No.286あれから一年:フランスの追悼週間

公開日 : 2016年01月06日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

明日1月6日はエピファニー。イタリアではベファナがやってくる日。フランスではガレット・デ・ロワを食べる日です。第1日曜に祝う人も多いので、もうすでに食べた方も多いでしょう。

去年、このエピファニーの翌日、1月7日に、シャルリー・エブド新聞社がテロリストの襲撃を受けました。犠牲者数11人。現場からそれほど遠くない場で、警官も一人命を落としました。

翌日1月8日には、パリ南部のモンルージュで、市警が一人殺害されました。

1月9日にはパリ、ポルト・ド・ヴァンセンヌのユダヤ食品店に人質を取って立てこもり、4人が犠牲になりました。

シャルリー・エブド社を銃撃した容疑者兄弟は、1月9日にパリより北東の位置にあるダマルタン・アン・ゴエルの印刷会社に人質を取って立てこもりましたが、GIGN(対テロ特殊憲兵隊)の介入により死亡。

ポルト・ド・ヴァンセンヌに立てこもった犯人も、警察特殊部隊の介入により死亡。

3日に亘ったテロ事件でした。

1月11日には、追悼の行列がフランス各地で計画され、400万人が参加したと見積もられています。パリだけでも、200万人近くが集まりました。パリには、イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフやパレスチナ大統領マフムード・アッバースをはじめ、ヨーロッパ諸国の指導者も含め、首脳級44人が駆けつけ、非常に象徴的な集まりとなりました。

あの数日からもうすぐ一年である今日1月5日には、犠牲者の出た場所3か所で、犠牲者の名を記した石板が、オランド大統領立会いの下に公開されました。

・シャルリー・エブド社のあるNicolas-Appert通り

・Richard-Lenoir大通り(警官が一人亡くなった場所)

・Porte de Vincennes(ユダヤ食料品店の横)

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立てこもり事件のあったユダヤ食料品店

関係者や犠牲者遺族も参加し、一分間の黙祷を捧げる簡素な式でしたが、フランスに住む人は誰もが今日彼らのことを思ったことでしょう。

もう一か所、モンルージュの石板は、次の土曜1月9日に同様にして公開される予定となっています。

また、今週末1月10日(日)には、レピュブリック広場で、去年1月と11月のテロ事件犠牲者(合計147人)に捧げる追悼行事が予定されています。

レピュブリック広場には、10メートルの樫の木が植えられ、その根元に石板が設置されます。フランスの代表的歌手のひとりJohnny Hallyday(ジョニー・ハリデー)が「Un dimanche de janvier 一月の或る日曜日」を歌い、レピュブリック広場に花輪を捧げられる予定となっています。

午後17時15分からは、二度目の集会が予定されており、樫の木もレピュブリック広場の彫像もライトアップされます。

(冠ゆき)

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筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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