No.220僕の夏休み、フランスの場合
フランスの学校の夏休みはおおよそ2か月。世界的に見れば、特に長いわけではありませんが、日本と比べると長い夏休みです。
共働きが基本のこの国で、この長い夏休みを、子供たちはどう過ごすのか。謎に思う方も多いのではないでしょうか。
夏休みの過ごし方は、人それぞれ。それでもいくつかパターンがあるので挙げてみましょう。
1.まず、夏休みを8週間として、そのうち2-3週間は家族でヴァカンス。旅行に行く場合もあれば、海辺や山のアパートを借りて、のんびり過ごす場合もあり。お父さんとお母さんの夏休みが一週ずつずれていれば、コアな2週間だけ家族で過ごし、前後の二週は、片親と過ごすというパターンもあり得ます。これで3-4週クリア。
夏の海辺
2.祖父母が健在で、しかも田舎住みだったり、田舎に別荘を持っている場合。子供たちだけ1-2週間送り込むというのも、よくあるパターン。これで、1-2週クリア。
夏の山
3.離婚組の場合はもう少し複雑。離婚の際の取り決めにもよりますが、だいたい休みを半々で受け持つことが多いようです。一人の受け持ちが4週と考えると、2-3週は一緒にヴァカンス。あとの1-2週は、合宿に行かせたり、やっぱりおじいちゃんおばあちゃんの協力を得たりということが多いようです。
4.上に合宿と書いたのは、日本のような学校のクラブ合宿ではありません。基本的に、学校関係のアクティヴィティは、休みの間はすべてお休みです。休みの間に子供たちにアクティヴィティつき合宿を提供する組織が、フランスにはいくつかあるのです。もちろん、有料です。スポーツ関係のものもあれば、言語学習の合宿、料理合宿もあったり、場所もフランス国内さまざまなところで催されていて、たいてい週単位です。
山コース
魔法使いコース
5.また、合宿までいかなくても、通えるアクティヴィティを提供しているところもあります。市町村が行っているものから私立の組織が行っているものまでさまざまですが、人気が高いのは、美術館や博物館が催すアトリエ。どこの美術館も、学校が休みの期間は子供向けアトリエを企画していて、いうなれば、日本の美術の授業をまとめて受けることができるような感じです。
美術館のアトリエの様子
博物館は博物館で、それぞれの内容にあったアトリエを準備しています。
考古学博物館によるアトリエのパンフレット
この4と5のアトリエや合宿で、残りの2-3週をクリアして、なんとか(親が)夏休みを過ごすというのが、一般的です。
長かった夏休みもあと数日。
一回り大きくなった子供たちの元気な顔がもうすぐ各学校に集まることでしょう。
(8月お題"ぼくの夏休み")
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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