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フランス/トゥルコアン特派員ブログ 冠ゆき

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2015年3月 5日

No.106フランス北部の歴史を整頓すれば、ベルギーとオランダに触れぬわけにはいきません。


No.106フランス北部の歴史を整頓すれば、ベルギーとオランダに触れぬわけにはいきません。

 早いもので、今年もすでに6分の1が過ぎました。


 ここに記事を書き始めてもうすぐ7ヶ月が経とうとしています。それにもかかわらず、当初書きたいと思っていたことのほんの一部しかまだ書けていないことに、少々愕然としています。


 毎日あれやこれやとニュースや、イベントがあって、どうしてもそちらを優先してしまうせいでしょう。


 そこで、ちょっと今日は、一気に、私の住むフランスの北端の歴史をおさらいして、その特徴を書いておきたいと思います。


 まず、何度か触れましたが、このあたりは、中世から18世紀終わりまでは、今のベルギーにあたる土地と同じ歴史を背負っています。


 このあたりの土地は、中世以降、9世紀から14世紀終わりまで続いたフランドル伯領をはじめとするいくつかの伯爵領に分かれていました。当時、いくつかの町は自由都市の特権を得ました。その象徴が、今も残る「鐘楼(beffroi)」です。(No.21 ,No.101 参照)

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ドゥエの鐘楼


 13世紀はじめには、No.53 にも書いたブーヴィーヌの戦いがあり、フランス王フィリップが勝利。これによりフランスは、フランドル伯への大きな影響力を得ます。

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ブーヴィーヌの戦い


 1384年フランドル伯ルイ2世が亡くなったことで、娘の夫、ブルゴーニュ公フィリップ豪胆公がこの土地を受け継ぐことに。フィリップ豪胆公は、領土を更に拡張し「ブルゴーニュ領ネーデルランド」と呼ばれるフランス北部から今のオランダまで覆う広い範囲を統治しました。この状態は約一世紀続きます。


 この時代は安定した時代で、ブリュッセルのタピスリーや、毛織物産業が繁栄を迎えた時期でもあります。この時期リールは重要な位置を占めるようになります。


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ブルゴーニュ公フィリップ善良公時代に建てられたリウール宮殿


 16世紀にはかの有名なカルロス1世(カール5世)が、それぞれ父や祖父の死により、ブルゴーニュ公、スペイン王、神聖ローマ帝国皇帝などの称号を一身に背負うことになります。


 これから18世紀初めまで、「スペイン領ネーデルランド」が続くのです。


 その間、16世紀終わりには、プロテスタントであった「スペイン領ネーデルランド」の北部が、スペインに対して起こした「24年戦争」がありました。1581年、この北部は独立。それが、だいたい今のオランダにあたります。


 カトリック教徒であった南部はそのまま「スペイン領ネーデルランド」として残りました。


 このスペインおよびハプスブルグ家統治時代に、赤レンガが再び使われだし、今リールに残る旧証券取引所のような美しい建築やファサードが作られました。

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リール旧証券取引所(右手)とグランプラス


 私見ですが、今も残る、フランス北部やベルギーの町によく見られる「グランプラス」(No.56 )などは、この頃のスペイン文化の影響なのではないかと思います。


 今のフランス北部をフランスに組み込むことに成功したのはルイ14世。17世紀後半のことで、ほぼ今の国境あたりまで統治下に置きました。

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ルイ14世の勝利を記念して建てられたパリ門。右端に見えるのがリールの鐘楼。


 フランス革命後、18世紀終わりには、今の県制度が誕生。ノール県、パドカレー県もその時生まれました。


 この地域は、石炭も豊富に採掘できる土地で、17世紀ごろから炭鉱業が非常に栄えました。その後、19世紀の産業革命の恩恵をいち早く受けたのもこの地域で、紡績、繊維工業で大いに栄えましたが、労働条件は劣悪でした。エミール・ゾラが著した『ジェルミナール』に、炭鉱労働者の生活が詳しく描かれています。
(繊維産業についてはNo.14 , No.25 参照)


 その後、20世紀の二度の大戦で、ドイツの占領を受けたことは、ここでも何度か書きました。(No.6No.9No.20No.22 No.29 No.30 No.38 No.39No.56No.61No.104


 こういう歴史を踏まえて、私が書きたいと思っていたフランス北部の特徴は、いろいろあるのですが、
・鐘楼(beffroi)
・カリヨン
・グラン・プラス
・風車
・巨人のお祭り
・炭鉱
・ビール(No.2 ,No.3 ,No.4 参照)
・城塞(No.11 参照)
などなど。ベルギーやオランダにも通じる特徴がいくつかありますね。


 まだどれも余り書けていないこれらの話、このスピードでは、いつ終わるか分かりませんが、ぼちぼち書いていこうと思いますので、よろしくお願いいたします。


(冠ゆき)

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カテゴリー 文化・芸術・美術
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    トゥルコアン特派員
    冠ゆき
    山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介中。
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