No.415リール国立オーケストラの奏でる「ロシアの魂」
フランス北部リールの国立オーケストラについては、これまでも、No.173 、No.318 、No.322 などで書いてきました。1976年に創設したのは、指揮者Jean-Claude Casadesus(ジャン・クロード・カザドゥシュ)。そののちも、リール国立オーケストラを率いてきましたが、40周年を迎えたのちに、ディレクターの座を若手指揮者アレクサンドル・ブロック(Alexandre Bloch)に譲りました。
そのカザドゥシュですが、それ以後も、要所要所で腕を揮っており、今期も同様です。
少し告知が遅くなりましたが、今週4/12(木)13(金)予定されている「L'âme russe(ロシアの魂)」はなかなかのお勧め。
ロシアものは好き嫌いが分かれやすいものの、日本でも親しまれている選曲ですので、どなたも楽しめるのではないかと思います。
プログラムは以下の通り
・ムソルグスキー 「禿山の一夜」
・プロコフィエフ 「ヴァイオリン協奏曲第二番 Op.63」
・ムソルグスキー 「展覧会の絵」
「禿山の一夜」は、ディズニー映画『ファンタジア』で一躍有名になった曲。実は今知られているのは、元の曲にリムスキー=コルサコフが手を入れたものです。最後の日の出とともに静けさが戻る場面の音楽は、元のヴァージョンにはなかったものです。
続くプロコフィエフの「ヴァイオリン協奏曲第二番」。プレスリリースによれば、作曲者のプロコフィエフは、これほどあちこちの国で書いた曲はない、と記しているそうです。『第一楽章のソロの部分はパリで書き、第二楽章はヴォロネジ(ロシア)で、オーケストラ用編曲はバクー(アゼルバイジャン)で書き終えた。初演は1935年12月マドリッドでのことだった』(プレスリリースより翻訳引用)。
アレーナ・バーエワ
今回のコンサートのヴァイオリニストは、ウズベキスタン出身のアレーナ・バーエワ。リール国立オーケストラとは、4年半前、カザフスタンで公演をともにした仲です。
ムソルグスキー「展覧会の絵」は、よく知られているように、もともとはピアノ曲。夭折したヴィクトル・ハルトマンの遺作展が、ムソルグスキーを触発し、生まれた作品です。どんな曲だっけ?と首をひねる方も、各絵画の間に挿入されたテーマ「プロムナード」を聞けば、ああこれか、と頷くほど、日本においても知られる曲となりました。
この「展覧会の絵」は、多くの音楽家にインスピレーションを与え、幾通りもオーケストラ編曲がなされました。今回演奏されるのは、その中でもおそらく最も多く演奏されているラヴェル編曲によるものです。
コンサートは、4月12日、13日ともに20時から。
場所はリールのヌーヴォーシエークル(3 Place Mendès France, Lille)。
地下鉄 Rihour駅から歩いて4分の距離です。
値段は5ユーロ~50ユーロ。
予約はこちらのサイトから。
クラシック好きな方にもそうでない方にもお薦めのコンサート。お近くの方は是非どうぞ。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。