No.574フランスの母の日:なぜ2020年は6月なの?
今日5月10日は、5月の第2日曜で、日本では母の日です。
ヨーロッパでも、スイスやベルギー、ドイツ、オーストリア、イタリアなどフランスの隣国の多くは、日本と同じ5月第2日曜に母の日を祝っています。
ママ大好き!とポーランド語で書かれたケーキ©Kanmuri Yuki
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通常フランスでは5月最終日曜が母の日
フランスの母の日は、通常であれば、5月最後の日曜日です。
ということは、2020年の今年は5月31日!?
となるところですが、実はもうひとつ条件がついていて、5月最後の日曜日が「聖霊降臨祭(Pentecôte)」と重なるときは、6月第1日曜日にずれることが、1950年の法律で定められています。
そうして、2020年の聖霊降臨祭は、ちょうど5月31日にあたるため、母の日は6月7日になります。
復活祭と聖霊降臨祭
聖霊降臨の日は、復活祭を1日目としてちょうど50日目にあたります。ちなみにフランス語のPentecôte の語源は、古代ギリシャ語の「50日目」です。
No.570などに書いたように、復活祭の日程は満月の日によって毎年移動するので、聖霊降臨の日も毎年異なるわけです。けれども、復活祭自体が日曜日なので、50日目の聖霊降臨祭も毎年日曜日にあたります。
もうひとつの共通点は、復活祭と聖霊降臨の日、どちらも翌日の月曜日が祝日であることです。フランスには祝日が年11日ありますが、そのうちのひとつが、パントコート(聖霊降臨祭)翌日の月曜日というわけです。
母の日のプレゼント
話を母の日に戻しましょう。フランスでの母の日のお祝いは、だいたい日本と同じです。遠くに住んでいれば必ず電話をかけますし、近ければ顔を出し一緒に食事をしたり、プレゼントを贈ったりします。
Internaute 記事が紹介する2017年統計によれば、プレゼントで最も多いのは、香水や化粧品が36%。続いてお花や植物32%。ただし、母の日にはカーネーションというような決まったお花はありません。続いて、レストランへの招待、アクセサリーや腕時計などの宝飾類、服など身につけるものや、本や映画など鑑賞するもの。チョコレートやお菓子と続きます。
ほほえましいことに、10位に16%で入っているのが子供たちが描いた絵や詩、手作りのプレゼント。一番感動が大きいのは、こういう手作りプレゼントかもしれませんね。
フランスの母の日まではまだ1ヵ月近くあります。出遅れてしまった方「今年は趣向を変えてフランスに合わせてみた」という言い訳など、いかがでしょう?
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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