No.317【EURO2016】最も危険な5試合は?【フランス治安情報】
今月10日に始まったEURO2016サッカー戦。試合開催国であるフランスでは、毎日その話ばかりです。
パリをはじめ、多くの町に大型スクリーンを備えたファン・ゾーンも準備され、コンサートが開かれたり、観戦で盛り上がったりしています。
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過激サポーター同士の衝突
反面、過激なサポーター同士の衝突も心配されるため、多くの警官や軍隊が警備にあたっています。その中には、EURO2016に参加している23の国から派遣された180人の外国人警官も含まれています。
そんな中、6/11には、マルセイユで、イングランドVSロシア戦に先立ち、サポーター同士の激しい衝突が起こり、怪我人が30人以上も出ました。動画もいくつかネットにアップされていましたが、手当たり次第に椅子や瓶を投げつけ、殴る蹴るの暴行の様子が写っていました。路上はガラスの破片だらけで、歩くとじゃりじゃり音がする状態だったようです。
最も危険とみなされる5試合
実は、このイングランドVSロシア戦は、最も危険とみなされていた5試合のひとつだったそうです。
同じく危険とみなされていたトルコVSクロアチア戦が、6/12にパリでありましたが、こちらは、幸い特にひどい騒ぎにならずに済みました。
残る3試合は、次の通り。
6/15 15時から、ヴィルヌーヴダスク(リール近郊)のロシアVSスロヴァキア戦。
6/16 15時から、ランス(Lens)のイングランドVSウェールズ戦。
6/21 18時から、マルセイユのウクライナVSポーランド戦。
明日明後日のリール市内ではご注意を
ヴィルヌーヴダスク(Villeneuve d'Ascq)は、リール近郊にあり、先日のドイツVSウクライナ戦では、ドイツ人のサポーターがFan walkと称して、リールからヴィルヌーヴダスクまで歩いたくらいの距離です。
ランス(Lens)は、リール南方、直線なら30kmくらいの距離と、あまり遠くありません。
ロシアのサポーターとイングランドのサポーターとは、先日やり合ったばかりですし、リールのバーなんかで遭遇して、騒ぎにならないといいんだけど....と地元民は、少々戦々恐々としているようです。
マルセイユでの事故を受け、ロシアチームは15万ユーロの罰金を科されることが決まったようですし、これ以上騒ぎを起こすことがあれば、ロシアチーム自体が試合に出られなくなるという決定も出されました。
イングランド側も、選手がサポーターに騒ぎを起こさないよう呼びかけました。
これらが功を奏し、サポーターたちの頭を冷やしてくれることを祈ります。
また、フランスでは毎年6/21は音楽祭で、誰でも路上で音楽のパフォーマンスをしてよい日となっていますが、この日危険とされるウクライナVSポーランド戦を予定しているマルセイユでは、今年に限り、音楽祭を6/23に変更することを決定しました。
リールのファン・ゾーンと、交通事情、宿泊事情
さて、リールのリール・ヨーロッパ(Lille Europe)駅前にもファン・ゾーンができています。そのため、試合前から試合時間中は、Transpoleのトラムは、リール・ヨーロッパ駅に停まりません。ご利用の際はご注意ください。
また、ファン・ゾーン真ん前のショッピングセンター、ユーラリル(Euralille)では、入場のセキュリティチェックが厳しくなっています。こちらも合わせてお気を付けください。
なお、試合中のホテルの値段は高騰しています。私の聞いた話ではほぼ平常の4倍の値段。
これから閉幕までに予定されているヴィルヌーヴダスク(Villeneuve d'Ascq)での試合日は、6/15, 6/19, 6/22, 6/26, 7/1 となっています。その前後は、リール周辺での宿泊は避けることをお勧めします。もちろん、サッカー観戦の方は仕方がありませんけれど....
そのほかテロ、スト情報など
なお、昨夜パリ近郊では、警官夫婦が殺害されるテロ事件が起こっています。巻き込まれないように、身の安全にはお気を付けください。
また、一部労働組合のストも続いており、SNCFやRER一部路線は100%は稼働していません。リールでもTranspoleが、ストの予告をしています。
交通情報については、原則前日にならなければ、運行状況が分かりませんので、twitterで情報を流すようにしています。必要な方は、どうぞ、そちらをご参照ください。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
【記載内容について】
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