加え、スモークドベーコンと合わせたものが「具」となっています。

 今ではフランス全国で愛されている料理で、伝統では、アントレ用の料理。けれども、最近では、サラダ菜とキッシュで軽い食事にしてしまうことも増えてきました。

 キッシュには、ロレーヌ風だけでなく、チーズを加えたものや、ほうれん草入りのもの、ポロねぎ入りのもの、鮭入りのものなど、レパートリーも多くあります。

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鮭入りキッシュ

 ちなみに、キッシュに似た塩味タルトは、私の住むフランス北部やベルギーでは、Flamiche(フラミッシュ)と呼ばれます。キッシュよりは少し卵が少なめですが、同じように具にはいろいろなヴァリエーションがあります。

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三種のフラミッシュ

 キッシュは、カフェの軽い食事メニューにありますし、一部パン屋さんで売っています。また、Traiteur(トレター)と呼ばれるお惣菜屋さんでも買えます。

 簡単に手に入る材料で作れるので、自作してもいいですね。

《作り方》(6切れ分くらい)

・パット・ブリゼは、小麦粉200グラムにバター100グラムで塩少々と少量の水で余りこねないようにしてまとめます。先に細かく切ったバターと小麦粉を馴染ませておいて、そこに水を少しずつ加えるようにするのがいいでしょう。まとまったらそのまま冷蔵庫で1時間ほど寝かせてから伸ばして深めのパイ皿に敷きましょう。

・具はもっと簡単!卵4個を良くほぐし、生クリーム300mlを加えて、好みで胡椒少々、ナツメグ少々を掛けます。スモークドベーコン250グラムは一緒に混ぜてもいいですし、生地の上に並べておいてその上に良く混ざった卵と生クリームを掛けてもいいですね。

生クリームとスモークドベーコンの量は、自分の好みで増減してOK。

あとは200度に温めたオーブンで30分焼くだけです。

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いろんな具を試してみて、是非○○流キッシュを開発してください。

(1月お題"卵料理")

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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