海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP > 特派員ブログ > ヨーロッパ  > トゥルコアン特派員ブログ > No.546 マリー・アントワネット最期の76日に...

フランス/トゥルコアン特派員ブログ 冠ゆき

フランス・トゥルコアン特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2019年10月21日

No.546 マリー・アントワネット最期の76日に寄り添ったロザリーの話


No.546 マリー・アントワネット最期の76日に寄り添ったロザリーの話

フランス最後の王妃マリー・アントワネットが処刑されたのは、1793年10月16日のことでした。最期の日々を過ごしたのは、パリのコンシエルジュリー(Conciergerie)


コンシエルジュリーでは、王妃の命日となる今年の10月16日から2020年1月26日まで、「マリー・アントワネット、イメージのメタモルフォーゼ(Marie-Antoinette, métamorphoses d'une image)」展開催中です。


非常にユニークなこの展覧会については、コンシエルジュリーの歴史やマリー・アントワネット観とともに、こちらの記事 にまとめましたので、是非お読みいただけたらと思います。


さて、今日話題にしたいのは、マリー・アントワネットの最期の日々に仕えたロザリー・ラモルリエール(Rosalie Lamorlière)についてです。


546-1.jpg

「コンシエルジュリーの王妃(La reine à la Conciergerie)」, A Sceffer


ごく一市民に過ぎないロザリーについて、10年に亘り、歴史を愛するリュドヴィック・ミズロール(Ludovic Miserole)氏が、わずかな記述をたどって調べた内容が、最近France 3のニュース で取り上げられました。タイムリーな話題ですので、簡単に紹介しておきましょう。


同記事によれば、ロザリーの本名は、マリー=ロザリー・ド=ラモルリエール。生まれたのは、1768年オワーズ県のブルトゥイユ(Breteuil)でのことでした。
パリに出たのは22歳の頃、革命前夜ともいえる時期です。その頃から、ロザリー・ラモルリエールと名乗るようになります。


ロザリーが初めてマリー・アントワネットに出会ったのは、1973年8月1日、王妃の収容されるコンシエルジュリーでのことでした。夜着への着替えの手伝いを申し出たロザリーに、王妃が、「牢獄に入ってから、ひとりでできるようになりました」と答えたと言います。


その日から76日間ロザリーはマリー・アントワネットの世話をしましたが、記録によれば、大変細やかな心配りができる女性だったようで、いくつかの逸話は、ロザリーと王妃の間に一種の信頼関係が芽生えていたことを示しています。


546-2.jpg

「コンシエルジュリーを後にするマリーアントワネット, 1793年10月16日」William Hamilton (1794), © Coll. Musée de la Révolution française - Domaine de Vizille


ロザリーは、マリー・アントワネット亡き後も、ロベスピエールや、バリー夫人といった収容者の面倒を見て、計6年間コンシエルジュリーで働きました。


1801年には娘を出産。1824年には健康状態悪化のため施療院に入院。その費用は、マリー・アントワネットの関係者が出していたそうです。そのまま施療院でロザリーが亡くなったのは1848年2月2日、彼女が80の時でした。
彼女の亡骸は、モンパルナスの共同墓地に埋められましたが、ロザリーの娘が母のことを刻んだ墓碑は、ペール・ラシェーズ墓地に立っています。


碑に曰、

"母、ロザリー・ドラモルリエールを偲んで。囚われの身である故王妃マリー・アントワネットのそばに76日間仕えた最後の人物であり、優しさと敬意をもってその役を全うした人物。1848年2月2日没。享年80。彼女のために祈りを"。


ロザリーは亡くなるまで、マリー・アントワネットについて積極的には語ろうとしませんでした。ただ2度だけ、例外的に、歴史家のインタビューを受けたそうです。


コンシエルジュリーで描かれたというロザリーの肖像画は、いまだ見つかっていません。ミズロール氏の探求はまだ続いています。


コンシエルジュリを訪れる時は、是非、ロザリーのことも合わせて思い出してみてください。


「マリー・アントワネット、イメージのメタモルフォーゼ(Marie-Antoinette, métamorphoses d'une image)」
場所:コンシエルジュリー
住所:2 boulevard du Palais, 75001 Paris
最寄り駅:メトロ1,7,11,14番線のChâtelet駅、4番線のSaint-Michel駅/Cité駅
開館時間:9時半~18時(水曜日は20時半まで)(入場は閉館の45分前まで)
休館日:12月25日
入館料:大人9ユーロ
詳しくはこちらをごらんください

(冠ゆき)

