No.230フランス北部とベルギーのブリオッシュ:クラミック
世界的に有名なフランスのパン。バゲット(No.126参照)以外にも、丸い形の白パンやら、田舎パン、バゲットより太いパンやフィセルと呼ばれる細いパンなど、いろいろあります。日本の「菓子パン」に匹敵するパティスリーになると、パン・オ・ショコラ(チョコレートパン)、パン・オ・レザン(レーズンパン)、クロワッサンなどが有名ですね。
パンとパティスリーの間くらいかなぁ、と思うのが、ブリオッシュ系統。地方や、作る時期によって、形や呼び名が変わるのも特徴です。
フランス北部で、一年中作られるブリオッシュ生地のパンは、クラミック(Cramique)と呼ばれます。干しブドウや、真珠のような砂糖のかたまりが入っていて、主に朝食やおやつ向き。
砂糖入りクラミック
ところで、フランス語に固有な言葉には、「k」で始まるものがありません。Kで始まるファミリーネームは、たいていブルターニュ人だったりします(ブルターニュはもともとケルト民族の地なので、独特の語彙が残っている)。
クラミックも、今は「c」で書きますが、その言葉の響きは、フランス語っぽくありません。
調べてみるど、どうやら、16世紀にフラマン語の「Krentenmik」(干しぶどう+小さいかけら)がフランス語に入ってきたのが始まりのようです。
面白いことに、その後19-20世紀になって、フランス語の「クラミック」がフラマン語に逆輸入されて、今ではベルギーでも「kramiek」と呼んでいるようです。
ノールやベルギーにいらしたら、ぜひクラミックをご試食ください。
(9月お題"パン")
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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