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フランス/トゥルコアン特派員ブログ 冠ゆき

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2015年2月 7日

No.86二月の聖人ヴァランタン:その伝説と起源


No.86二月の聖人ヴァランタン:その伝説と起源

 No.85 で取り上げたヴァレンタイン・デー、2月14日は、聖ヴァランタンの祝日です。これを機会に、聖ヴァランタンについて、またなぜ聖ヴァランタンの日が「恋人たちの祝日」となったのかについて、調べてみました。


 聖ヴァランタンは、皇帝クラウディウス2世の統治する時代、3世紀の神父だったといわれています。伝説によると、クラウディウス2世は、士気を高めるため、兵士の結婚を禁止したと言われています。しかし、ヴァランタン神父は、この禁止令に従わず、結婚を望む兵士たちをこっそり結婚させていました。

86-1.jpg

 これが知れて、神父は投獄されます。牢獄で、死刑執行人の盲目の娘と知り合ったヴァランタン神父は、奇跡を起こし、その目を癒し、見えるようにしたと言います。また、刑執行後、ヴァランタン神父がこの娘に書いた愛情溢れる手紙が見つかったということになっています。

86-2.JPG

ローマ遺跡


 それから時が流れ、5世紀になってから、教会はヴァランタン神父を聖人と認定。同じ頃498年、ローマ教皇ゲラシウス1世は、聖ヴァランタンの日を「恋人たちの祭日」とすると定めました。


 実はこれには理由がありました。


 と言うのは、その当時はまだキリスト教も今のようには浸透しておらず、多くの異教の風習が残っており、教会の頭を悩ませることも多くありました。例えば、当時残っていた風習Lupercalia(ルペルカリア)もその一つです。これは、家畜と羊飼いの神であり、ローマ式結婚と女性の守護神であったLupercus(ルペルキュス)とJunon(ジュノン)を祭る行事で、その期間には、半裸の男性が町で女性を追いかける競争や、若者が祭りの間のパートナーとなる娘を選ぶくじ引きなどがされていました。


 現代の目から見ると、非道徳的なこの祭り。教会もそれを批判しており、聖ヴァランタンの日をルペルカリアと重ねることで、変化を期待したものと見られます。


 しかしながら、聖ヴァランタンの日が、本当に恋人たちの祝日と認識されるようになったのは、中世に入ってからのことのようです。それまでの間、ルペルカリアの名残で、2月14日の若者のくじ引きはその後も続けられていました。また、四旬節最初の日曜に行われる行列で若い娘たちが選ぶ騎士を指して「ヴァランタン」と呼ぶようにもなったという記録もあります。

86-3.JPG

 現存する最も古い「ヴァレンタイン・カード」は、大英博物館に残る1415年のものです。オルレアン公シャルルの書いた詩で、当時Agincourt(アジャンクール)の戦いに破れロンドン塔に幽閉されていた彼が、妻に宛てたものです。


 ヴァレンタイン・デーに逢えない恋人には、カードに詩を書いて送るというのが、最も本来の聖ヴァランタンの逸話にふさわしいかもしれませんね。

(冠ゆき)

(2月お題"バレンタイン")

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    トゥルコアン特派員
    冠ゆき
    山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介中。
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