No.191フランドルの村エスケルベックとあのPPDAの関係は?
フランスでは、夜8時は大抵ニュース番組の時間。ニュース番組の進行役には、ニュースを読み上げるだけでなく、番組中、政治家にインタヴューしたり、専門家たちの討論に鋭く切り込んだりというスキルが求められます。
2008年まで、30年近く、アンテンヌ2やTF1局のニュース番組を進行してきたのは、Patrick Poivre d'Arvor(パトリック・ポワーヴル・ダルヴォール)。通称PPDA(ペペデア)。
議論に熱中して興奮していく参加者を上手にあしらって、うまく話に流れを作ったり、のらりくらりと話をかわす政治家に、核心を突く質問を放ったり、常に冷静沈着なそのアドリブには、これがジャーナリストというものか、と感心させられることも多くありました。
そのPPDA(ペペデア)ですが、ジャーナリスト、司会者としての活動のほか、作家活動も行っており、すでに60冊もの本を出版しています。
さて、なぜこんなところでPPDA(ペペデア)の話が出てくるかというと、フランス北の果てのイヴェントで、彼の名を目にしたからです。場所は、フランス・フランドル地方の小さな村エスケルベック(Esquelbecq)。
PPDAが顧問となり、今週土曜7月4日、第9回『La nuit des livres(本の夜)』が催されるのです。
エスケルベック(Esquelbecq)。初めて耳にされる方も多いことでしょう。人口2000人あまりの小さな村ですが、その教会はかなり立派なものです。ファサードは二色のレンガを使った独特のスタイルで、目を奪われます。
エスケルベック教会ファサード
また、一般には公開されていませんが、お城もあります。
エスケルベックの城
エスケルベックの城、上空から見た写真
現在のものは、17-18世紀の工事によるもののようですが、お城自体は9世紀から、この場にあったようです。
『La nuit des livres(本の夜)』に話を戻すと、7月4日は、本に関する展覧会や、路上ジャズコンサート、また作家も何人も駆けつける予定。時間は14時から夜中の0時まで。ようやく暗くなる23時半に、花火で締め括られることになっています。
エスケルベックにはSNCF(フランス国鉄)の駅があります。リール(Lille)とダンケルク(Dunkerque)を結ぶ線の間、ダンケルク寄りに位置します。リールから51分、13.2ユーロの距離。ダンケルクからはわずか14分、4ユーロの距離です。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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