No.215ルーマニア:基本の観光名所
移動時の話ばかりが長くなりました。このへんで、ルーマニアの観光地の概略を書いておきましょう。
ルーマニアの観光といえば、首都ブカレストの国民の館と旧市街。
故チャウシェスク大統領が造らせた絢爛豪華な国民の館
夏の夜は人がひしめくほど集まるという旧市街
また、国全体に多く見かけられるのが城、城砦、修道院、教会。
その中でも、世界的に知られているのが、1993年に世界遺産の認定を受けた北東ブコヴィナ地方の修道院と教会。こちらは、外壁のフレスコ画が特徴として知られています。
また、北西のマラムレシュ地方へ行けば、1999年にこれまた世界遺産に登録された木造の教会群。
マラムレシュ木造教会
マラムレシュ地方とブコヴィーナ地方は、カルパティア山脈が隔てています。今でも交通の便がいいとは言えないこの山越え。昔は越えられなかった民族がほとんどだったのではないでしょうか。そのせいか、この二地方は、近いようで、遠い文化を担っているように見受けられ、人の気質もまた異なるように思えます。
首都ブカレストは、ルーマニアの南の方に位置しますが、そのブカレストと、北部との間、ルーマニアの真ん中あたりにあるのがトランシルヴァニア地方。
ルーマニアと聞いて、頭に浮かぶのはトランシルヴァニア地方という人も多いことでしょう。ドラキュラのモデルと相まって知られるこの地方にも1993年に世界遺産指定を受けた要塞教会群が点在します。
しっかり分厚い壁に囲まれた要塞教会
小説『ドラキュラ』(1897年刊行)のモデルになったとされるのは、15世紀のワラキア公(ワラキア公国は、今のルーマニア南部にあった国)ヴラド3世(ヴラド・ツェペシュVlad Țepeș)。
ドラキュラゆかりの観光地は、あちらこちらに見られます。
ヴラドが生まれたとされる町はシギショアラ。
ヴラドが生まれたというシギショアラの家(右手)
なぜか、ヴラドとよく結びつけられる城Bran(ブラン)。
意外に中は可愛らしいブラン城
ヴラドの墓があるとされているSnagov(スナゴヴ)修道院などは、すべてトランシルヴァニア地方にあります。
スナゴヴ修道院
そのほか、ドナウデルタや、ワラキア地方のホレズ修道院、ダキア人による要塞跡なども世界遺産の指定を受けています。
これらの観光名所は、それぞれどのガイドブックにも載っていると思われますので、詳しく書く必要はないでしょうが、いずれも見ごたえのある場所です。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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