にほんブログ村 旅行ブログ フランス旅行へ
にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村

記事の商用利用を希望される際はコチラからお申し込みください。
カテゴリー 文化・芸術・美術 見所・観光・定番スポット
2019年10月21日
« 前の記事「No.545フランス国鉄10/19も続く「予告のないスト」と今後」へ
»次の記事「No.547ノエルの季節到来! パリ・プランタンのクリスマス・ショー・ウィンドウ開幕!」 へ
おすすめ記事
トゥルコアン特派員 新着記事
No.548フランス交通機関12/5から無期限ストの可能性高まる
No.547ノエルの季節到来! パリ・プランタンのクリスマス・ショー・ウィンドウ開幕!
No.546 マリー・アントワネット最期の76日に寄り添ったロザリーの話
No.545フランス国鉄10/19も続く「予告のないスト」と今後
No.544 フランス第一回「城の夜」開催!
No.543仏リール、ロミーにはもう会いましたか?
No.542 ベルギーで一番美味しい!? えびコロッケが食べられるレストラン!
No.541ヨーロッパ文化遺産の日は、今週末です!
1年前の同じ月に投稿された記事
No.451ハロウィンの夜は、骸骨とともに?!
No.450日本にいながらフレンチな読書の秋を!
No.449フランス北部リールのトイレ事情とプロジェクト
No.448保存版!パリの地下鉄トイレ事情
No.447「フランス建築の日」仏北部では美術館が熱い!
No.446パリ北駅が一日閉鎖されます!
No.445日本のパスポート190か国の扉を開き、堂々の一位に!
No.444パリ、ノートルダム寺院に映し出される平和の祈りマッピング
No.443パリのニュイ・ブランシュ、今年は4つの星座コース

フランス 航空券情報


フランス旅行 旅スケジュール

旅行者の作る、新着!旅スケジュールをご紹介します。 ■フランスの旅行記・口コミ「旅スケ」へ

ヨーロッパ特派員ブログ一覧

アイスランド/レイキャヴィークアイルランド/ゴールウェイイギリス/イーリーイギリス/エディンバライギリス/カーディフイギリス/ギルフォードイギリス/グラスゴーイギリス/ケンダルイギリス/ケンブリッジイギリス/コッツウォルズイギリス/ヒースローイギリス/ブリストルイギリス/ベルファストイギリス/ヨークイギリス/ロンドンイギリス/ロンドン2イギリス/ロンドン3イギリス/ロンドン4イタリア/アンコーナイタリア/アンドリアイタリア/シチリア島イタリア/ジェノバイタリア/トリノイタリア/ナポリイタリア/ナポリ2イタリア/ナポリ3イタリア/パルマイタリア/フィレンツェイタリア/ベネチアイタリア/ボローニャイタリア/ミラノイタリア/ミラノ2イタリア/ラ・スペツィアイタリア/ローマイタリア/ローマ2イタリア/ローマ3ウクライナ/オデッサエストニア/タリンエストニア/タルツオランダ/アイントホーフェンオランダ/アムステルダムオランダ/デンボスオランダ/ライデンオーストリア/ウィーンオーストリア/ウィーン2オーストリア/チロルオーストリア/リンツキプロス/ニコシアギリシア/パロス島ギリシャ/アテネクロアチア/コルチュラ島クロアチア/ザグレブクロアチア/ドゥブロヴニクジョージア/トビリシスイス/アッペンツェルスイス/チューリヒスイス/ベルンスウェーデン/ストックホルムスペイン/イビサ島スペイン/バルセロナスペイン/バルセロナ2スペイン/バレンシアスペイン/バレンシア2スペイン/ビトリアスペイン/ビルバオスペイン/マドリッドスペイン/マドリッド2スペイン/レオンスロヴェニア/リュブリャナセルビア/ベオグラードチェコ/ブルノチェコ/プラハチェコ/プラハ2デンマーク/コペンハーゲンドイツ/ケルンドイツ/ケルン2ドイツ/シュタインバッハドイツ/デュイスブルクドイツ/デュッセルドルフドイツ/ハノーファードイツ/ハンブルクドイツ/フライブルクドイツ/フランクフルトドイツ/ブレーメンドイツ/ベルリンドイツ/ボンドイツ/ミュンヘンドイツ/ミュンヘン2ドイツ/ミンデンドイツ/ライプツィヒドイツ/レーゲンスブルクドイツ/ワイマールノルウェー/オスロノルウェー/オスロ2ノルウェー/オスロ3ノルウェー/ベルゲンハンガリー/ブダペストフィンランド/サヴォンリンナフィンランド/トゥルクフィンランド/ヘルシンキフィンランド/レヴィ・サーリセルカフランス/アヌシーフランス/アンボアーズフランス/カンヌフランス/コートダジュールフランス/ストラスブールフランス/トゥルコアンフランス/トゥールーズフランス/ナルボンヌフランス/パリフランス/パリ2フランス/パリ3フランス/ブールジュフランス/ボルドーフランス/マルセイユフランス/リヨンフランス/リヨン2フランス/レンヌブルガリア/ソフィアブルガリア/プレヴェンベルギー/ゲントベルギー/ブリュッセルベルギー/ルーヴェンポルトガル/ポルトポルトガル/リスボンポーランド/カトビッツェマケドニア/スコピエマルタ/マルタ島モンテネグロ/ポドゴリツァヨーロッパ/バルカンラトヴィア/リーガルクセンブルク/ルクセンブルクルーマニア/ブカレストロシア/サンクトペテルブルグロシア/モスクワ

ヨーロッパにもどる

  • 特派員プロフィール
  • トゥルコアン特派員

    トゥルコアン特派員
    冠ゆき
    山田流箏曲名取。1994年より渡仏。大学院での研究の傍ら、大学や専門学校で日本語日本文化講師を勤める。2000年より、ポーランド、イタリア、中国の生活を経た後、2013年フランスに戻る。旅好きでもあり、今までに訪れた国は約40ヵ国。6ヵ国語を解する能力と多様な文化に身をおいてきた経験を活かし、柔軟かつ相対的視点から、フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介中。
    Twitter, Instagram, Facebook DISQUS ID @disqus_MpLAscSgGV

  • リーダーに登録

地球の歩き方Web特派員募集