No.124フランス人の国内旅行先:海派、山派、カルチャー派

公開日 : 2015年03月30日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 フランスの北の端に住んでいると、一番行きやすい週末旅行先は、すぐそこのベルギーとなります。

 今月のお題は、「国内旅行」ということなので、これではアウト。

 それで、以前住んでいたパリからだとどうか考えてみました。

 私の漠然とした印象ですが、「山か海か」と問われれば、イタリア人ほどではありませんが、フランス人にも海派の方が多いように思われます。

 そうして、「北」か「南」かと問われれば、これは文句なしに「南」が大好き。

 ...ということで、一番人気の旅行先となると、コートダジュールなど、地中海に面した場所になるでしょう。コルシカ島も根強く人気のある旅行先です。ただし、パリから行くとなると、直線距離でも地中海まで750キロメートル。日本でいえば、東京から広島近くまで行ける距離です。行くにしても、長めの休暇でなくては、無理な場所です。

 地中海より近くて、海が楽しめる場所として人気なのは、パリから西へ行ったブルターニュとノルマンディー。

 ブルターニュは、岩が多く、荒々しい海という印象ですが、その風景の美しさには定評があります。

 ノルマンディーは、ブルターニュより北で、更にパリからは近く、優雅な競馬で有名なDeauville(ドーヴィル)などは、200キロメートル未満の距離。週末旅行も可能な場所とあり、春から秋にかけては、週末になると人口が増えることで知られています。シーズン中はコンサートなど文化的催しも多く開かれます。

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ドーヴィルの海辺

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競馬場

 海派に比べると少数派とはいえ、山派のフランス人もいます。

 一番人気はやはりアルプスとその周辺。スイス、イタリアと国境を接するあたりは、山はもちろん、湖、渓谷の風景など、見どころもいっぱい。

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息を呑むほど美しい山々

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山頂に眠る湖

 アルプスの次に人気なのは、スペインとの国境近く、ピレネーの山々。

 アルザスのヴォージュ山脈や、中央のマッシフ・サントラルは、どちらかというとマイナーです。

 あと、忘れてならないのが、カルチャー派。町や、美術館めぐりが好きなタイプ。

 フランス人は、もちろん個人差はありますが、平均的に、文化に対する興味が高い人々だと言えます。実際、何度も、世界の果てのような場所で、フランス人とすれ違ったものです。

 彼らに人気の場所は、城や修道院、教会、博物館、遺跡、城塞、美術館など。つまり、フランス全国どこでも旅行先になり得るわけですね。

 お目当ての展覧会があれば、それを目的に週末旅行したりするわけです。そういう意味では、パリに旅行する地方のフランス人も少なくありません。何しろパリは美術館の宝庫ですから。

 海派、山派、カルチャー派。皆さんが好きなのはどのスタイルの旅行でしょうか?

(冠ゆき)

(3月お題"国内旅行先")

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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