No.370ただいま開催中第70回カンヌ映画祭にまつわるあれこれ

公開日 : 2017年05月23日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

日本でも話題になっていると思いますが、ただいまフランス南部カンヌでは、カンヌ国際映画祭が開催中です。開催期間は2017年5月17日から28日まで。今年は記念すべき70回目とあって、例年に増して注目されています。

パルムドールをつくるショパールの技

370-1.jpg

パルムドールのトロフィー©Festival de Cannes

有名なパルムドールのトロフィーをつくるのは、ご存知高級宝飾店Chopard(ショパール)。1998年から20年近く担当しています。5人の熟練工をして40時間かかるというこの盾。今年は70周年を記念して、贅沢にもダイヤモンドが散りばめられたデザインだそうです。

使用されたレッドカーペット80トンは再利用に!

ところで、カンヌ映画祭といえば、レッドカーペット。記者やカメラマンとスターたちを区別するためにとレッドカーペット使用を考案したのは、記者のひとりだったMourousi(ムールジ)氏だそうです。このカーペット、開催期間中ずっと使われるわけではなく、常に最高のコンディションでカメラに耐えうるように、なんと、一日に2~3回も交換されるのだとか。一度の開催で、約7000平方メートル、80トンのレッドカーペットが使用される計算だそうです。

けれどもご安心ください。ちゃんと再利用されています。Veolia社により、清掃がなされ、イタリアの工場で、ポリプロピレンの粒に形を変え、その後、車のバンパーやダッシュボードとして生まれ変わっているのだとか。(参考記事:Le parisien

今年参加の日本人監督作品

ちなみに、日本人監督作品も下の三本がエントリー。

コンペ部門:河瀨直美監督『光』

ある視点部門:黒沢清監督『散歩する侵略者』

コンペ外作品:三池崇史監督『無限の住人』

154-1.JPG

フランス北部で撮られた作品は四本

また、私の住むフランス北部のHauts de France (オー・ド・フランス)地方で撮影された映画も四本エントリーしています。

(1) François OZON(フランソワ・オゾン)監督『L'amant double』(二重の恋人)は、Croix(クロワ)にあるVilla Cavrois(ヴィラ・カヴロワ)で、一部が撮影されています。ヴィラ・カヴロワは、建築家Mallet-Stevens(マレ・ステヴァン)の手による作品で、国の歴史的建造物にも指定されています。

(2) Michael Haneke(ミヒャエル・ハネケ)監督『Happy End』(ハッピー・エンド)は、フランス北部の港、イギリス行きの船が出ることで有名なCalais(カレ)で撮影されました。

(3) Arnaud Desplechin(アルノー・デプルシャン)監督『Les Fantômes d'Ismaël』(イスマエルの亡霊たち)は、一部を監督の出身地Roubaix(ルーベ)で撮影。

(4) Bruno Dumont(ブリューノ・デュモン)監督『Jeannette』(ジャネット)は、フランス北部のオパール海岸で撮影されました。

370-2.jpg

70回記念パルムドール©Chopard

ダイヤモンドの散りばめられたパルムドール。その眩さを手にする映画が明らかになるのは、5日後です。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。