No.340フランス伝統工芸が一堂に会する見本市、入場無料です!

公開日 : 2016年11月17日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

日本の無形文化財と同様、フランスにも、伝統工芸を守り、広く知ってもらおうという動きがあります。

例えば、10月半ばには、「伝統工芸の日(Les journées des savoir-faire d'Excellence)」が設けられ、各地のアトリエが公開されました。この時は、骨董家具や美術品の修理をするアトリエを訪れました。

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Atelier Patrice Bricout

すべて手作業で行っているアトリエには、作業中の家具や修理の終わった家具、どれも非常な値打ち物がごろごろ置いてあり、ドキドキしながら見学しました。

アトリエの主パトリス・ブリクー(Patrice Bricout)氏は、知識豊かな気さくな人で、家具の歴史の説明から、小道具の説明までいろいろ丁寧に教えてくれました。

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一番驚いたのは、修繕に使う糊やニスもすべて手作りのものだということです。例えば、使用する糊には熱い糊と冷たい糊があるそうですが、熱い糊は、牛の骨と神経を溶かしてつくるものなのだそうです。ニスも、木材や出したい効果によって微妙に材料を替えてその都度作るものだそうで、材料ひとつにも大変な手間がかかっているのがよくわかりました。

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骨と神経で作った熱い糊

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ニスを作る材料のひとつ

アンティーク家具の修理にかかる費用で、新しい家具が買えてしまうため、修理しようとしない持ち主もいるのだとか。こんな美しく素晴らしい細工物が朽ち果てるのは本当に惜しいことだと、ブリクー氏は残念そうでした。

ブリクー氏のアトリエサイトはこちらです。アンティーク家具の手入れの仕方なども書いてあるので、興味のある方は参考にしてみてください。

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ひとつひとつ丁寧に切りとった金属

さて、アンティーク家具修理以外にも、宝石細工、ガラス細工、革細工、楽器作り、陶器作りなど、多くの工芸技術者が一堂に会する見本市 Salon International des Métiers d'Art が、明日から三日間、フランス北部ランス(Lens)で開かれます。

場所は、Bollaert Delelis(ボラール・ドゥレリス)スタジアム。

入場無料で、11/18-20の三日間、10時から19時を予定しています。

住所は、Lens (ランス)のAvenue Alfred Maes。フランス国鉄Lens駅から徒歩20分弱です。

美術工芸の現場が見られるまたとない機会です。お近くの方は、ぜひ足を運んでみてください。

(冠ゆき)

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筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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