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フランス/トゥルコアン特派員ブログ 冠ゆき

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2015年8月21日

No.218ルーマニア:今しか見られない姿


No.218ルーマニア:今しか見られない姿

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No.215 の観光名所を見ても分かるように、ルーマニアの文化や建築物は、実に多様です。地方により文化が異なるように思えるということは、No.210 にも書きましたが、その後ルーマニアを廻っていて、その印象は、確信に変わりました。

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ルーマニア語、マジャール語、ドイツ語と三か国語表記の町の名

不覚にも、ルーマニアに来るまで、意識していませんでしたが、この地は、歴史の中で、ヨーロッパの入り口として、東西南北から様々な民族が押し寄せてきた場所にあたります。従って、その時代ごとに文化の境となる国境線もさまざまに変化してきた地域なわけです。

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9世紀~13世紀トランシルヴァニアを巡る民族の動き


常々、ヨーロッパは国境周辺が面白いと感じることが多いのですが、今回の旅もまた、ある意味、それを裏付けるものとなりました。


この地に住んだ民族は、紀元前のダキア人から始まり、ローマ人、ハンガリーのマジャール人、トルコ人、スラヴ人。またトランシルヴァニアには、ハンガリーが推進してフラマン人(現ベルギーやルクセンブルグにいた人々)らを移住させ、彼らはサクソン人と呼ばれました。またロマも多く移住してきています。

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ハンガリー人の多い村の教会の中は、すべてがマジャール語


サクソン人はドイツ人学校でドイツ語を学び、マジャール人たちは、ハンガリー学校でマジャール語を学ぶというように、長く交わらない生活をしていたようですが、他民族の存在に慣れた人々は、今でも、基本的に他民族に対して寛大なように見えます。


実は、これも驚いたことのひとつですが、ルーマニアは、珍しく中華系移民を見ない国で、中華レストランも、一二の例外を除き、今のところまったく見かけていません。


それにもかかわらず、アジア人観光客(私のこと)がいきなり道を尋ねても、誰一人(中学生くらいの子供でさえ!)ひるむことなく、答えてくれるのには感心します。


実際のところは、それなりに偏見や先入観があるのかもしれませんが、観光客にとっては、有難い点の一つといえるでしょう。


見方を変えれば、この国民性は、ルーマニアにとっては、観光産業を盛り立てる助けともなるはずです。


その他、ルーマニアの観光国としての利点を挙げるなら、


  • ・夏は海、山、冬はスキー、春と秋は温暖な気候といった具合に、四季を通して楽しめる。
  • ・上と重なりますが、山好きにも、海好きにも楽しめる。
  • ・立地的にも、文化的にも、言語的にも、スラヴ民族にとってもラテン民族にとっても訪れやすい国である(No.210 参照)。
  • ・物価が安い。
  • ・遺跡、モニュメントなど、文化遺産が充実している

といった点が挙げられるでしょう。

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ゲレンデも多くあります


反面、課題も多く残っています。


  • ・高速道路、高速列車などインフラストラクチャーの建設
  • ・レストラン、駐車場、公衆トイレなどの施設も、観光客が増えると対応しきれないと思われる。
  • ・設備のランクが一定していない(一応ルーマニア独自のホテルランク(星の数)がありますが、見たところ、必ずしも頷ける星の数でないところもありました)
  • ・土地によっては、まだ共産主義体制が抜け切れておらず、サービス業の精神が全くない(これは、世代にも拠るでしょうが)


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工事中の道。こんなところ走らせて良いんでしょうか?と言いたくなりますが、脇道がないので仕方がありません。


今は、ルーマニアの旅行者の大半はルーマニア人。外国人旅行者はむしろ少数です。けれども、多様な魅力にあふれ、多くのポテンシャリティを持つこの国のこと、きっと、今から10年もすれば、すっかり様変わりすることでしょう。


実際、外国人の少ない今しか見られないであろう情景も多く、あちこちで工事中の道路や線路を見るたび、10年後はどうなっているだろうかと、想像せずにはいられませんでした。


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日曜日のミサに集う人々


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ミサの様子


めまぐるしく変化している真っ最中のルーマニア。興味をもたれた方はぜひ「今のルーマニア」をご覧にいらしてください。


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夕方、帰路につく牛と人

(冠ゆき)

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カテゴリー 文化・芸術・美術 旅行・ツアー・ホテル 自然・風景
2015年8月21日
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    トゥルコアン特派員
    冠ゆき
    山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介中。
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