No.172ジェアン(巨人)が60体集まるSteenvoorde(シュテンヴォルド)のデュカス
この地方の伝統的な祭りは、しばしばducasse(デュカス)と呼ばれます。例えば、No.165で紹介したベルギー・モンスのドゥドゥ祭りも、デュカスです。
この単語自体は12世紀の古フランス語にも既に登場しているものですが、私の知る限り、フランス北部とベルギー以外では、使われているのを聞いたことがなく、現代ではこの地方独特のものと考えて良さそうです。
今週末(6/6-7)も、フランドル地方のシュテンヴォルドでは、巨人(ジェアン)のデュカスが予定されています。(シュテンヴォルドについては、No.143もご覧ください)。
La Belle Hélène(ラ・ベル・エレヌ)と呼ばれる巨人の35回目の誕生日を祝い、いつもより大掛かりな祭りになる予定です。
ラ・ベル・エレヌ
主なプログラムは次の通り。
6/6(土)夜、ベル・エレヌの誕生パーティから始まったあと、6/7(日)が本格的な祭りとなります。
6/7(日)10時半から、町の中心であるグランプラスで、音楽や新たに作られた巨人の祝福などが行われ、
15時半から、rue de Poperinge(ポプランジュ通り)から行列が行進することになっています。集まるのは、近隣(フランスとベルギー)の町の巨人たち60体以上。
17時ごろには、皆グランプラスに集まり、盛大ににぎやかなお祝いとなることが予想されます。
フランス国内各地方に、こういう伝統が生きているのは、アソシアシオン(Association)と呼ばれる、収益を目的としない団体のおかげといえるでしょう。例えば、シュテンヴォルドでは、ジェアンにまつわる協会(アソシアシオン)が存在しており、これらの行事を市の協力を得て開催しています。
話が飛びますが、実は、今回の祭り情報を彼らのサイトで読んでいて、偶然、シュテンヴォルドでも、19世紀にミ・カレムのカーニヴァルを行っていたという記述を見つけました。ミ・カレムについては、No.110にも書きましたが、ミ・カレムのカーニヴァルは、多くの地域で既に廃れてしまった伝統で、あまり詳しいことが良くわかりません。
とかく、中央から離れた場所のほうが、古いものが残りやすいと言いますが、この記録もその一つかもしれませんね。
シュテンヴォルド
なお、シュテンヴォルドへの行き方は、No.143をご参照ください。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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